今すぐ消えてしまいたいと思うあなたへ~自殺予防週間に寄せて~

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コラム
※この文章は別メディアに自信が投稿したものを転載しております。

毎年、9月10日から1週間は自殺予防週間ということらしいので、私が経験した自殺未遂とその時思っていたことについて振り返ってみたいと思う。

当時の手記なども残っているのでそれらも見返しつつ、自殺したいという気持ちを持ってしまったあなたに、少し希望が見える話が出来たら嬉しい。

出来ることなら、悪い方向に進む1歩を踏みとどまらせる記事になればいいと思っている。


まず、正直な話をしよう。
私は無理に「死ぬな」とは言えない。
その理由は、当時の私には響かなかったからだ。

私が記憶しているのは、こんな思考。
「私ぐらいの人間が消えたところで、少し経てば忘れ去られてしまう。私には何もないから、せめて葬儀代だけでも溜めたらさっさと消えてしまおう。」

私は、私の価値を労働力や経済的価値でしか見ることが出来なかったので、働いてない私は無価値な人間だと思いこんでいた。
今でこそ図太くなって、のんびりと半分ニートみたいな生活を謳歌しているが、そんな自分を一番自分が許せなかった。

そして追い打ちをかけたのが家族。

「そんなこと考えても無駄だ」
「何も考えずに休め」
「そんなこと誰も考えてないんだから、意味ない」

何も出来ない私が、唯一出来ていた“思考”を家族はことごとく否定し続けた。私は何も信じられなかった。自分も家族も何もかも。


私がどんにあった2018年の手記が少し残っていた。
誰にも理解してもらえない孤独を癒していたのは、自分で生み出す文字たちだった。
文字たちは悲痛な叫びを、今の私に呼び掛けている。

「早く楽になりたい」
「苦しい思いをしたくない」
「迷惑かけたくない」

「もう判断できない」

とにかく孤独な私は紙とペンで自己と対話することが唯一の慰めだった。
でも実はこの対話が私にとっての回復の道への大きな1歩だった。

頭の中で悪いことをぐるぐる考えていた。
それが苦しくて吐き出す手段が必要だった。
それが私の場合は「書く」という行為だった。
それも「手」を使って書くというのが良かった。

人によっては自分を動画で撮ったりとか、声を録音するとか合うものを選んでほしいんだけど、自分の記録を付けるというのがカウンセラー的にも良い方法らしい。

私は頭に浮かんだ言葉をそのまま書き起こしていった。
とにかく吐き出していった。
何を考えているかわからないときは
「わからない」と書き続けた。

とにかく吐き出していった。
とにかく吐き出していると1日が過ぎる。
エネルギーが尽きると自然と眠れた。
寝る前のぐるぐるとした思考は消えていった。
薬による効能もあったと思うけど、書くことをしなかったらこうはならなかったと思う。
医療も福祉も社会も家族も何も信じられなかったけど、自分の言葉だけは信じられた。
私の一番の味方は私自身だった。

それに気づいた私は、自然と「死にたい」気持ちから卒業できた。
自殺願望との闘いの勝利を獲得できた。

カウンセラーは言った。
「自殺願望はうつ病が見せてる幻だ」と。

私は最初は信じられなかった。
自殺願望は私自身の意思だと思っていた。
でも今ならそれは確かに幻だと思える。
自殺願望を持つのは、それくらい苦しいという心の叫びだ。

ひとりで苦しい思いをしているあなたへ。
無理に他人に頼れとは言わない。
ただ、ひとつだけ。
自分だけは自分の味方でいてあげてください。
あなたが自分を見限ってしまってしまうことだけはしないでほしい。
孤独は苦しいから。
せめてあなたは、あなただけは、あなたの味方でいてあげてください。
それだけは私と約束してほしい。

「自殺願望という悪夢は必ず終わるから。」

この文章を少し先の自分からのメッセージだと思って、頭の片隅に置いておいてほしいの。
不安でいっぱいだと思うけど、その悪夢から目覚められる日を迎えたら。
一緒に思い出話として語らおう。

約束だよ。


2022年9月11日 函館から愛をこめて
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