算命学には天中殺という技法があります。
人は全員6種類の天中殺のどれかに属しています。
天中殺とは、簡単に言うと運の低迷期です。
ですので、天中殺を知っておられる方は、
「今は天中殺だから運悪いのよね」とか、
「来年から天中殺だ、いやだなぁ」といったような気持ちになりがちです。
話は少し変わって、本日NHKの番組で「玉鋼(たまはがね)に挑む」というものを見ました。
玉鋼は刀を作る元となる鉄のことです。
鉄を熱して、叩いて、冷やして、また熱して・・・を繰り返して
刀は作られます。
しかし、ただの鉄を熱して叩くと、すぐに割れてしまうのです。
そこで、「玉鋼」という鉄のかたまりを3日3番作り続けるのです。
ここで、勉強になったことがありました。
鉄に不純部がなければ、すぐに割れてしまうそうです。
鉄を熱しても、粘り気があり、柔軟なものにするには、この不純物がどうしても
必要なのだそうです。これはなぜなのかはわかっていないそうです。
人が何か作り出そうとして人工物になると、「きれいなもの」「整ったもの」を
求めてしまいます。
しかし大自然の理は違うのですね。
一見、不要なものが実はとても重要な意味を持っているということです。
「不純物」という言葉自体、人間が名付けたものですよね。
自然界には不必要なものは何一つないということが、この古来の伝統的な
玉鋼作りからもうかがえます。
算命学も大自然を大切にします。
天中殺も一見、人にとってもは嫌なもの、避けたいものです。
なんとかしようと、浅はかな人間は考えます。
しかし、人をより成長させるためには、とても重要な時期なのだと思います。
いいことばかりの人生では、すぐに割れてしまいます。
天中殺という厳しい時期を経て、人はひとまわり大きく成長するのだと思います。
あまり「いやだいやだ」と思って迎えるのではなく、「ありのまま」受け入れる、
そして、それを真正面から受け入れて、四苦八苦しながらも天中殺を終えたときにはきっと人間的成長があるのだと思います。
これを悪い時期だから・・・と考えていると、天中殺に振り回されて、結局傷ついただけの時間になってしまうでしょう。
この心の持ち方が、占いを活用する大事な要素になると思います。
算命学(占い)に振り回されるのではなく、算命学(占い)を活用する。
そんな心の持ち方ができると良いですよね。