星乃珈琲店に入ったとき、まずコーヒーの香りが来た。ハンドドリップの、少し深みのある焙煎の匂いである。喫茶店というものは、入った瞬間の匂いで、その店の格というものがだいたいわかるものなのだ。
ここの匂いは悪くなかった。
いや、かなりよかった。
席につき、メニューを開いた。「オムライス&炙りチーズハンバーグプレート」という文字が目に入った。単品1,180円。ドリンク付きで1,610円。
68歳のうさじいは、少し考えた。糖質。カロリー。血糖値。そして頼んだ。ドリンク付きで。
待つあいだ、カウンター越しに調理の音が聞こえてきた。チーズを炙る、あのかすかに焦げる匂いが漂ってきた。空腹の胃に、じわじわと届いてくるやつである。
料理が来た。まず、色である。卵の黄色が鮮やかだった。オムライスの卵がふっくらと丸く盛り上がり、その上にハンバーグが乗っていた。ハンバーグの上には、炙られたチーズが白く溶けて広がり、パセリの緑が小さく散らされていた。皿の縁には濃い色のドミグラスソースが広がっている。それから小さな赤い器に細切りのフライドポテトが盛られていた。なかなかの絵である。
フォークを入れると、ハンバーグは想像以上にしっかりした肉感があった。チーズはまだ温かく、ハンバーグの上でゆっくりと糸を引いた。一口食べた。肉の旨みとチーズのコクが舌の上で混ざった。
次にオムライスの卵がふわりときた。ケチャップライスの甘酸っぱさが後を追ってくる。ドミグラスソースの深い苦みが、全体をぐっとまとめた。三層の味が、一口に全部入ってきたのであった。
フライドポテトは細くてカリカリだった。赤い器のケチャップに少し浸して食べると、これがまた止まらないやつである。
コーヒーが来た。星乃ブレンドの、深みのあるやつである。
食べ終わって、椅子に深く座り直した。糖質とカロリーについては、食べている途中にすでに考えるのをやめていた。
そういう食事というのが、時々必要なのであった。血糖値計はかばんの中に入っている。食後二時間後に測ることにした。
それでも、星乃珈琲店のこのプレートは、悪くなかった。いや、かなりよかったのであった。