Q: 「私はこれまで転職を5回しています。毎回、面接で『どうしてそんなに転職回数が多いの?』と聞かれ、その度に1社ずつ退職理由を説明しようとするのですが、話が長くなって自分でも混乱してしまいます…。どう答えればいいのでしょうか?」
A: 「そのお悩み、よくわかります。転職回数が多い人ほど、伝え方には工夫が必要です。実は、ひとつひとつ全てを時系列で詳細に話す必要はありません。代わりに、自分のキャリアを2〜3つの「フェーズ」にまとめて語ることで、矛盾なくスッキリと伝えられます。この記事では、その具体的な方法とポイントを解説していきます。」
❓転職回数が多いと不利?—企業が懸念するポイント
まず前提として、多くの方が「転職回数が多いと選考で不利になるのでは」と心配しています。実際、採用担当者は応募者の転職回数が多いと「飽きっぽいのでは?」「うちに入社してもまたすぐ辞めるのでは?」と慎重になる傾向があります。特に30代で4~5回以上の転職となると平均より多いため、なおさら心配されやすいでしょう。
とはいえ、転職回数が多いことが必ずしも不利になるとは限りません。時代の変化とともに、自分に合った仕事を見つけるために様々な職種・業界に挑戦する人も増えており、実際に転職回数が多くても希望の職場への転職に成功している方は数多くいます。要は採用担当者が納得できる伝え方ができれば良いのです。面接では限られた時間の中であなたの強みや意欲をアピールする必要があります。すべての退職理由を一社ずつ細かく説明しようとすると時間が足りなくなり、本当に伝えたいアピールが埋もれてしまう恐れがあります。
そこで重要なのが、転職理由に一貫した軸や共通するテーマを持たせることです。すべての職場でバラバラの理由で辞めているように見えると、「また同じ理由で辞めるのでは?」とネガティブに捉えられかねません。逆に「〇〇のスキルを身につけるために複数社で経験を積んできた」「自分の理想のキャリアを追求する中で段階的にキャリアアップしてきた」といった一貫性のあるストーリーで語れば、説得力が増します。では、どうすれば自分のキャリアに一貫性を持たせて伝えられるのでしょうか? そのカギが次の「2フェーズで語る」方法です。
🎯解決策:2〜3つのフェーズにまとめて語るストーリー設計術
転職回数が多い人ほど、自分のキャリアストーリーを“フェーズ”で整理して伝えることをおすすめします。フェーズとはキャリアの節目ごとのまとまりです。例えば「第1フェーズ:キャリア前半」「第2フェーズ:キャリア後半」といった具合に、大きく区切ってストーリーを組み立てます。こうすることで、たとえ4社・5社と職歴が多くても、「大きくはこの◯つの時期に分けられます」と簡潔にまとめて話すことができます。
では具体的に、フェーズごとにストーリーを組み立てる手順を解説します。
全ての転職理由を書き出す: まず最初に、これまでの退職理由・転職理由を一度すべて紙に書き出してみましょう。ネガティブな理由(人間関係が合わなかった、待遇不満 etc.)も含めてOKです。この段階では正直な本音をリストアップします。
共通点や軸を見つける: 書き出した理由を眺めて、「なぜ転職を重ねてきたのか」自分なりに共通するテーマや動機がないか探ります。例えば「常に新しいスキルを求めていた」「自分に合う働き方を模索していた」など、一見バラバラに見える転職にも一貫した軸があるはずです。もしネガティブな理由ばかりが目立つ場合は、それらをポジティブな表現に言い換えてみましょう。人間関係の不満で辞めた→「チームで協力し合える環境で成長したいと思った」、待遇への不満→「成果を正当に評価してもらえる職場で力を発揮したい」など、前向きな言い方に変換します。
キャリアを2〜3つの時期に区分する: 次に、自分のこれまでのキャリアを時系列で振り返り、大きな転機や方向性の変化があったポイントで区切ってみます。例えば、「20代前半まで」「転職して業界チェンジするまで」「マネジメントに挑戦した◯◯年以降」など、大まかに2〜3つのフェーズに分けます。各フェーズに先ほど見つけた共通の目的や軸を当てはめてみましょう。「第1フェーズは〇〇のために経験を積んだ時期」「第2フェーズは〇〇を目指してキャリアを重ねた」といった形で、それぞれのフェーズにテーマを持たせます。
フェーズごとのストーリーを組み立てる: フェーズごとに「その時期の自分は何を重視して転職していたのか」「どんな目標があったのか」をまとめ、それを一連のストーリーとしてつなげます。ここで大切なのは、各フェーズの目的が次のフェーズにつながっていることです。「第1フェーズで〇〇を経験し、その中で△△の大切さに気づいた。そこで第2フェーズでは△△を軸にキャリアチェンジし、更に成長してきた」というように話せば、複数回の転職にも一本筋の通ったストーリーが生まれます。
以上の手順を踏むことで、「転職を繰り返してきたけれど、ちゃんと自分なりの計画や成長のステップがあったんだな」と相手に感じてもらいやすくなります。面接官に「計画的にキャリアを歩んできた人材だ」と思ってもらえるよう、一貫性を意識した構成にするのがポイントです。
👍実際の支援事例:フェーズで語った成功ケース
ここで、実際に「フェーズで語る」ストーリー設計を用いて転職面接に成功した例を紹介します。
ケース①:異業種へのキャリアチェンジを乗り越えたAさん
Aさん(仮名、40代前半)はこれまで5回の転職を経験。営業職としてメーカー、広告代理店、ITスタートアップなど異なる業界を渡り歩いた後、未経験から人事職にキャリアチェンジした経歴をお持ちでした。書類選考や面接で毎回「かなりユニークな経歴ですね」と驚かれるものの、うまく説明できず不合格が続いていました。
そこでAさんは自身のキャリアを2つのフェーズに整理して伝えることにしました。まず第1フェーズ(20代〜30代前半)を「ビジネスの現場で幅広く経験を積んだ時期」と位置づけました。実際にAさんは若いうちに様々な業界の営業を経験する中で、「どの業界でも通用する営業スキルを身につけたい」という想いがあったことに気づき、その軸でストーリーをまとめたのです。「私は高度な営業スキルを習得するため、20代〜30代前半はメーカーからITベンチャーまで様々な業界で営業職を経験してきました」と伝えると、面接官もうなずいてメモを取っていました。
次に第2フェーズ(30代後半以降)では「身につけたビジネススキルを人材育成に活かすためキャリアチェンジした時期」と定義しました。Aさんは営業として培ったスキルを社内外の人の成長に役立てたいと考え、人事への転職を決意した経緯があります。そこで「様々な業界で培った経験を活かし、人材育成を通じて会社に貢献したいと考え、30代後半から人事職に軸足を移しました」とまとめて伝えました。こうすることで、直近の異業種転職もAさんの中では一貫したキャリアパス上の挑戦であるとアピールできたのです。
このように2つのフェーズに分けて説明した結果、Aさんは**「自分の経験を活かして組織に貢献したいという思いが伝わった」**と高く評価され、見事志望企業から内定を獲得できました。面接官からも「非常に筋の通ったキャリアストーリーで納得感があった」とコメントをもらえたそうです。
ケース②:転職回数自体を強みに変えたBさん
Bさん(30代後半)は6回の転職歴があり、同じIT業界内で職種を変えながら(プログラマー→カスタマーサクセス→営業企画 など)キャリアを積んできました。転職回数の多さから書類選考で落とされることも経験し、「このままではいけない」と感じて面接での伝え方を見直すことにしました。
Bさんは自身のキャリアを3つのフェーズに区切って整理しました。第1フェーズは「エンジニアとして技術スキルを磨いた時期」(20代前半〜後半)、第2フェーズは「顧客支援やビジネス視点を身につけた時期」(30代前半)、第3フェーズは「培った経験を活かして事業戦略に関わった時期」(30代中盤〜現在)と定義。それぞれのフェーズで身につけたスキルと、転職の目的を明確にしました。
面接ではまず「私のキャリアは大きく3つのフェーズに分けられます」と断った上で、第1フェーズでは「エンジニアとして基礎技術を身につけるために複数社で開発経験を積んだ」、第2フェーズでは「技術だけでなく顧客視点を養うためカスタマーサクセスに挑戦した」、第3フェーズでは「事業全体に貢献するため営業企画に転身し、経験の幅を広げてきた」と順に説明しました。どの転職も最終的なキャリア目標(将来のCTO兼事業開発責任者になること)につながる必然的なステップだったと強調したところ、面接官は「転職回数が多いと感じない、一貫したキャリアですね」と好意的に受け取ってくれました。
この結果、Bさんは「転職回数=ブレている」ではなく「多様な経験を積極的に積んできた証」として評価を得ることに成功しました。実際に内定後のフィードバックでも「色々な企業を経験した強みをぜひ当社で発揮してほしい」と言ってもらえたそうです。
フェーズでまとめる転職理由のテンプレート例
最後に、転職理由をフェーズでまとめて伝える際に使える汎用テンプレート例を紹介します。自分のケースに合わせてアレンジしてみてください。
第1フェーズ(キャリア前半):「私は〇〇を身につけるため、20代前半〜〇〇年頃まで△△に取り組んできました。様々な経験を積む中で、□□の大切さに気づき…」
第2フェーズ(キャリア後半):「…そこで□□を実現すべく〇〇年以降は☆☆に注力してきました。△△で培った経験を活かし、より大きな貢献ができる環境を求めて転職を重ねてきた次第です。」
このように、第1フェーズでは「何を求めて経験を積んできたか」、第2フェーズでは「その経験を踏まえて次に何を目指したか」を軸に据えてまとめると、一貫性のある伝え方になります。ポイントはどのフェーズにもポジティブな目的意識があることです。会社や上司への不満など直接的なネガティブ理由は避け、フェーズごとの学びや次への意欲にフォーカスしましょう。
なお、人によっては3つのフェーズに分けた方が語りやすい場合もあります。フェーズの数に正解はありませんが、あまり細かく分けすぎるとかえって複雑になるため2〜3つに留めるのが無難です。大切なのは「自分のキャリアを振り返ったときにどんな章立てになるか」を意識し、ストーリー仕立てで伝えることです。
おわりに:あなたのキャリアを次のステージへ
転職回数が多いことに悩んでいる方も、伝え方次第でそれを強みに変えることができます。今回紹介した「ストーリーで語る2フェーズ法」をぜひ一度、自分の経歴で試してみてください。最初は難しく感じるかもしれませんが、紙に書いて整理していくうちに「自分の軸ってこれだったんだ」と再発見があるはずです。
「それでも自分ではまとめきれない…」という場合は、プロに相談するのも一つの手です。私もココナラでキャリア相談のサービスを提供しています。転職理由の整理や面接でのアピールの仕方に不安があれば、ぜひお気軽にココナラで相談してみてください。また、X(旧Twitter)でも日々キャリアに役立つ情報を発信していますので、興味があればフォローしてみてください。あなたのキャリアがより充実したものになるよう、心から応援しています!