人件費を削る前に、飲食店が確認したい時間帯別売上の見方

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ビジネス・マーケティング
「人件費率が高いから、シフトを減らさなければならない」

飲食店の数字を見ていると、こう考えたくなる場面があります。ただし、月全体の人件費率だけで人数を削ると、提供の遅れ、清掃不足、仕込み不足、スタッフの疲弊につながり、結果的に売上を落とすことがあります。

先に確認したいのは、時間帯ごとの売上と、その時間に働いた人数・労働時間です。

人件費率だけでは分からないこと

人件費率は、人件費÷売上×100で計算できます。店舗全体の状態を把握するには便利ですが、「いつ人が多いのか」「どの時間に売上を作れていないのか」までは分かりません。

同じ人件費率でも、ランチのピークに人が足りない店と、アイドルタイムに人が余っている店では、取るべき対策が異なります。

まず時間帯別売上を並べる

POSレジなどから、1時間ごとの売上を出します。難しければ、ランチ前、ランチ、アイドル、ディナー、閉店前の5区分でも構いません。

各時間帯について、次の項目を並べます。

・売上
・客数
・出勤人数
・総労働時間
・主な作業内容

これだけでも、「売上の少ない時間に人数が残っている」「ピーク前の準備が不足している」といった偏りが見えます。

人時売上高を確認する

時間帯別の生産性を見る指標として、人時売上高があります。

人時売上高=売上÷総労働時間

たとえば、1時間の売上が30,000円で、3人が1時間働いた場合、総労働時間は3時間、人時売上高は10,000円です。

この数字は業態、客単価、営業時間、提供方法によって適正値が異なります。他店の数値をそのまま目標にするのではなく、まず自店の曜日別・時間帯別の推移を比べることが大切です。

開店前・閉店後の作業を見落とさない

営業時間中の人数だけを見ていると、仕込み、清掃、発注、締め作業などの時間が抜けます。これらは売上が立たない時間ですが、店舗運営に必要な仕事です。

そのため、単純に削るのではなく、作業の重複、開始時刻、担当分け、前日に回せる作業がないかを確認します。ピークに必要な準備まで減らすと、営業時間中の売上機会を失う可能性があります。

削減より、時間帯ごとの再配置

見直す順番は次の通りです。

1.売上が立つ時間帯を確認
2.その時間帯に必要な人数を確保
3.売上が少ない時間の作業を洗い出す
4.開始・終了時刻を15分単位で調整
5.翌週の実績と比較する

重要なのは、一度に大きく減らすことではありません。小さく調整し、売上、提供時間、残業、スタッフの負担を見ながら修正します。

人件費率が高い原因は、人数だけとは限りません。売上の弱い曜日、営業時間の長さ、仕込み方法、メニュー構成、予約状況などが重なっている場合もあります。

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