【第1回】経験記述で落ちる答案に共通する3つの型|1級・2級土木

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第2次検定の施工経験記述は、覚えた量では差がつきません。同じ工事を書いても、書き方ひとつで通る答案と落ちる答案に分かれます。
私は元自治体土木の職員として、発注者=提出された書類を審査する側で施工計画書や工事書類に目を通してきました。そのうえで施工管理技士にも合格しています。書く側と読む側の両方から見て言えるのは、落ちる答案の理由はほとんど3つに集約されるということです。
この連載の第1回では、その3つの型を挙げます。ご自身の下書きを横に置いて読んでみてください。

型1 何を守るのかが1つに絞られていない

いちばん多いのがこれです。書き出しが「安全に十分配慮する必要があった」「品質の確保に努めた」で始まる答案。読む側は、何の災害を防ぐ話なのか、何の品質を確保する話なのかを探しながら読むことになります。
技術的課題は、現場条件から1つに落ちて初めて課題になります。軟弱地盤なのか、梅雨期の施工なのか、近接構造物があるのか、夜間作業なのか。条件が先にあって、そこから防ぐべき災害・確保すべき規格値が1つ決まる、という順序です。
簡単な見分け方があります。ご自身の設問(1)から工事名と工種を消してみてください。それでも文章がそのまま別の現場に通用するなら、課題は絞れていません。

型2 数値と基準がどこにも出てこない

次に多いのが「しっかり換気を行った」「丁寧に養生した」「適切に管理した」で処置が終わっている型です。
読む側は、書かれていることを実際に管理したのかどうかを数値で確認します。発注者として書類を見ていたときも同じで、管理基準値・規格値・試験方法・有資格者の選任が書かれていない記述は、やったかどうかを判断できません。「良い品質を確保した」は本人の感想であって、管理した証拠にはならないからです。
自分の答案の処置の段落を見て、数字が1つも出てこないなら型2です。

型3 検討から評価までの線が途中で切れている

3つめは、課題・検討・処置・評価のどこかが抜ける型です。多いのは「実施した」で文章が終わり、結果どうだったのかが書かれていないパターン。無事故で完了した、規格値内を確保した、という評価まで書いて、はじめて一連の管理になります。
逆に、検討した理由が抜けて処置だけが並ぶ答案も同じ型です。なぜその方法を選んだのかがないと、処置が現場の思いつきに見えてしまいます。
令和6年度からの新形式は2テーマ必答・各2項目の構成なので、設問ごとの役割分担がはっきりします。分担が崩れて設問(1)と(2)が同じ話になっている答案も、この型に含まれます。

まとめ

落ちる答案に共通するのは3つでした。型1は課題が絞れておらず、工事名を消すとどの現場にも当てはまる文章になっていること。型2は検討も処置も数値と基準を欠いていて、読み手が妥当性を判定できないこと。型3は検討から処置、評価までの筋が途中で切れていて、やったことと結果がつながっていないことです。

厄介なのは、自分では気づけないこと

3つの型のうち、自分で見つけられるのはせいぜい型2までです。数字が無いことは数えれば分かります。
型1と型3は、自分では判定できません。自分の現場は自分がいちばんよく知っているので、書いていない情報まで頭が勝手に補って読んでしまうからです。だから何度読み返しても「伝わっている」ように見える。書いていない情報を持っていない第三者が読んで、はじめて欠落が見えます。
自分の下書きが3つの型のどれに当たるのか、外から見てほしいという方は、こちらで承っています。
ご購入後の流れは次のとおりです。トークルームで下書き1テーマ分をそのままお送りください。合格可能性のA・B・C判定と、減点につながっているポイントのワースト3、設問ごとの字数チェックをまとめてお返しします。
診断ですので、書き換えた文章そのものはお付けしていません。どこがどの理由で減点されるのかという方向性までをお返しする内容です。合格を保証するものではありません。
次回は、その「自分では判定できない」がなぜ起きるのかを、もう少し掘り下げて扱います。

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