会議で数字を読み上げるのをやめた話|30分の報告が5分になるまで

会議で数字を読み上げるのをやめた話|30分の報告が5分になるまで

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ビジネス・マーケティング
毎週月曜の朝、私は30分かけて数字を読み上げていました。

前の週の実績、達成率、順位。資料を作るのに前日の夜を使い、当日はそれを読む。聞いているメンバーは手元の紙を見ながらうなずいている。

真面目にやっていました。ただ、正直なところ、途中から気づいていたんです。この30分で何かが変わったことは、たぶん一度もない。

通信業界のコールセンターで25年、チームを見てきました。今日はこの30分をやめるまでの話を書きます。

読み上げは、誰のためでもなかった


やめる前に、一度きちんと考えてみました。この報告は誰のためにやっているのか。

メンバーのため、ではありませんでした。数字はすでに配ってあるので、聞かなくても分かる。むしろ自分の悪い数字を全員の前で読み上げられるのは、居心地が悪いだけです。

上司のため、でもありませんでした。上司には別途レポートを出しています。

残ったのは、自分のためでした。やるべきことをやった、という安心を得るための30分。そう気づいたときは、けっこうこたえました。

資料をやめて、同じ画面を見た


そこで、資料を配るのをやめました。代わりにやったのは、たった一つです。

全員が同じ画面を、同時に見る。

自分の数字も、隣の人の数字も、チーム全体の数字も、一つの画面に出ている状態にしました。読み上げはしません。1分だけ黙って見てもらいます。

最初は落ち着かなかったです。何も喋らない1分は、想像以上に長い。

でも、その1分が終わったあとの空気が違いました。「あれ、自分ここ低いですね」と本人から言い出す。「先週より上がってるの、何かやりました?」と隣同士で聞き合う。

説明していたときには一度も起きなかったことでした。

会議が短くなって、起きたこと


結果として、30分の報告は5分になりました。浮いた25分は、そのまま「じゃあ今週どうするか」の話に使えるようになりました。

ただ、時間が短くなったこと自体は、実はそれほど重要ではありません。大事だったのは話の始まり方が変わったことです。

前は「数字が悪いね」から始まっていました。今は「どこを動かすか」から始まります。同じ数字を見ているのに、出発点がまったく違う。

一つだけ工夫したことがあります。画面に「あと何件で目標に届くか」を必ず出すようにしました。達成率だけだと通信簿になりますが、あと何件と出ていると、それは作業の話になります。人は作業の話なら自分から動きます。

読み上げをやめられない理由


とはいえ、この形にたどり着くまでには時間がかかりました。理由は分かっています。

読み上げをやめると、リーダーは手持ち無沙汰になるからです。

喋っていれば、仕事をしている感じがします。黙って画面を見せているだけだと、何もしていないように思えて不安になる。私はここで何度か元に戻しました。

でも、リーダーの仕事は説明することではなく、次の一手を決めることでした。説明に使っていた時間を明け渡して、ようやくそこに手が回るようになった、というのが正直なところです。

同じことで困っている方へ


毎週の報告に時間を取られている、資料は作っているのに現場が動かない。そんな状態でしたら、原因は資料の出来ではないかもしれません。

私は業務ツールを作るとき、何を表示するかより先に「その画面を見た人が、次に何をするか」から設計します。現場で25年、動かなかった側をたくさん見てきたからです。

Excelの集計と会議準備が毎週の負担になっている、面談で何を話すか毎回その場で考えている。そんな状態でしたら、お力になれることがあるかもしれません。

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