人は思っているほど合理的に買い物をしていない

人は思っているほど合理的に買い物をしていない

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ビジネス・マーケティング
私たちは普段、何かを購入するとき、

「価格を比較して選んだ」

「品質が良かったから選んだ」

「自分に必要だと思ったから買った」

と、自分なりに考えて商品を選んでいます。

もちろん、それは間違いではありません。

しかし、本当に私たちは、商品の価格や性能だけを比較して合理的に買い物をしているのでしょうか。

例えばスーパーで、ほとんど同じ価格の二つの商品が並んでいたとします。

一つは、テレビやインターネット、街中の広告などで何度も見たことがある商品。

もう一つは、今日初めて見る商品。

性能や価格に大きな違いがなければ、あなたはどちらを選ぶでしょうか。

おそらく、「こっちの方が知っているから。」

という理由で、見慣れた商品を手に取る人も少なくないでしょう。

実は、この「知っている」という感覚そのものが、私たちの判断に影響することがあります。

1.なぜ企業は、知っている商品を何度も広告するのでしょうか?

例えば、コカ・コーラ。

知らない人を探す方が難しいほど有名な商品です。

それでも私たちは、テレビCM、インターネット広告、街中の看板、自動販売機、コンビニやスーパーなど、さまざまな場所でコカ・コーラを目にします。

すでに有名なのに、なぜ企業は何度も同じブランドを私たちに見せるのでしょうか。

もちろん、新商品を知らせたり、キャンペーンを告知したり、ブランドイメージを維持したりと、広告にはさまざまな目的があります。

しかし、人間の心理という視点から見ると、もう一つ面白い理由があります。

人は、繰り返し接触したものに親近感や好意を持ちやすい。

という性質です。

2.単純接触効果(ザイオンス効果)とは?

人は、同じ人や物などに繰り返し接触することで、その対象に対して親近感や好意を持ちやすくなることがあります。

これを、単純接触効果(ザイオンス効果)と呼びます。

例えば、毎朝同じ時間に見かける人。

何度も耳にしている音楽。

いつも目にする企業のロゴ。

最初は特に何とも思っていなかったものでも、何度も接触するうちに、

「なんとなく知っている」

「なんとなく安心する」

「なんとなく好き」

という感覚が生まれることがあります。

ここで重要なのは、商品の性能そのものが変わったわけではない

ということです。

変わったのは、その商品に対する私たちの認識です。

3.「知っている」は、それだけで判断材料になる

では、これを買い物に置き換えてみましょう。

スーパーの棚に二つの商品があります。

価格も似ている。

機能も似ている。

しかし、一方の商品は何度も広告で見たことがある。

もう一方は知らない。

このとき、「知っている商品だから安心できそう。」

という感覚が、最後の判断材料になることがあります。

本人としては、「こっちの方が良さそうだから選んだ」

と思っているかもしれません。

しかし、その「良さそう」という感覚の一部には、それまで何度もその商品を見てきた経験が影響している可能性があります。

つまり私たちは、目の前の商品だけを見て、その瞬間にすべてを合理的に計算しているわけではありません。

それまでに蓄積された記憶や印象も含めて商品を選んでいるのです。

4.では、とにかく何度も広告を見せればいい?

ここまで読むと、それなら、とにかく広告を何度も見せれば売れるのでは?」

と思うかもしれません。

もちろん、そんなに単純ではありません。

すでに嫌悪感を持っている広告を何度も見せられれば、

「またこの広告か……」

とうんざりすることもあります。

接触回数を増やすことと、無理やり広告を見せ続けることは同じではありません。

だから重要なのは、

お客様との自然な接触点を増やすこと。

例えば、SNSで情報を発信する。

ブログを書く。

検索したときに自社の商品が出てくる。

役立つ情報を無料で提供する。

メールやニュースレターで定期的に情報を届ける。

店頭や広告でブランドを目にする。

こうした小さな接触が積み重なることで、「知らない商品」

から、「見たことがある商品」

そして、「知っている商品」

へと変わっていきます。

5.AIと一緒に「接触点」を探してみよう

では、自分の商品やサービスなら、どんな方法でお客様との接触を増やせるでしょうか。

ここでもAIを壁打ち相手として使うことができます。

例えば、「広告費をかけずに接触回数を増やす方法は?」

と聞くだけでも、SNS、ブログ、無料コンテンツ、メール、口コミ、検索など、さまざまなアイデアが出てくるでしょう。

さらに、

「私の商品を購入する可能性がある人は、普段どこで情報を集めている?」

「購入するまでに、どんな場所でこの商品を目にする可能性がある?」

「売り込み感を出さずに接触できる方法は?」

と質問を重ねていけば、自分では思いつかなかった接触点が見つかるかもしれません。

AIは答えを決めてもらうためだけの道具ではありません。

自分の商品とお客様が出会う場所を、一緒に探す壁打ち相手として使うこともできます。

6.あなたは本当に「自分で選んだ」のでしょうか?

私たちは、自分で考えて商品を選んでいます。

しかし、その判断は完全にゼロから作られているわけではありません。

過去に見た広告。

何度も目にしたロゴ。

聞いたことのある商品名。

そうした小さな経験も、私たちの判断材料になっています。

だから、人は思っているほど合理的に買い物をしていない。

そしてマーケティングには、このような人間の心理を利用した仕組みが数多く存在します。

次に買い物をするとき、「なぜ自分は、こっちの商品を選んだんだろう?」

と少しだけ考えてみてください。

そこには、価格や性能だけでは説明できない心理が隠れているかもしれません。

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