新メニューを考える時、最初に味から入ることは多いと思います。
もっと濃厚にする。
もっと辛くする。
もっと旨味を足す。
もっと見た目を良くする。
もちろん、味づくりはとても大切です。
ただ、飲食店の新メニュー開発では、
「味は悪くないのに、思ったほど注文につながらない」
ということが少なくありません。
その場合、味そのものだけではなく、
試作前の商品設計が十分に整理されていない可能性があります。
新メニューは、料理としておいしいだけでは不十分です。
誰に向けた商品なのか。
どの場面で注文される商品なのか。
いくらで提供する商品なのか。
既存メニューと何が違うのか。
原価と売価のバランスは成立するのか。
現場で同じ品質に作れるのか。
このような条件が見えていないまま試作を始めると、途中で判断基準がぶれてしまいます。
たとえば、同じ唐揚げでも、定食として提供するのか、居酒屋のおつまみとして提供するのか、弁当用に提供するのかで、正解は変わります。
定食なら、ご飯が進む味の濃さや満足感が重要になります。
居酒屋なら、お酒との相性やつまみやすさが重要になります。
弁当なら、冷めても味がぼやけにくいことや、時間が経っても印象が落ちにくいことが重要になります。
同じ料理でも、提供する場所や食べる場面が変われば、商品としての設計は変わります。
ここを決めずに味だけを調整すると、
「おいしいけれど、選ばれる理由が弱い商品」になってしまいます。
特に見落とされやすいのが、価格に対する納得感です。
良い食材を使えば、味は良くなりやすくなります。
ただし、原価が上がれば、当然売価にも影響します。
売価を上げるなら、お客様が納得できる理由が必要です。
食材感なのか。
ボリュームなのか。
専門店らしさなのか。
見た目のインパクトなのか。
たれやソースの独自性なのか。
期間限定の特別感なのか。
どこで価値を感じてもらうのかを決めておかないと、価格だけが高く見えてしまいます。
反対に、売価を抑える場合も注意が必要です。
安くすることだけを優先すると、量が少ない、見た目が弱い、味の印象が薄いなど、満足感が不足することがあります。
限られた原価の中で、どこに価値を持たせるのか。
ここを決めることも、商品設計の重要な部分です。
また、現場で再現できるかどうかも欠かせません。
試作ではおいしくできても、営業中に同じ品質で作れなければ、商品としては安定しません。
仕込み工程が多すぎる。
盛り付けに時間がかかる。
スタッフによって味がぶれる。
提供スピードが落ちる。
忙しい時間帯に対応しにくい。
このような商品は、導入後に現場負担が大きくなります。
新メニューは、試作室や厨房で一度おいしく作れれば完成ではありません。
お客様に提供する場面で、同じ品質を保てること。
スタッフが無理なく作れること。
メニュー表や写真で魅力が伝わること。
注文される理由があること。
ここまで含めて、商品として成立します。
新メニュー開発では、思いついた料理をすぐ試作するのではなく、まず次の流れで考えることが大切です。
誰に向けた商品か。
どの利用シーンで食べてもらうのか。
いくらで提供するのか。
どこで価値を感じてもらうのか。
原価と売価のバランスは合うのか。
現場で安定して作れるのか。
メニュー名や写真で魅力が伝わるのか。
この順番で見ていくと、試作後の迷いが減ります。
新メニューがうまくまとまらない時は、味を足す前に、
「商品として成立する条件」がそろっているかを見直してみることが大切です。
おいしい料理を作ることと、お客様に選ばれる商品にすることは、似ているようで少し違います。
新メニュー開発で必要なのは、
味・価格・原価・見た目・現場オペレーション・販売導線をひとつにつなげる考え方です。
この視点があるだけで、試作の方向性はかなり明確になります。
新メニューの方向性がぼんやりしている。
味は悪くないのに商品として弱い。
原価や売価まで含めて考えたい。
現場で作りやすい形に落とし込みたい。
既存メニューをもう一段、お客様に選ばれる形に近づけたい。
このような場合は、味づくりだけでなく、商品設計から見直すことが重要です。
さらに詳しい商品設計の流れや、原価・価格・再現性を確認するチェック項目は、有料記事としてまとめています。
新メニュー開発前の確認シートとして活用したい方は、そちらもご覧ください。
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