飲食店の「忙しい」は、どこから生まれるのか

飲食店の「忙しい」は、どこから生まれるのか

記事
ビジネス・マーケティング
飲食店の現場で、

「今日はずっと忙しかった」

という日はよくあります。

もちろん、お客様が多くて忙しい日もあります。

注文が集中した。
仕込みが多かった。
スタッフが急に休んだ。

こういう忙しさは、原因が分かりやすいです。

でも、特別にお客様が多かったわけでもないのに、

なぜか一日中バタバタしている。

そんな日もありませんか。

何度もLINEを開く。

紙の伝票を探す。

Excelを確認する。

誰かに電話する。

「あれ、どうなってたっけ?」

と確認する。

一つひとつは小さな作業です。

でも、この小さな作業が積み重なると、
現場の時間は思っている以上に削られていきます。

【情報は、いつの間にか散らばっていく】

飲食店では、いろいろな方法で情報が入ってきます。

仕入先からはFAX。

別の業者からはLINE。

注文は電話。

予約は予約サイト。

スタッフとの連絡はグループLINE。

売上はPOS。

在庫や原価はExcel。

納品書や請求書は紙。

最初からこうしようと思って、
この形になった店は少ないと思います。

必要になったものを、
その都度追加していった結果です。

それ自体が悪いわけではありません。

問題は、

「必要な情報がどこにあるのか」

を、人が覚え続けなければならなくなることです。

【探す仕事は、仕事として見えにくい】

例えば、

「昨日頼んだ商品、何個だった?」

と聞かれたとします。

LINEを開く。

仕入先とのトークを探す。

昨日のメッセージまで遡る。

画像で送っていたら、その画像を開く。

別のスタッフが注文していたら、その人に聞く。

数分で終わるかもしれません。

でも、こうした「探す時間」は、
売上にもならなければ、
お客様へのサービスにもなりません。

しかも本人は、

「5分も無駄にした」

とはあまり感じません。

少し探して、
少し確認して、
少し待つ。

その繰り返しなので、
仕事として認識されにくいのです。

【入力より、確認の方が増えていく】

情報が分散すると、
同じ情報を何度も扱うことも増えます。

紙の納品書を見ながらExcelに入力する。

Excelに入れた数字を請求書と見比べる。

変更があればLINEで共有する。

共有したことを別の人が確認する。

そして後から、

「最新なのはどれ?」

という確認が発生する。

ここまでくると、

入力そのものよりも、

確認する仕事の方が多くなっていることがあります。

現場では、

「ミスをなくすために確認している」

のですが、

確認が必要になる構造そのものは、
なかなか見直されません。

【「一元化すればいい」では解決しない】

こういう話をすると、

「全部一つのシステムにまとめればいい」

という話になりがちです。

でも、実際の現場では、
そんなに単純ではありません。

仕入先がFAXしか受けてくれない。

長年使っているExcelを急に変えられない。

スタッフ全員が新しいシステムを使えるわけではない。

今のPOSはそのまま使いたい。

そういう事情は普通にあります。

だから、

何でも一つにまとめる必要はありません。

大事なのは、

「どの情報を、どこで管理するのか」

を決めることです。

【まずは「どこにあるか」を整理する】

改善する時に、
最初から新しいシステムを入れる必要はありません。

まず、

注文情報はどこにあるのか。

仕入価格はどこにあるのか。

在庫はどこにあるのか。

請求金額はどこで確認するのか。

スタッフへの共有はどこで行うのか。

これを書き出してみるだけでも、
かなり見えるものがあります。

同じ情報を三か所に入力していた。

実は誰も見ていないExcelがあった。

一人しか分からない作業があった。

毎日同じ確認をしていた。

こういうものが見つかることがあります。

【新しい仕組みより、先に整理する】

業務改善というと、

DX。

AI。

自動化。

新しいシステム。

そういうものを想像する人も多いと思います。

もちろん、
必要なら使えばいいと思います。

ただ、その前に、

今の仕事がどう流れているのか。

どこで情報が止まっているのか。

どこで人が探しているのか。

どこで同じものを入力しているのか。

そこを整理した方が、
改善する場所は見つけやすくなります。

LINEをやめなくてもいい。

Excelを捨てなくてもいい。

紙が残っていても構いません。

それぞれを使いながらでも、

「人が探す」
「人が覚える」
「人が何度も確認する」

という仕事を減らすことはできます。

【忙しさの正体を探してみる】

飲食店は、
もともとやることが多い仕事です。

だからこそ、

すべての忙しさを

「飲食店だから仕方ない」

で終わらせてしまうと、
改善できるものまで残ってしまいます。

今日一日、

何を探したのか。

何を確認したのか。

同じ情報を何回見たのか。

誰かに聞かないと分からなかったことは何だったのか。

少し意識してみるだけでも、

今まで見えていなかった
「忙しさの原因」が見つかるかもしれません。

忙しいから人を増やす。

忙しいから新しいシステムを入れる。

その前に、

「この忙しさは、どこから生まれているのか」

一度そこから考えてみるのも、
現場を楽にする一つの方法だと思います。

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