飲食店の「人手不足」は、本当に人が足りないのか

飲食店の「人手不足」は、本当に人が足りないのか

記事
ビジネス・マーケティング
飲食店の現場で、

「人が足りない」

という話を、本当によく聞きます。

忙しい。
休めない。
店長がずっと現場にいる。
新人を入れても、なかなか楽にならない。

だから、

「もう一人いれば回るのに」

という話になります。

もちろん、本当に人が足りない店もあります。

ただ、現場を見ていると、
少し違うケースもかなりあります。

人が足りないように見えているだけで、

実際には、
「人がやる仕事」が増えすぎている。

そんな状態です。

【仕事は、少しずつ増えていく】

たとえば仕入れ。

注文はLINE。
一部の業者はFAX。
別の業者は専用サイト。

納品されたら、紙の納品書を確認する。

価格が変わっていれば、あとでExcelを修正する。

請求書が届いたら、納品書と見比べる。

数字が合わなければ、担当者に確認する。

一つひとつを見ると、
それほど大きな仕事ではありません。

数分で終わるものも多い。

だから、仕事として意識されにくい。

でも、5分の作業が10個あれば50分です。

それが毎日発生します。

【「確認する仕事」も増えていく】

さらに厄介なのが、
仕事が増えると「確認」も増えることです。

発注したか確認する。
届いたか確認する。
入力したか確認する。
誰かが変更していないか確認する。
請求金額が合っているか確認する。

人が増えれば、

「あの件、誰がやった?」

という確認まで増えます。

仕事をする人を増やしたはずなのに、
仕事を管理するための仕事まで増えていく。

そこで、

「人が足りない」

という感覚がさらに強くなります。

【本当に足りないのは、人なのか】

ここで一度、
分けて考えた方がいいと思っています。

お客様が増えて、
料理を作る人が足りない。

これは、本当に人が必要な可能性が高い。

でも、

同じ数字を何度も入力している。

紙を見ながら別の場所に転記している。

誰かの記憶を確認しないと判断できない。

情報を探すためにLINEやメールを遡っている。

こうした仕事まで全部、

「人手不足」

として扱ってしまうと、
少し話が変わります。

人を増やしても、
同じ仕事をする人が増えるだけだからです。

【人を増やす前に、仕事を減らせないか】

これは、

「人を減らした方がいい」

という話ではありません。

むしろ逆です。

飲食店には、
人にしかできない仕事がたくさんあります。

料理を作る。
お客様を見る。
スタッフを育てる。
今日の店の状態を判断する。

だからこそ、

人がやらなくてもいい仕事まで、
人にやらせ続けるのはもったいない。

注文を別の画面に転記する。

毎日同じ数字を確認する。

何度も同じ情報を探す。

誰かが覚えていないと成立しない。

こうした部分を一つずつ減らしていけば、

人を増やさなくても、
少し余白が戻ることがあります。

【「忙しい」は、原因ではない】

現場では、

「忙しいから仕方ない」

という言葉がよく出ます。

でも最近は、

忙しいこと自体が問題なのではなく、

「なぜ忙しくなっているのか」

を一度分解した方がいいのではないか、
と思うようになりました。

本当に人が足りないのか。

それとも、

昔から続いている小さな作業が積み重なって、
人が足りない状態を作っているのか。

同じ「人手不足」でも、
解決方法はまったく違います。

人を増やすことは、
分かりやすい解決策です。

でもその前に、

今ある仕事の中に、

「そもそも、これは人がやる必要があるのか」

という仕事がどれくらいあるのか。

一度そこを見てみてもいいのではないかと思います。

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