朝の通学路で驚いた、先生と保護者の「片手」にある自由な風景

朝の通学路で驚いた、先生と保護者の「片手」にある自由な風景

記事
ライフスタイル
アメリカで暮らしていると、ルールそのものだけでなく、そこに住む人々が持つ「自由さ」や「大らかさ」にハッとさせられる瞬間が本当にたくさんあります。
そのひとつが、毎朝我が子を送っていく小学校の登校風景です。

学校の近くの交差点には、毎朝先生が立っています。日本でいう「旗当番」のような役割なのですが、手に持っているのは黄色い旗ではなく、「STOP」と書かれた小さな標識看板。これで車を一時停止させ、子どもたちの安全を守りつつ、通りかかる生徒や親たちに「Good morning!」と声をかけてくれます。

さらに、校舎の正面玄関前にも毎朝3人ほどの先生たちがズラリと立ち、登校してくる子どもたちを出迎えるのが日課です。

……と、ここまではとても手厚くて微笑ましい学校の風景なのですが、私の中で「えっ!?」と日本の常識が音を立てて崩れたポイントがあります。
なんと、立っている先生たちの片手には、必ずと言っていいほど「マイマグボトル」や「マグカップ」が握られているのです。
玄関前に立つ先生は、取っ手付きの大きなタンブラーやマぐカップを片手に「Good morning! 」
「Good to see you!」ととびきりの笑顔でご機嫌に挨拶。

さすがに交差点で「STOP」の看板を掲げている先生は、横断中は看板を両手でしっかり持って集中していますが……
歩道側の安全な場所や足元には、やっぱりタンブラーがちゃんと置かれています。
そして信号待ちになり、通りかかった保護者とおしゃべりするタイミングになると、そのタンブラーを手に取ってゴクリ。話す保護者がいない時は片手でスマホをチェックしていたりもします。

「当番の合間に、コーヒー飲んでスマホ見てる……!」
と、最初は思わず心の中でツッコミを入れてしまいました。

これ、もし日本の小学校だったら……と考えてみてください。
登門指導やPTAの旗当番で、タンブラーやマグカップを片手に立っていたら大問題になりそうですよね。仮に熱中症対策などで水分補給をするとしても、「生徒から見えない陰にひっそり水筒を置き、誰もいない隙を狙ってこっそり一口飲む」というのが日本の先生の奥ゆかしい(?)スタイルではないか、と想像しました。
ましてや「タンブラーでコーヒーを飲みながら児童を迎えたり、当番中にスマホを見たりする」なんて、日本でやったら教頭先生に二度見されたあと、即指導が入りそうです。

でも、この光景の面白いところは、先生だけではないという点です。
子どもを送りに来る保護者たちのスタイルも、実にアメリカらしくて最高なのです。
アメリカは普段からかなりラフな服装の人が多いのですが、朝の登校時はそれが極まります。
「あれ、それはパジャマですか?それともおしゃれな部屋着ですか……?」
と聞きたくなるようなリラックスしたスタイルのママやパパたちが、これまたタンブラーや、家からそのまま持ってきたような大きなマグカップを片手に、優雅にコーヒーを飲みながら歩いて送ってくるのです。

先生も親も、片手にはなみなみと注がれたコーヒー。
お互いにマグカップを持ちながら
「おはよう!今日も良い一日を!」「あなたもね!」
と笑顔で挨拶を交わす、朝の通学路。
最初は「いくらなんでも自由すぎるでしょ!」と驚き、カルチャーショックを受けました。でも、毎日この風景を見ているうちに、なんだか私の心まで軽くなっていくのを感じます。

日本にいた頃は、「朝はシャキッと正しくいなきゃ」「ちゃんとした格好で送り出さなきゃ」と、どこか肩に力が入っていたのかもしれません。
完璧じゃなくていい。事故を防ぐ安全確保さえしっかりしていれば、あとは自分たちのペースで、ご機嫌に朝をスタートすればいい。
コーヒーカップを片手に笑顔を振りまく先生たちの「ちょうどいいゆるさ」に、今日も朝からクスッと笑わせてもらい、なんだか少し救われた気持ちになるのでした。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す