住宅購入のご相談では、
「夫は、なるべく予算を抑えたい」
「妻は、多少高くても新築住宅を購入したい」
というように、ご夫婦で希望する住宅や予算が異なることがあります。
これは決して珍しいことではありません。
住宅購入では大きなお金が動くため、将来の生活を心配して慎重になる方もいれば、せっかく購入するなら希望に近い住宅を選びたいと考える方もいます。
どちらかが正しく、どちらかが間違っているわけではありません。
大切なのは、どちらか一方が我慢することではなく、お互いが何を不安に感じ、何を大切にしているのかを整理することです。
今回は、夫婦で住宅の予算が合わないときに、最初に話し合いたい3つのことをご紹介します。
■1.「住宅価格」より先に、無理なく返せる金額を考える
住宅探しを始めると、
「3,000万円までにしたい」
「新築なら4,000万円くらい必要かもしれない」
というように、物件価格を基準に話し合うことが多くなります。
しかし、最初に確認したいのは、住宅の価格ではなく、
「毎月いくらまでなら、購入後も無理なく支払っていけるか」
ということです。
住宅ローンは、金融機関から借りられる金額と、実際に無理なく返せる金額が同じとは限りません。
毎月の返済額だけでなく、
・管理費や修繕積立金
・固定資産税
・火災保険料
・住宅の修繕費
・駐車場代
・光熱費の変化
なども含めて考える必要があります。
まずは、ご夫婦にとって安心して返していける毎月の金額を整理すると、検討できる住宅価格の目安が見えてきます。
■2.住宅購入後に残したいお金を確認する
住宅購入では、頭金を多く入れれば住宅ローンの借入額を減らせます。
しかし、手元のお金をほとんど使ってしまうと、購入後の生活に余裕がなくなることがあります。
たとえば、
・子どもの教育費
・自動車の購入や買い替え
・家電や家具の購入
・病気やけがへの備え
・転職や収入減少への備え
・住宅購入後の修繕費
など、将来必要になるお金も考えておかなければなりません。
「いくらの住宅を買うか」だけではなく、
「購入した後に、いくら手元に残しておきたいか」
についても、ご夫婦で話し合うことが大切です。
予算を抑えたい方は、将来のお金に不安を感じている場合があります。
一方、希望に近い住宅を購入したい方は、購入後に長く満足して暮らせることを大切にしている場合があります。
お互いが大切にしていることを言葉にすると、単なる金額の違いではなく、それぞれの考えが見えやすくなります。
■3.実際の住宅を見ながら、優先順位を整理する
住宅の希望を話し合うとき、資料やインターネットの情報だけでは、なかなか結論が出ないこともあります。
そのような場合は、価格帯の異なる住宅を実際に見学してみることも有効です。
たとえば、
・新築住宅と中古住宅
・駅に近い住宅と少し離れた住宅
・広い住宅とコンパクトな住宅
・設備が充実した住宅と価格を抑えた住宅
を見比べることで、
「ここにはお金をかけたい」
「この部分は妥協してもよい」
「新築でなくても、この状態なら満足できそう」
という優先順位が具体的になります。
以前ご相談いただいたご夫婦も、ご主人様は予算をなるべく抑えたい一方で、奥様は予算を上げても新築住宅をご希望されていました。
そこで、単に安い物件を探すのではなく、いくつかの住宅を見学しながら、住宅ローンの返済額や購入後の生活費も含めて検討しました。
その結果、漠然としていた希望が整理され、
「毎月いくらまでなら安心して返していけるか」
「どの条件を優先したいか」
が少しずつ具体的になっていきました。
■どちらかが我慢する前に、考えを整理してみましょう
夫婦で住宅の予算が合わないとき、すぐにどちらかの意見へ合わせる必要はありません。
まずは、
・毎月無理なく返せる金額
・購入後に残しておきたいお金
・住宅で優先したい条件
を一つずつ整理することが大切です。
住宅購入は、契約することがゴールではありません。
購入後も、ご家族が安心して生活を続けられることが大切です。
私は宅地建物取引士・二級建築士として、不動産売買に25年間携わり、これまで1,500件以上の住宅相談や接客を経験してきました。
「夫婦で希望が合わない」
「いくらまでなら無理なく購入できるか分からない」
「新築と中古のどちらが合っているか迷っている」
という段階でも大丈夫です。
どちらか一方の意見に誘導するのではなく、ご夫婦それぞれのお考えを伺いながら、住宅ローンや予算、物件選びについて一緒に整理します。
住宅を買うと決める前のご相談でも、どうぞ気軽にお声がけください。
※同じようなお悩みをお持ちの方へ、次のようなサービスをご用意しております。よろしければご活用くださいませ。