「アルファードなら高く売れる」
そんな常識が、変わり始めています。
トヨタの高級ミニバンとして圧倒的な人気を誇るアルファード。新車の納車を待てない人が中古車を購入し、新車価格を上回るプレミア価格で取引されることもありました。
ところが2026年10月、現行40系アルファードの中古車相場に大きな変化が起きています。
日刊カーセンサーが2026年10月8日に公開した記事によると、現行40系の中古車相場は1年間で約100万円下落。中古車の流通台数も、2026年3月から9月までの半年間でほぼ倍に増えています。
では、アルファードの価格は本当に暴落しているのでしょうか。
そして、今乗っている人は早めに売却したほうがいいのでしょうか。
結論から見ていきます。
売る予定があるなら、今すぐ査定額を確認したほうがいい
まず、結論です。
近いうちに乗り換えるつもりなら、今の買取価格を確認しておくべきです。高く売れる時期が再び来ることを期待して、売却を先延ばしにするのはおすすめできません。
一方、長く乗り続けるつもりなら、相場が下がったという理由だけで慌てて手放す必要はありません。
今回のポイントは、アルファードの人気がなくなったことではなく、これまで中古車価格を押し上げていた特殊な状況が変わってきたことです。
売却を検討している人にとっては、これまでのリセールバリューを当たり前だと思わず、現在の価格を把握することが重要になっています。
なぜアルファードの中古車価格は下がっているのか?
大きな理由のひとつが、中古車市場に流通する台数の増加です。
中古車の台数が半年でほぼ倍に
現行40系アルファードが登場したのは2023年6月です。
発売当初は新車の入手が難しく、中古車にも高い価格がついていました。しかし、発売から3年が経過し、状況が変わり始めています。
初回車検を迎えた車両や、乗り換えに伴って手放された車両などが中古車市場に流入。残価設定型クレジットの契約満了なども、流通台数が増える要因のひとつと考えられます。
日刊カーセンサーの分析では、2026年9月までの半年間で現行40系の延べ流通台数がほぼ倍に増加しました。<Cite refs={["turn352160search0"]}/>
中古車の供給が増えれば、購入者は複数の車両を比較できます。販売店側も価格競争を迫られ、以前のような高値を維持しにくくなります。
つまり、アルファードの価格下落は、人気が急になくなったというよりも、品薄によって生まれていたプレミア価格が縮小していると考えるのが自然です。
新車価格を超える中古車は減少傾向
これまでアルファードは、新車が手に入りにくいことから、中古車であっても新車以上の価格で販売されるケースがありました。
しかし、中古車の供給が増えれば、あえて割高な中古車を選ぶ理由は少なくなります。
実際に、MOTAが2026年9月に公開した分析でも、現行40系の中古車掲載台数は増加しており、掲載価格の中央値は2026年5月の669万円から9月には624.1万円へ下落しています。<Cite refs={["turn352160search1"]}/>
ここで注意したいのは、この数字が中古車販売店の掲載価格だという点です。オーナーが実際に売却するときの買取価格とは異なります。
それでも、中古車市場で以前ほどの高値がつきにくくなっていることは読み取れます。
アルファードのリセールバリューはもう期待できない?
では、アルファードはリセールの強い車ではなくなってしまったのでしょうか。
そこまで極端に考える必要はありません。
アルファードの人気そのものがなくなったわけではなく、年式やグレードによって相場の動きも異なります。
MOTAの分析では、2026年5月から9月にかけて、現行40系の掲載価格中央値は下落した一方、先代30系はほぼ横ばいでした。
つまり、「アルファード全体が暴落している」とひとくくりにするのは正確ではありません。
特に値動きに注意したいのは、これまで高いプレミア価格がついていた現行40系です。
今後も中古車の流通台数が増えるのか、新車の供給や需要がどう変わるのかによって、相場は変動します。
以前のような価格に戻る可能性を完全には否定できませんが、反対に、さらに下落する可能性もあります。
だからこそ、過去の高値を基準に売却時期を決めるのは危険です。
今売るべき人、売らなくてもいい人
ここまでの状況を踏まえると、判断基準はシンプルです。
今のうちに査定を受けたほうがいい人
1年以内に乗り換えを考えている
車検や維持費をきっかけに手放すか迷っている
購入時に想定していた売却価格を下回りそうで不安
現在の査定額によって、乗り換えのタイミングを判断したい
このような人は、まず複数の買取業者に査定を依頼し、現在の買取価格を確認してみましょう。
査定を受けたからといって、必ず売却する必要はありません。
金額を把握することで、今売るのか、もう少し乗るのかを具体的に判断できます。
慌てて売る必要がない人
今後も長く乗り続ける予定がある
車の使い勝手や乗り心地に満足している
売却しても次の車の購入費用がかかる
相場よりも、日々の利便性や満足度を重視したい
中古車価格が下がっても、車の価値がなくなるわけではありません。
相場が下がったからといって慌てて買い替えれば、次の車の購入費用や諸費用が発生します。売却価格だけでなく、買い替えにかかる総額で考えることが大切です。
これからアルファードを買う人にはチャンス
今回の価格下落は、購入を考えている人にとっては朗報でもあります。
以前は中古車に高いプレミア価格がつき、新車を購入するよりも割高になるケースがありました。
しかし、相場が落ち着けば、新車に近い条件の中古車を以前より手頃な価格で購入できる可能性があります。
もちろん、今が底値だと断言することはできません。
さらに値下がりする可能性もありますし、需要や供給の変化によって相場が持ち直すことも考えられます。
購入を急いでいないのであれば、価格の推移を見ながら比較するのも選択肢です。
一方、すぐに車が必要な人は、将来の値下がりだけを気にして購入を先延ばしにするよりも、予算や使用目的に合う車両を探すほうが現実的でしょう。
アルファードの価格暴落で重要なのは、過去の高値にこだわらないこと
アルファードの中古車相場は、特に現行40系で下落傾向が鮮明になっています。
流通台数の増加に伴い、これまでのプレミア価格が縮小していることが大きな要因です。
では、今売るべきなのか。
答えは、近いうちに乗り換えるなら、今すぐ査定額を確認する。長く乗るなら、相場の下落だけを理由に手放さないです。
今後も値下がりが続くかどうかは分かりません。しかし、以前のような高値で売れることを前提にするのは避けたほうがよいでしょう。
アルファードだから高く売れる。いつか相場が戻る。
そう考えるのではなく、今いくらで売れるのかを知り、その金額に納得できるかどうかで判断する。
それが、これからのアルファードの売却で後悔しないための考え方ではないでしょうか。