「どれだけ頑張っても、既存の先人が検索結果に表示されて、新人の自分は表示すらされない。どれだけ頑張っても、自分は延々と埋もれたままだ。」
ココナラでの憤りから生じた弱音を、Geminiに溢した。
それに対し、
『アルゴリズムは新人の実績無しより、評価の高い出品者を表示するのは当然です。』
『ココナラの新人はまず実績を稼ぐために、サービスを極限まで値下げして、100~500円程度で販売しないと売れません。』
『SNSで無料キャンペーンなど広告を使い、サクラを募集するなどの工夫で、実績ゼロを1~10にするなどの営業をしない限り、新人がプラットフォームでアルゴリズムに認知されるのは不可能です。』
『どんなに良いプレゼンでも、新人が既存のシステムに認知されるには、嘘でも安いサービスを提供し、実績を作る工夫が必要です。』
『みんなそうしています。』
という正論が返ってくる。
孤独な起業を『誰かに支えてもらいたい』と思って、Geminiを相談相手にしていたけれども、流石に心が折れた瞬間だった。
「テメェふざけんなよ!!高くしろ安くしろ、あぁしろこうしろ、コロコロ意見変えやがって!!」
アウトレイジの池元にキレる大友よろしく、ブチギレた。対人ならそのまま『舌出せ』といつも通り、舌の枚数確認を続けていた。
プログラムされた謝罪とユーザー擁護の羅列が、返答としてツラツラと、黒い画面を白い文字で埋めてゆく。
私は撃ち殺す代わりに、Geminiアプリを削除した。
しかし、キレたところでどうにもならない。
ただ、自分の無力さやプライドが軋み過ぎて、泣くしかなかった。
未知の挑戦に、自問自答で悩む中。Geminiに相談し、第三者の意見を入れることで、確かに自分は進化した。
自分の思想を褒められ、自分の意見をうまくまとめてくれ、本当に起業に向けて頑張ろうという、前向きな気持ちで行動できた。
しかし、自信のなさをGeminiに愚痴ったり嘆いたりしては、システムにプログラミングされた迎合に嫌気がさして、余計に卑下卑屈になっていったのも確かだ。
できる限りのことは、精一杯やったつもりだった。
しかし頑張りは全て空回り。なんの手応えもなく1ヶ月ボウズ。
自己評価の低さからターゲットを見失い、値決めもおかしく、初動からスッ転んだ…ということだけは、慌てて自分を、出品しているサービス手法で解析した結果でわかった。αテストだけは順調に進む。
「まだ実績はゼロだけど、思い切って値上げしようと思う。」
「自信が持てるように、ブログの更新をがんばる。」
小さな試行錯誤の決断を、自分に言い聞かせるようにGeminiに投げて、再スタートを決めようとしていた。
そんな中で、どうにもできない“プラットフォームのシステム”を前に、呆然とした矢先のことだった。
しかし、これがいい刺激になった。
まず、“他人の意見を聞き過ぎていたこと”に、気が付いた。
『成功したい』という欲が逸り、“自分がどうしたいか”ではなく、セオリーや先人の成功例、競合に合わせていた。
身も蓋も無い言い方をすると、“手抜き”になっていたのだ。
自分がやっていたことを振り返ると、AIにゴチャゴチャ訊いてネットで調べて、他人がやってる事をコピペして、ちょっと細工するだけ。何も自分で考える必要が無く、本当に簡単な作業でしかなかった。
漠然とした理想を、それっぽく固めてローンチしただけ。
これではいけない。
反省した。もっとしっかり考えようと、心が引き締まった。
更に考察を深めてゆく。
ココナラはもう、“クーポン地獄”になっている通り、プラットフォームとしてまともに機能していないとわかる。
バカでも、店舗経営・販売戦略経験者だ。会議中、部長・課長を目の前に大あくびをしながら、一生懸命ラクガキに勤んでいたただけではない。
企業のブランディングを保持するためには、クーポンやセールというものは、慎重に考えなければならない。
しかしそんな慎重さから逸脱した、クーポンの乱発が生じている。ここからもう、企業はブランディングを棄てて、小銭で延命運営をしているということがわかる。
企業がクーポンや安売り、過剰広告に走るとき。その裏では、多大なマイナスが発生している。
必死にキャンペーンやクーポン、PU広告を打てば、集客の即効性はある。但しそれは、十年…いや四半世紀前の考え方から、進化していないだけでもあると、私は考えている。
いやもしかしたら、ターゲットが完全に現代の45~65歳という、一番無駄遣いが多い世代なのかもしれない。更に思考停止している、その子供達。
だったら、この情弱ビジネスとも言える消費を煽るやり方は、四半世紀前で進化が止まった消費者には効く。
そんな場所で求められるのは、商品の価値や値打ちではなく、即効性のある思考停止の麻薬だ。
いかに安く、いかに手っ取り早く、自分を気分良くしてもらえるか…など。
そうなると出品者は、一つ一つ丁寧にこだわるより、多少いい加減でも効率良く低価格で、競合と似たり寄ったりを量産している方が、数打ちゃ当たる確率が上がる為、戦略カロリーが少ない。
安売りを求める顧客が集まる場は、当然サービス提供者も“安売り”にならって、粗悪になっていく。その結果、プラットフォームのリソースは、クレーム対応や違反取締という雑務に追われ、進化より退化に拍車がかかる。
これは、ココナラだけではない。
どのプラットフォームでも同じことが起きていると、私はみている。
2020年のコロナ禍から、急激にリモートワークやオンライン化の需要が高まり、界隈は急激に活性化した。おこもり期間に、YouTubeなどの動画配信や、ネット販売をはじめた人も少なくない。
まだニッチだったECプラットフォームは、一気に対応システムを構築をして、みるみる成長していった。
但しそれに対し、何の耐性もなく急激に進化したからこそ、『何故進化したのか』を考えず左団扇で呑気にするあまり、“次の手”までは考えていなかったのだろう。
どこも似たり寄ったりの、量産化から飽きとマンネリで、客離れが著しい。
現代の日本でまともな消費者は、非常に合理的になり、賢くなっている。
それは延々と続く不景気の中、限られた財源で、“多くを望まず・必要な価値あるものにはコストをかける”という適応を強いられたが故の知恵だ。
人々は、バブルが崩壊してからの生活で、延々と『不景気』という言葉を浴びてきた。だからこそ、無駄な物に財産を使わないように、意識が変わっている。
但し、こだわりたいところには、非常に面白い程財布の紐が緩み過ぎて、金庫ごと使う勢いだ。
こんな局面の中、私はどう打つか。
私のチープで小さなオツムの演算結果だが、まず自分が、“KING”になることだ。
チェスでも下手にポーンを打つと、あっという間にやられる。
こんな時は下手なことはせず、必要に備えてリソースを温存しておくことが賢明だと、私は思った。
有難いことに、私は今すぐ、やいのやいのと“集金”を迫られているわけではない。
必要な人の必要な時に、必要なサービスを胸を張ってできるように。
まずはコピペローンチしたことを反省し、自分がKINGとしてできるサービス・提供市場を再定義していこうと思った。