「そのうち終わるよ」がいちばんつらかった|夜驚症の夜を越えた母の話
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いつまで続くんだろう。
どうすればいいんだろう。
何がダメなんだろう。
どうしてこうなってるんだろう。
誰もわかってくれない。
あの頃は、ずっとこれのループだった。
夜驚症そのものももちろん怖かった。
でも、本当にしんどかったのは、終わりが見えないことだった。
いつ起きるのかもわからない。
何がきっかけなのかもわからない。
何をしたら落ち着くのかもわからない。
調べれば、情報はたくさん出てきた。
食事でセロトニンを増やすといいとか、
スキンシップが大事とか、
生活リズムを整えましょうとか。
でも、あの頃の私は
それを見るたびに、少しずつ削られていた。
だって、それってつまり
「あなたの関わり方が悪いのでは?」
って言われている気がしたから。
愛情が足りないのかな。
安心させられてないのかな。
私の子育てがダメだから、こうなってるのかな。
原因が知りたくて調べているのに、
調べるほど自分が責められていく。
何を見ても、
「母親の努力不足」
って言われている気がして、苦しかった。
毎日、夜が来るのが怖かった。
今日は寝てくれるかな。
今日は起きないかな。
今日は穏やかに朝までいけるかな。
寝てほしい。
ちゃんと休んでほしい。
何事もなく眠ってほしい。
でも同時に、夜が来るのが怖かった。
泣くだけじゃない。
暴れる。叫ぶ。届かない。
目の前にいるのに、届かない。
今日はどんなふうに暴れるんだろう。
今日は何分続くんだろう。
今日は何回起きるんだろう。
今日は何をしてもダメなんだろうか。
寝てほしいのに、寝てほしくない。
夜が来てほしくない。
3時間おきくらいに、突然大声で叫び出す。
踵で床をドンドン蹴る。
壁を殴る。
骨をぶつけているみたいな、鈍い音がする。
息子の身体が心配で、私は咄嗟に身体を入れる。
せめて骨をぶつけないように、せめて怪我をしないように。
すると今度は、私の骨めがけて息子の身体が飛んでくる。
その衝撃をなんとかやわらげながら、
何分そうしていただろう。
15分だったのか、30分だったのか。
夜中の時間は、いつもよくわからなくなる。
何がきっかけなのかもわからないまま、
息子はある瞬間、急にコテっと寝る。
そしてまた、3時間後くらいに始まる。
それが、毎日。
少しましな日はあっても、ほぼ毎日。
保育園の年少から、小学一年生くらいまで続いた。
一晩かけて神経をすり減らして、
心臓をずっとバクバクさせて、
何度も声をかけて、抱きしめて、見守って、
朝まで必死だったのに。
本人の中では、何事もなかったみたいに朝が来る。
「よかった、何事もなさそう」
その瞬間、救われる気持ちはたしかにある。
でも同時に、昨夜の緊張だけが自分の中に取り残される。
私はあんなに必死だったのに。
あんなに怖かったのに。
あんなに神経を張っていたのに。
それが何事もなかったみたいに朝が来て、
ひとりだけ昨夜から戻れていない感じがした。
夫は無関心だった。
親も頼れなかった。
医療も噛み合わなかった。
通報までされた。
誰も「今」のしんどさを見てくれなかった。
夜驚症でいちばんつらかったのは、眠れないことじゃなかった。
「そのうち終わるよ」
その言葉が、いちばん遠かった。
欲しかったのは、正しい育児じゃなかった。
正論でも、根性論でもなかった。
欲しかったのは、安心だった。
泣き止ませることより先に、
安全に朝を迎えられること。
力で抑え込もうとする事よりも
安心して見守れる環境。
そして何より、
「今は止めなくていい」
「まず安全だけ見ましょう」
「見守っていて大丈夫」
そう言ってくれる人。
あの頃の私に必要だったのは、
正しい母親になる方法じゃなかった。
安心して見守れる場所と、
安心して見守っていいと教えてくれる人だった。
・・・・・・・・・
答えを出すというより、
一緒に「ほんとの気持ち」を見つけていく時間が好きです。
気づいたら少し心が軽くなってた。
そんな時間を一緒につくれたら嬉しいです ☺️