「研究論文の表、数字を並べるだけになっていませんか?」結果を読み取りやすくする表の作り方

「研究論文の表、数字を並べるだけになっていませんか?」結果を読み取りやすくする表の作り方

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看護研究でデータを集計し、いよいよ論文の結果をまとめる段階になったとき、表の作り方で迷うことはありませんか?

Excelで集計した結果はある。統計解析も終わっている。

でも、それをどのように論文の表にすればよいのか分からない。

とりあえずExcelの集計結果をWordに貼り付けてみたものの、何となく見づらい。

そんな経験がある方もいるのではないでしょうか。

研究論文の表は、単に数字を並べるためのものではありません。

研究で得られた結果を、読み手が正確に理解できるように整理するためのものです。

今回は、看護研究の論文を作成するときに意識したい、結果の表のまとめ方について考えてみます。

数字が正しくても、分かりにくい表はある


例えば、質問紙調査を行い、30項目について回答を集計したとします。

各項目の人数、割合、平均値、標準偏差などをExcelで計算し、その結果をすべて一つの表にまとめたとします。

もちろん、必要な結果を正確に示すことは大切です。

しかし、数字が多く並んでいるだけでは、読み手がどこに注目すればよいのか分からなくなることがあります。

特に、研究目的との関係が分かりにくい項目まで一つの表に詰め込むと、重要な結果が埋もれてしまう場合があります。

ここで考えたいのは、その表で何を示したいのかということです。

対象者の基本属性を示したいのか。

質問項目ごとの回答傾向を示したいのか。

それとも、群間の比較結果を示したいのか。

目的が異なれば、適した表の構成も変わります。

表を作る前に、まずは「この表で読み手に何を確認してもらいたいのか」を考えてみるとよいと思います。

人数と割合は、分母を意識する


質問紙調査の結果では、人数と割合を示すことが多いと思います。

例えば、対象者100人のうち、ある項目に「はい」と回答した人が60人だった場合です。

この場合、60人(60.0%)と示すことができます。

ただし、実際の研究では、すべての対象者がすべての質問に回答しているとは限りません。

例えば、研究参加者は100人でも、その項目に回答した人が90人だった場合、60人という数字は同じでも、割合は約66.7%になります。

このように、何を分母として割合を計算したのかによって、結果の意味は変わります。

そのため、表では人数と割合を示すだけでなく、必要に応じて有効回答数や欠損値の扱いを明確にしておくことが大切です。

また、表によって「60(60.0)」と書いたり、「60人・60%」と書いたりすると、統一感がなくなります。

例えば、表の見出しを「n(%)」とし、各項目を同じ形式で示す方法があります。

ただし、表記方法については、投稿先の雑誌や学会の規定を確認する必要があります。

人数と割合は、計算が合っていることだけでなく、何を基準に計算した数字なのかが分かることも重要です。

平均値と中央値は、同じものではない


研究論文の表では、平均値や標準偏差、中央値などを示すことがあります。

例えば、年齢を平均値と標準偏差で示す場合もあれば、経験年数を中央値と四分位範囲で示す場合もあります。

ここで注意したいのは、どの統計量を使っても同じように結果を表せるわけではないということです。

平均値は、すべての値を合計してデータ数で割ったものです。

一方、中央値は、データを小さい順に並べたときの中央の値です。

例えば、経験年数が1年、2年、3年、4年、20年の5人だった場合、平均値は6年ですが、中央値は3年になります。

このように、極端に大きい値が含まれている場合には、平均値と中央値に違いが生じることがあります。

もちろん、極端な値があるから必ず中央値を使わなければならない、という単純な話ではありません。

データの分布や測定尺度、研究目的などを踏まえて、適切な統計量を選ぶ必要があります。

また、平均値を示すのであれば標準偏差、中央値を示すのであれば四分位範囲など、ばらつきを表す指標も検討します。

表を作成するときには、数値の見た目を揃えることだけを優先せず、何を示している統計量なのかを確認しておきたいところです。

表だけを見ても、ある程度理解できるようにする


論文を読むとき、本文を最初から順番に読む方ばかりではありません。

先に表や図を確認して、どのような結果が得られたのかを把握しようとする場合もあります。

そのため、表は本文を読まなければ意味が分からないものではなく、表だけでもある程度内容を理解できるようにしておくことが大切です。

例えば、表題が単に「結果」だけでは、何についての結果なのか分かりません。

「対象者の基本属性」や「経験年数別の回答結果」など、何を示した表なのかが分かる表題を付ける方法があります。

また、数値の単位も重要です。

年齢であれば「歳」、経験年数であれば「年」、時間であれば「秒」など、必要な単位を明確にします。

さらに、表の中で略語を使用する場合には、必要に応じて注記で説明します。

例えば、SDが標準偏差を示すのであれば、その意味が分かるようにしておきます。

統計的な検定結果を示す場合も同様です。

p値だけを並べるのではなく、必要に応じて使用した検定方法や比較対象、効果量、信頼区間などを明確にすることが求められます。

ただし、どの情報を表に掲載するかは、研究デザインや解析方法、投稿規定によって異なります。

大切なのは、表を見た人が数字の意味を誤解しないようにすることです。

表の中に情報を詰め込みすぎない


Excelで集計した結果をそのままWordに貼り付けると、列数が多くなりすぎることがあります。

例えば、対象者の属性、各質問項目の回答、群間比較、検定結果などを一つの表にまとめようとする場合です。

情報を一か所に集めれば、便利なようにも思います。

しかし、列が増えすぎると、文字を小さくしなければ収まらなくなることがあります。

また、横方向に長い表では、どの数値がどの項目に対応しているのか分かりにくくなることもあります。

そのような場合には、表を分ける方法もあります。

例えば、対象者の基本属性を表1、質問紙の回答結果を表2、群間比較の結果を表3として整理する方法です。

もちろん、表を細かく分ければよいというわけでもありません。

表が多すぎると、今度は読み手が複数の表を行き来しなければならなくなります。

そのため、同じ目的の結果はまとめ、異なる目的の結果は必要に応じて分けるなど、内容に合わせて考えることが大切です。

また、論文の投稿先によっては、表の数に制限が設けられている場合もあります。

作成する前に投稿規定を確認しておくと、後から大幅に修正する手間を減らせるかもしれません。

本文と表で、同じ数字をすべて繰り返す必要はない


結果の文章を書くとき、表に記載した数字をすべて本文でも説明してしまうことがあります。

例えば、表に30項目の平均値が掲載されているのに、本文でも30項目すべての平均値を順番に書いてしまうような場合です。

これでは、本文が長くなり、重要な結果が分かりにくくなることがあります。

表と本文には、それぞれ役割があります。

表は、複数の結果を整理して示すことに適しています。

一方、本文では、研究目的に関係する主要な結果や、読み手に注目してほしい点を説明することができます。

例えば、表に各項目の平均値を示したうえで、本文では特に高かった項目や低かった項目について記述する方法があります。

ただし、都合のよい結果だけを選んで説明してよいわけではありません。

研究目的や解析計画に照らして、重要な結果を偏りなく示すことが必要です。

また、結果の文章では、得られた数値を示すことと、その理由を考察することを区別しておきたいところです。

表を作成するときも、本文を書くときも、結果を正確に伝えることを優先したいと思います。

最後に


研究論文の表を作成するとき、Excelで計算した数字をそのまま並べればよいと思ってしまうことがあります。

もちろん、数値が正しいことは大前提です。

しかし、それだけでは、読み手にとって分かりやすい表になるとは限りません。

何を示すための表なのか。

人数や割合の分母は明確になっているか。

平均値や中央値など、適切な統計量を使っているか。

表題や単位、注記は分かりやすいか。

そして、本文と表の役割が整理されているか。

こうした点を確認することで、研究結果をより正確に伝えやすくなると思います。

研究論文の表は、数字を並べる場所ではなく、研究で得られた結果を読み手に伝えるためのものです。

せっかく時間をかけて集めたデータだからこそ、結果を正確に、そして読み取りやすい形で示したいですね。

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