家族やパートナーに話したいことがあるのに、どうしても話せない。
そのような気持ちを、一人で抱えている方は少なくありません。
「言ったら心配をかけてしまう」
「関係がぎこちなくなりそう」
「理解してもらえないかもしれない」
「こんなことで負担をかけたくない」
「何から話せばよいのか、自分でも分からない」
さまざまな理由から、家族やパートナーに悩みを話せないまま、時間だけが過ぎてしまうことがあります。
身近な人に相談しにくいときは、本人に直接伝える前に、メッセージで自分の気持ちを整理してみるという方法もあります。
家族やパートナーに話せないことには、理由があります
身近な人に悩みを話せないからといって、その人を信頼していないとは限りません。
相手を大切に思っているからこそ、心配や負担をかけたくない場合もあります。
関係を壊したくない気持ちが強く、どのように伝えればよいのかを考え続けて、話せなくなってしまうこともあります。
一方で、以前に話したときに否定された経験があったり、相手がどのような反応をするのか怖かったりする場合もあります。
また、自分の気持ちがまだ整理できておらず、何を伝えたいのか、自分でも分からないこともあるでしょう。
話せないこと自体を、
「自分が弱いから」
「考えすぎだから」
「自分で解決できないから」
と責める必要はありません。
話せないことにも、その人なりの理由があります。
まずは相手に伝えることよりも、今の自分の中で何が起きているのかを確かめてみることが大切です。
誰にも話せない悩みを一人で抱え続けると
誰にも話せないまま時間が経つと、頭の中で同じことを繰り返し考えやすくなります。
「自分が悪いのではないか」
「我慢するしかないのではないか」
「話したら、もっと悪くなるのではないか」
こうした考えが重なり、何が実際に起きていることで、何が不安から生まれた想像なのか、分からなくなることもあります。
本当はつらいと感じているのに、
「これくらいは我慢しなければ」
「もっと大変な人もいる」
「自分の受け取り方の問題かもしれない」
と、自分の気持ちを後回しにしてしまう場合もあります。
ここで大切なのは、家族やパートナーに話すべきかどうかを、すぐに決めることではありません。
まずは、自分の気持ちと置かれている状況を分けて考えてみることです。
メッセージ相談で気持ちを整理できること
メッセージ相談では、家族やパートナーに直接伝える前に、現在の状況や気持ちを文章にして整理できます。
最初から、分かりやすく説明する必要はありません。
出来事の順番が前後していても、感情のまま書かれていても、何を相談したいのか自分でも分からなくても大丈夫です。
いただいた内容をもとに、例えば次のようなことを一緒に整理していきます。
実際に起きていることと、不安から想像していること
今いちばん負担になっている部分
相手に対する気持ちと、自分自身の希望
自分が何を守りたいと思っているのか
話した場合と、今は話さない場合に考えられること
今すぐ決める必要があることと、急がなくてよいこと
自分一人では見えにくくなっている考え方や選択肢
一人で考えていると混ざってしまいやすい問題も、一つずつ分けて考えることで、今の自分が何に苦しんでいるのかが、少しずつ見えやすくなることがあります。
ただし、気持ちを整理する目的は、必ずしも問題を解決することだけではありません。
「本当は傷ついていた」
「関係を壊したくなくて我慢していた」
「自分でもどうしたいのか分からず、苦しかった」
そのように、自分の中で起きていたことが少し分かるだけでも、相談する意味はあります。
整理したあとに、話したり行動したりする必要はありません
気持ちを整理したからといって、必ず家族やパートナーに話さなければならないわけではありません。
また、すぐに何かを決めたり、状況を変えるために行動したりしなければならないとも限りません。
整理した結果、
「今はまだ話さない」
「伝える内容を限定する」
「もう少し自分の気持ちを確認する」
「第三者の力を借りながら話す」
「今は何も決めず、しばらく様子を見る」
といった選択をすることもあります。
話すか、話さないか。
どのように伝えるか。
いつ伝えるか。
今、何かをする必要があるのか。
これらを、急いで決める必要はありません。
状況を整理したうえで何かを選ぶことも、今は選ばずにいることも、ご自身が決めてよいことです。
相談の中でも、特定の結論や行動を押しつけることはありません。
まとまらない状態のまま相談して大丈夫です
「何に悩んでいるのか、自分でもよく分からない」
「誰にも言えないけれど、一人で考えることにも疲れた」
「話すべきなのか、話さない方がよいのか迷っている」
「何かを変えたいのかどうかも、まだ分からない」
そのような状態のままでも、ご相談いただけます。
メッセージ相談は、診断や治療を行うものではありません。
しかし、身近な人には話しにくい気持ちを言葉にし、現在の状況や自分の気持ちを整理することはできます。
相談したからといって、必ず答えを出したり、次の行動を決めたりする必要もありません。
家族やパートナーに話せない悩みを一人で抱えているときは、まず第三者に向けて書いてみることも、一つの方法です。
公認心理師・臨床心理士として、否定や決めつけをせず、いただいた言葉の背景も考えながら、丁寧に整理いたします。