友達に『最高じゃん』と言われたのに嬉しくない。情熱的な愛が苦しい理由

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コラム



「愛してる」という言葉の重さ


カウンセリングルームに入ってきたクライエントは、椅子に座るなり小さくため息をついた。

クライエント「あの......最近、彼氏のことで、ちょっとモヤモヤしてて」

ダイキ「どんなことでモヤモヤされてるんですか?」

クライエント「なんていうか......『愛してる』って、毎日言われるんですよね」

クライエントは少し困ったような表情を浮かべた。

ダイキ「毎日、愛してると」

クライエント「はい。朝起きた時も、仕事から帰ってきた時も、寝る前も。SNSでも何度も......。最初は嬉しかったんですけど、最近、なんだか......」

言葉を探すように、クライエントは天井を見上げた。

クライエント「......重いんです。言葉が」

言葉の意味が分からなくなる


ダイキ「重い、ですか」

クライエント「変ですよね。普通、『愛してる』って言われたら嬉しいはずなのに。でも私、だんだん『愛してる』って何なんだろうって思うようになってきて......」

クライエントは少し恥ずかしそうに笑った。

ダイキ「『愛してる』が何なのか、分からなくなってきた?」

クライエント「そうなんです。彼は本当に情熱的で、いつも私のことを考えてくれて、すごく大切にしてくれるんです。でも......」

そこで言葉が途切れた。少し沈黙が流れる。

クライエント「でも、なんか息苦しいんです。彼の『愛してる』って、すごく......何て言うんだろう、求められてる感じがして」

ダイキ「求められてる感じ」

クライエント「はい。『愛してる』って言われると、私も同じように返さなきゃいけない気がして。でも、私の中にある気持ちって、彼のそれとは......なんか違う気がするんです」

クライエントの表情が少し曇った。

友達との会話で気づいたこと


ダイキ「違う気がする、というのは?」

クライエント「この前、友達にそのことを話したんです。そしたら『それって理想じゃん! そんなに愛情表現してくれる彼氏、最高じゃん』って言われて......」

ダイキ「友達はそう感じたんですね」

クライエント「ええ。でも私は、なんかそうじゃないっていうか......。友達は『もっと熱く愛してほしい』って言ってたんです。でも私は、彼の愛情が熱すぎて、逆に疲れてるんですよね」

クライエントは自分の言葉を確かめるように、ゆっくりと話した。

クライエント「それで、ふと思ったんです。みんな『愛してる』って同じ言葉を使ってるけど、全然違うものを指してるんじゃないかって」

ダイキ「それぞれが違うものを指している」

クライエント「はい......。友達と私、求めてるものが全然違うんだなって。友達は情熱的な愛を求めてて、私は......私は何を求めてるんだろう」

そう言って、クライエントは困ったように首を傾げた。

過去の恋愛を振り返る


ダイキ「これまでの恋愛では、どうでしたか?」

クライエントは少し考えてから話し始めた。

クライエント「昔付き合ってた人は、あまり言葉で愛情表現しないタイプだったんです。『好き』とか『愛してる』とか、ほとんど言わなくて」

ダイキ「その時はどうでしたか?」

クライエント「最初は物足りなかったです。でも......」

クライエントは少し遠くを見るような目をした。

クライエント「でも、何だろう、あの人といると落ち着いたんですよね。一緒にいて、無理してない感じがして。言葉で『愛してる』って言われなくても、何となく大事にされてるって分かるっていうか......」

ダイキ「言葉じゃなくても、伝わってくるものがあった」

クライエント「そうなんです。今の彼は真逆で......言葉では毎日『愛してる』って言ってくれるんですけど、何だろう、本当に私のこと見てくれてるのかなって思う時があって」

「私」が見えているのか


ダイキ「本当に見てくれているのか」

クライエント「はい。なんか......彼が愛してるのって、『私』じゃなくて、『恋愛してる自分』なのかなって思う時があるんです」

その言葉に、クライエント自身が少し驚いたような顔をした。

クライエント「......あ、今言って気づきました。そうかもしれない」

ダイキ「今、何に気づきましたか?」

クライエント「彼、すごく情熱的で、『君のためなら何でもする』とか言ってくれるんです。でも......私が今日何を考えてたとか、仕事で何があったとか、そういうことにはあんまり興味なさそうで」

クライエントは自分の手を見つめながら続けた。

クライエント「彼が求めてるのは、『激しく愛し合う関係』なのかもしれない。でも私が欲しいのは......もっと、静かに寄り添ってくれる関係なのかも」

愛にも「色」がある


ダイキ「静かに寄り添ってくれる関係」

クライエント「はい。なんか、友達みたいな......。いや、友達じゃないんですけど、もっとこう、一緒にいて楽な感じっていうか」

ダイキ「楽な感じ」

クライエント「変ですよね。恋愛って、ドキドキするものだって言うじゃないですか。でも私、ドキドキよりも、安心したいのかもしれない」

ダイキ「安心したい」

クライエント「......あ、でもそれって、もう恋愛じゃないのかな」

クライエントは不安そうな表情を浮かべた。

ダイキ「恋愛じゃない、と?」

クライエント「だって、情熱がないですよね。ドキドキもしないし......。友達に話したら、『それって愛が冷めたんじゃないの?』って言われそうで」

ダイキ「......もし、愛にもいろんな形があるとしたら、どうですか?」

クライエントは少し驚いたような顔をした。

クライエント「いろんな形......ですか?」

ダイキ「ええ。例えば、燃えるような情熱的な愛もあれば、静かに寄り添うような愛もある。どちらも『愛』であることに変わりはないとしたら」

クライエント「......そうか。どっちが正しいとか、間違ってるとかじゃないんですね」

ダイキ「そうですね。ただ、それぞれが求めてる愛の形が違うだけかもしれない」

クライエントは少し考え込むように黙った。

自分が求めているものに気づく


しばらく沈黙が続いた後、クライエントがぽつりと話し始めた。

クライエント「......私、多分、昔から『激しい』ものが苦手だったのかもしれません」

ダイキ「激しいもの」

クライエント「はい。子どもの頃から、大きな声で怒られるのも苦手だったし、周りが喧嘩してるのを見るのも嫌で......。静かに、穏やかに過ごしたいタイプだったんです」

ダイキ「静かに、穏やかに」

クライエント「だから、恋愛でも......『情熱』よりも『安らぎ』を求めてるのかもしれない。でも、世の中って、恋愛=情熱みたいな感じじゃないですか。だから、私が間違ってるのかなって思ってました」

ダイキ「間違ってるかもしれない、と」

クライエント「でも......違うんですね。私は私で、求めてる愛の形があって、それでいいんですね」

クライエントの表情が少し明るくなった。

ダイキ「今、どんな気持ちですか?」

クライエント「......少し、楽になりました。私、彼に合わせなきゃって思ってたのかもしれません。彼があんなに情熱的に愛してくれるんだから、私もそうならなきゃって」

ダイキ「そうならなきゃ、と」

クライエント「でも、それで疲れてたんだと思います。無理して、彼の愛の形に合わせようとして」

これからどうするか


ダイキ「これから、どうしたいですか?」

クライエントは少し考えてから答えた。

クライエント「......彼と話してみようと思います。私が求めてる愛の形について」

ダイキ「話してみる」

クライエント「はい。もしかしたら、彼もよく分かってないのかもしれない。自分がなぜあんなに『愛してる』って言いたくなるのか」

ダイキ「彼自身も、自分の愛の形を理解していないかもしれない」

クライエント「そうかもしれないです。お互いに、『愛してる』って言葉を使ってるけど、全然違うものを指してる。それを、ちゃんと話し合ってみたいです」

ダイキ「話し合ってみたい」

クライエント「もしかしたら......合わないってことが分かるかもしれないですけど」

クライエントは少し寂しそうに笑った。

クライエント「でも、それはそれで仕方ないですよね。お互いに違う形の愛を求めてるなら」

ダイキ「それも一つの答えかもしれないですね」

クライエント「はい......。でも、もしかしたら、彼も本当は静かな愛を求めてるのかもしれない。ただ、『恋愛はこうあるべき』って思い込んでるだけで」

ダイキ「そういう可能性もある」

クライエント「だから、一度ちゃんと話してみます。『愛してる』って言葉の意味について」

対話を終えて


カウンセリングの終わりに、クライエントは少しすっきりした表情で話した。

クライエント「今日来てよかったです。ずっと、私がおかしいのかなって思ってたんです」

ダイキ「おかしい、と」

クライエント「はい。『愛してる』って言われて嬉しくないなんて、私、冷たい人間なのかなって。でも......違いますよね」

ダイキ「どう違いますか?」

クライエント「私は私で、求めてる愛の形があって、それは間違いじゃない。ただ、彼とは違うってだけで」

クライエントは少し微笑んだ。

クライエント「『愛してる』って、本当に人それぞれなんですね」

ダイキ「そうですね」

クライエント「だからこそ、ちゃんと言葉にして伝えないと、すれ違っちゃうんだなって思いました」

立ち上がる前に、クライエントはもう一度言った。

クライエント「私、帰ったら彼に話してみます。私が求めてる『愛』について」

その目は、来た時よりもずっと明るかった。

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🙋 このブログを書いている人について
だいき|産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
会社員時代、職場の人間関係でメンタルが限界に。「このままではまずい」と一念発起し、コミュニケーションを学び直した経験が、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの資格取得につながりました。
恋愛・婚活でも7年間で88人とデートを重ねながら、うまくいかない時期が長く続きました。その苦しさを知っているからこそ、脳科学・進化心理学・愛着理論といった知識を「自分ごと」として学び続けてきました。
キャリアブレイクコミュニティでは160回以上のワークショップを主催。さまざまな悩みや状況を持つ方と向き合い続けてきた経験が、相談の土台になっています。
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