皆様、こんにちは。スマート危機管理コンサルティングの久保です。
「緊急連絡網があるから、職員の招集は大丈夫。」
そう思っていませんか?
私は消防職員として約40年間、さらに行政の危機管理部門でも勤務し、大きな災害のたびに電話がつながらなくなる現実を見てきました。
それでも多くの施設の計画には、いまだに「電話連絡網により連絡する」の一行しか書かれていません。
今回は、通信が途絶した前提で用意しておきたい3つの手段をご紹介します。
前提:発災直後、電話は最もつながりにくい手段です
大規模災害では、安否確認の通話が集中し、通信事業者が発信を規制します。固定電話も携帯電話も同様です。
一方で、データ通信(メール、メッセージアプリ)は比較的つながりやすい傾向があります。
連絡網が電話しかない計画は、最もつながりにくい手段だけを頼りにしている、ということになります。
手段① 一斉配信(メール/メッセージアプリのグループ)
全職員のグループを平時に作っておく(発災後には作れません)
返信の形式を決めておく(例:「無事・出勤可/無事・出勤不可/負傷」の3択)
既読の有無で判断しない。返信がない人は「未確認」として扱う
ポイントは、返信を短くすることです。「大丈夫です、家族も無事です、ただ道路が…」という自由文が100件届くと、集計だけで1時間が消えます。3択なら、数分で全体像がつかめます。
手段② 災害用伝言ダイヤル(171)・Web171
音声とテキストで安否を残せる、公共の仕組みです。
これを職員の家族安否の確認に使えるようにしておくと、職員が**「家族が心配で職場に行けない」状態**を減らせます。
使い方を1枚にまとめ、休憩室に掲示する
毎月1日・15日などの体験利用日に、実際に試してみる(訓練の記録にもなります)
職員が安心して出勤できることは、立派なBCP対策です。
手段③ 「連絡がなくても動く」参集基準
そもそも連絡が取れないことを前提に、連絡なしで判断できる基準を決めておく。これが最も確実です。
「震度5強以上で、連絡の有無にかかわらず、◯◯地区在住の職員は施設へ向かう」
「参集が困難な場合は、無理をせず自宅から可能な時点で連絡する」
このとき同時に決めておきたいのが、参集しないルールです。道路が寸断され、余震が続く中で無理に出勤し、職員が二次被害に遭っては本末転倒です。「安全が確認できるまで自宅待機」を明記することも、施設を守る判断になります。
忘れがちなのは、ご家族への発信です
職員の安否確認だけを整えて、利用者・患者様のご家族への連絡が抜けている計画をよく見かけます。
発災後、施設の電話は家族からの問い合わせで埋まります。数十件の着信が続けば、業務は完全に止まります。
ホームページやSNSでの一斉発信の担当と、文例をあらかじめ用意する
「◯時までに全利用者の無事を確認。個別の連絡は順次行います」という定型文を1本持っておく
これだけで、電話の鳴り止まない時間を大幅に短縮できます。
安否確認は「連絡網があること」がゴールではありません
本当の目的は、
職員が迷わず行動できること。
そして、
利用者・患者様の命を守ること。
そのためには、つながらない前提での準備が欠かせません。
最後に
私は、
消防職員として約40年
行政の危機管理部門で約5年
の経験を活かし、医療・介護施設を中心に、
消防計画
BCP
避難確保計画
の見直しや統合、実効性向上のお手伝いをしています。
「電話がつながらなかったら、うちはどうなるのだろうか」
そんな不安がありましたら、お気軽にご相談ください。
"提出するための計画"ではなく、"現場で使える計画" を一緒に作り上げましょう。
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プロの目線で、貴施設の計画の以下のポイントを診断いたします。初動の実効性: 夜間の少ない職員(出勤率3%程度を想定)でも、本当にそのマニュアル通りに動けるか? 属人化リスク: 作成担当者が辞めても、他の職員が理解して引き継げる内容(個人名ではなく役職名での記載など)になっているか?
監査対策: 感染症と自然災害の違いを明確に切り分け、行政の厳しい監査をクリアできる整合性が取れているか? 診断後、「どこをどう修正すべきか」の具体的なフィードバックをお渡しします。
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