皆様、こんにちは。スマート危機管理コンサルティングの久保です。
「非常用発電機があるから、停電しても大丈夫。」
そう思っていませんか?
私は消防職員として約40年間、さらに行政の危機管理部門でも勤務し、災害現場と施設の設備の両方を見てきました。
そして、停電が長引いた現場で必ず起きるのが、**「発電機は動いた。しかし、動いてほしいものが動かなかった」**という事態です。
今回は、非常用電源について確認しておきたい5つのポイントをご紹介します。
## 確認① 何時間もつのか、燃料の"実量"で答えられますか
カタログ値の連続運転時間ではなく、**今タンクに入っている燃料で何時間動くのか**です。
多くの施設では、満タンでも8時間から24時間程度。72時間には遠く届きません。
- 燃料タンクの容量と、現在の残量
- 定格運転時の1時間あたり消費量
- そこから割り出した実稼働時間
この3つを、担当者以外の職員が言えるでしょうか。言えないなら、それは計画に書かれていないということです。
## 確認② 発電機は、どの回路に給電しますか
ここが最大の落とし穴です。非常用電源は通常、**全館すべてには給電しません**。
消防設備や非常照明、一部のコンセントに限られていることが大半です。
- 医療機器(吸引器、酸素濃縮器、人工呼吸器)のコンセントは対象か
- 冷暖房は動くか(夏場の熱中症、冬場の低体温は命に直結します)
- **エレベーター**は動くか
- **給水ポンプ**は動くか(受水槽に水があっても、ポンプが止まれば上階に届きません)
- 厨房設備、冷蔵庫は動くか
図面の話ではありません。**「非常用電源で使えるコンセントに、赤いシールが貼ってあるか」**という話です。夜勤者が暗い中で判断できる状態にしておく。それが実効性です。
## 確認③ 夜間に停電したら、誰が起動しますか
自動起動でない設備の場合、誰かが機械室へ行き、操作しなければなりません。
その手順を知っているのが「設備担当の◯◯さんだけ」なら、それは典型的な属人化です。
- 機械室の鍵は、夜勤者がすぐ取り出せる場所にあるか
- 操作手順は、**写真付き1枚**で機械室の扉に貼られているか
- 年に一度、実際に負荷をかけて始動させているか(無負荷試験だけでは分かりません)
## 確認④ 燃料を追加調達する手段はありますか
72時間を超える停電では、必ず燃料の補給が要ります。
しかし、災害時のガソリンスタンドには長蛇の列ができ、施設の車両でポリタンクを運ぶこと自体が困難になります。
- 燃料供給事業者との**優先供給の協定**があるか
- 発災時の連絡先と、担当者名(役職名で記載)
- 協定がない場合、地域の同業者や法人グループでの融通の取り決めがあるか
平時に一本の電話をしておくかどうか。この差が、3日目に出ます。
## 確認⑤ 電気が止まったとき、水はどうなりますか
停電と断水はセットで考えてください。上水が生きていても、**ポンプが止まれば施設内の蛇口からは出ません**。
- トイレを流す水(1回あたり数リットル×利用者数×3日)
- 清拭・手洗いの水
- 飲用水
排泄用の凝固剤と処理袋の備蓄量も、あわせて確認しておきたいところです。
## 停電対策は「設備があること」がゴールではありません
本当の目的は、
職員が迷わず行動できること。
そして、
利用者・患者様の命を守ること。
そのためには、毎年の見直しと訓練が欠かせません。
## 最後に
私は医療・介護施設を中心に、
消防計画
BCP
避難確保計画
の見直しや統合、実効性向上のお手伝いをしています。
「うちの発電機で、何がどこまで動くのか把握できていない」
そんな不安がありましたら、お気軽にご相談ください。
"提出するための計画"ではなく、"現場で使える計画" を一緒に作り上げましょう。
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ここまでお読みいただいた施設長様、防災ご担当者様。
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消防現場の最前線で40年、そして市役所の危機管理監(審査トップ)として5年。
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