皆様、こんにちは。
スマート危機管理コンサルティングの久保です。
2024年度の介護報酬改定により、BCP(業務継続計画)の策定は全ての介護事業所で義務化されました。多くの施設が期限までに何とか計画書を作り上げ、ひとまず「義務は果たした」という状態にあるかと思います。
しかし、その計画書。今この瞬間、担当者以外の誰かが開いても内容を理解し、更新できる状態になっているでしょうか?
■ 介護・医療現場特有の「属人化リスク」
介護・医療業界は、他業種と比べても人の入れ替わりが激しい業界です。
そうした環境の中で、BCPや避難確保計画の作成を「たまたまその年に在籍していた特定の職員一人(あるいは一部の担当者)」が担ったケースは非常に多く見られます。
この場合、以下のような致命的な問題が発生します。
計画書の中の専門用語や記載ロジックが、作成者にしか分からない
緊急連絡網や役割分担表の人名が、退職・異動により実態と乖離していく
毎年の見直し(訓練後の改訂)が「誰がやるべきか」曖昧なまま放置される
実地指導や監査の際、質問に答えられる職員が現場にいない
これは「計画が存在するかどうか」ではなく、「組織として計画を運用できているか」の問題です。作成者が異動・退職した瞬間に、その施設の危機管理能力はゼロに戻ってしまいます。
■ なぜ属人化は起きるのか?
BCP作成は片手間でできる仕事ではなく、施設内で「詳しい人」「パソコンが得意な人」に集中してしまうためです。
さらに、行政のひな形を当該施設の実情(職員配置、建物構造など)に合わせてカスタマイズしているほど、その施設の「文脈」を知らない人には解読不能なマニュアルになってしまいます。カスタマイズの精度と属人化のリスクは、実は表裏一体なのです。
■ 属人化を防ぐために必要な「3つの設計」
計画を「誰が作ったか」に依存させないためには、以下の設計が不可欠です。
「個人名」を「役職名」に置き換える
「山田太郎」ではなく「施設長」「看護主任」と記載し、人事異動の影響を最小限に抑える。
改訂ルールとトリガーの明文化
いつ、誰が、何の訓練を機に見直すかのルールを計画書内に明記し、更新を自動化する。
新任職員への「読み合わせ」をセットにする
計画を「作る」ことではなく、「誰が読んでも同じように動ける」状態にすることをゴールに置く。
■ 組織で運用できる「生きた計画」へ
BCPや各種防災計画は、「作ること」がゴールではありません。担当者一人の頭の中にしかない計画は、その人がいなくなった瞬間に紙切れになります。
もし今、貴施設の計画が「特定の職員に依存した状態になっている」と感じられたら、手遅れになる前にぜひ一度ご相談ください。
45年の危機管理の知見から、「引き継げる計画」「組織で動ける計画」への再構築(属人化診断)をサポートいたします。
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