【長様へ】机上訓練は自前でできます。それでも残る「3つの壁」

【長様へ】机上訓練は自前でできます。それでも残る「3つの壁」

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皆様、こんにちは。スマート危機管理コンサルティングの久保です。

以前、「夜勤帯の訓練は、1時間・紙1枚で回せます」という記事を書きました。会議室に数人が集まり、紙を前に1時間話し合う。これも立派な訓練であり、記録に残せます、という内容です。

その後、実際にやってみたというお話をいくつか伺いました。大変うれしく思っています。

ただ、自前で回してみると、必ずぶつかる壁があります。私自身、消防職員として約40年、その後も行政の危機管理部門で数多くの訓練を見てきましたが、**この3つは、どの施設でも同じように出てきます。**

今日は、その壁と、越え方をお話しします。

壁① 進行役が身内だと、「正解」が先に出てしまう

机上訓練で最も大切なのは、**「分からない」が出ること**です。

ところが、施設の職員が進行役をすると、これが起きにくくなります。

進行役が防災担当であれば、答えを知っています。つい「この場合はまず通報ですね」と言ってしまう。参加者は「なるほど」と納得して、そこで思考が止まります。

進行役が施設長であれば、もっと難しくなります。参加者は**「正しそうな答え」**を探して発言するようになります。本当に迷っていることを、上司の前で口に出すのは勇気が要ります。

**越え方:進行役は「答えを言わない」と、最初に宣言してください。**

代わりに、質問だけをします。

- 「なぜ、そうしますか」
- 「その時、もう一人の職員はどこにいますか」
- 「それを何分でやりますか」

答えではなく問いを返す。これだけで、沈黙の質が変わります。

壁② 出た課題の、どれが命に関わるのか判断できない

1時間やると、課題は10個以上出ます。連絡網が古い、備蓄の場所を知らない、参集基準が曖昧、懐中電灯の電池が切れている——きりがありません。

そして、**全部やろうとして挫折します。**

ここで必要なのは、優先順位です。しかしこの判断が、実は最も難しい。

たとえば「連絡網が古い」と「防火戸の位置を誰も知らない」。どちらが重いか。

**後者です。** 連絡網が古くても、誰かに電話はつながります。しかし防火戸が閉まらなければ、煙は数分で全館に回ります。火災でお亡くなりになる方の多くは、火傷ではなく煙によるものです。

**越え方:「これができないと、人が亡くなるか」で分けてください。**

亡くなる可能性があるものが最優先。事務的な不備は後回しで構いません。この基準だけで、10個の課題は3個に絞れます。

壁③ 記録に何を書けば、運営指導で通るのか分からない

「訓練を実施しました」とだけ書いた記録を、よく拝見します。

これでは弱いのです。運営指導で見られているのは、**実施した事実ではなく、そこから何を改善したか**だからです。

必要なのは、この6項目です。

実施日時/訓練種別/参加者と職種/使用したシナリオ/**判明した課題**/**次回までの改善策と担当者**

そして、もう一つ。**承認印の欄を作ってください。** 施設長印・防災担当印・作成者印の3つです。

担当者が一人で書いた記録と、施設長まで承認が回った記録とでは、書類としての重みが違います。**押印欄があること自体が、「これは組織の記録である」という宣言**になります。

まず、自前でやってみてください

ここまで3つの壁を挙げましたが、**まずはご自身でやってみることを、強くお勧めします。**

壁②と壁③は、基準さえ分かれば自前で越えられます。この記事の内容だけで、十分に実施できます。

問題は壁①です。**これは、施設の中の人だけでは構造的に越えにくい。** 答えを知っている人が進行し、上下関係のある人たちが参加する。この条件では、どうしても「分からない」が出にくくなります。

外部の人間が問いを投げるだけで、同じ職員から違う言葉が出てきます。これは能力の差ではなく、立場の問題です。

お知らせ

このたび、**オンラインで90分の図上訓練を進行するサービス**を始めました。

事前に平面図と夜勤帯の人数を伺い、貴施設だけのシナリオを作成します。当日は私が進行役を務め、判断の根拠を問い、行き詰まりを整理します。終了後は、訓練実施記録・課題の報告書・次回の実施計画をお渡しします。

録画いただいて構いません。当日参加できない夜勤者の方にも、そのまま共有できます。

- 訓練の記録の残し方に不安がある
- 毎年、同じ訓練の繰り返しになっている
- 夜勤帯を想定した訓練を、一度もやったことがない

ひとつでも当てはまる施設長様は、まずはココナラの**「見積り・カスタマイズの相談をする」**ボタンから、現在の実施状況をそのままメッセージでお送りください。ご相談・お見積りは無料です。

災害は、次の会議を待ってはくれません。
職員と入所者様の命を守るため、今すぐお気軽にご相談ください!

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