小規模多機能の看護師はハイエースも乗りこなす――現場のこぼれ話
今日は少し視点を変えて、ある日の私の1日をご紹介します。
朝8:30。
利用者のお迎えから1日が始まります。
私は、ハイエースも乗りこなす、進化形看護師です。
送迎は、ただの移動時間ではありません。
利用者の自宅に伺うことで、
家の中の様子
生活の変化
家族の表情や雰囲気
そういった支援につながる情報をたくさん得ることが出来ます。
毎日送迎に出ていると、利用者の体調が悪い日は、
玄関から出てきた瞬間の表情で分かることもあります。
送迎車の中では、施設の中では見えない一面が見えることがあります。
ふと本音がこぼれたり、小さな不満が出たり、
思っていることが言葉になったり。
そんな小さな思いを拾うのも、私の大事な仕事です。
送迎が一段落すると、午前中は入浴介助に入ることもあります。
人員不足ですから、そこはしっかり現場に入ります。
入浴介助もこなす、何でも屋看護師です。
でも、この時間だからこそ見えることがあります。
皮膚の状態、浮腫、痛みの有無、動き方。
やせた、太った・・・体の隅々まで自然に確認できます。
利用者にとっても、一対一でゆっくり話せる時間です。
個室で落ち着けることもあって、この時間を楽しみにしている方もいます。
私の現場では、一人30分しっかり時間が確保されています。
急かさず、ゆっくり。
ケアをしながら話をするには、とても大事な時間です。
入浴後は少し休憩。
私の勤務は現在パートで、
8:30〜14:30
8:30〜16:00
の2パターンがあります。
16:00までの日は、14:30から全体体操の担当になることもあります。
毎日14:30〜15:00まで、みんなで体操をします。
内容は担当者によってさまざまです。
私は柔軟体操をしたり、がっつり系の運動をしたり、
その日の利用者の様子を見て決めます。
時にはリズム運動も取り入れます。
この時間もまた、大切な観察の場です。
あの人、足が上がらなくなったな。
あの人、今日は痛そうだな。
あの人、数か月前より明らかに動きが良くなっている。
あの人、最近少し指示が通りにくいな。
落ちていく面もあれば、上がっていく面もある。
小さな変化がたくさん見えてきます。
私は他の小規模多機能施設を知らないので、
看護師がどこまで担っているのかは分かりません。
でも私は、
施設看護師は
“何でも屋”
であることが理想だと思っています。
送迎も、入浴も、体操も、全部が情報収集の場であり、
コミュニケーションの場であり、ケアの場になるからです。
だからこそ、手厚い計画につながる。
実は、施設看護師になったばかりの頃、
送迎や入浴介助をあまりしたがらない職員を見たとき、
「どうして自分ばかり、ここまでやらなければいけないのだろう」
そう思ったこともありました。
仕事が嫌だったわけではありません。
負担が嫌だったわけでもありません。
ただ、
“仕事を選ぶ人”
を見たとき、真面目にやっている自分が
少しバカらしく思えたことはありました。
でも、その積み重ねの中で気づいたことがあります。
そこから得られる情報が、
看護師としての考察、判断、指示、対応力を
確実に上げていたということです。
「そういうことだったのか」
と、自分の役割が少しはっきり見えた気がしました。
だから私は、送迎も、入浴も、体操も、
何でもこなせる看護師でいたいと思っています。
進化形看護師であることを、少し誇りに思っています。