精神科の診察が5分で終わる理由「もっと話を聞いてほしい」と思うあなたへ

精神科の診察が5分で終わる理由「もっと話を聞いてほしい」と思うあなたへ

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コラム
精神科の診察が5分で終わる理由
「もっと話したい」と思うあなたへ

精神科や心療内科に通っている方の中には、こんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

「最近どうですか?」
「眠れていますか?」
「薬は飲めていますか?」
「では、同じ薬を出しておきますね」

気づけば診察は5分ほどで終わってしまう。

本当はもっと話したかった。
家族のこと、仕事のこと、人間関係のこと、将来の不安、自分でも整理できない苦しさ。
でも、診察室に入ると時間が気になってしまい、結局いつもの報告だけで終わってしまう。

そして帰り道に、こう思う。

「今日も本当に話したいことは話せなかった」

これは、決して珍しいことではありません。

もちろん、すべての医師が冷たいわけではありません。
丁寧に話を聞こうとしている医師もたくさんいます。

ただ、現実として精神科の外来は、多くの患者さんを限られた時間で診なければならない場面が少なくありません。
予約が詰まっている。
待合室には次の患者さんがいる。
診察、処方、記録、書類作成、必要に応じたリスク確認もある。

病院やクリニック側にも、時間に追われる事情があります。

また、保険診療の仕組み上、長く話を聞いたからといって、その時間に比例して十分に評価されるわけではありません。
つまり、医師が一人ひとりに30分、40分と時間をかけるほど、外来全体を回すことが難しくなる構造があります。

その結果、診察はどうしても、

・症状の確認
・睡眠や食欲の確認
・薬の効果と副作用の確認
・悪化していないかの確認
・処方の調整

こうした内容が中心になりやすいのです。

けれど、患者さんが本当に話したいことは、そこだけではない場合があります。

「なぜこんなに生きづらいのか」
「この仕事を続けていいのか」
「家族との関係が苦しい」
「自分は甘えているだけなのか」
「今は働くべきなのか、休むべきなのか」
「デイケアに行った方がいいのか」
「過去の診察で決めつけられた気がして、もう本音を話しにくい」

こうした悩みは、薬の確認だけでは整理しきれません。

5分診察が悪い、という単純な話ではありません。
短い時間でも、必要な医学的確認をして、症状の悪化を防ぐことには意味があります。

ただ一方で、患者さん側に残る、

「もっと深く聞いてほしかった」
「自分の人生の悩みまでは届かなかった」
「診察では言えなかった本音がある」

という感覚も、とても大切なものです。

精神科の診察は、主に治療の場です。
一方で、人生の悩みをじっくり整理するには、別の時間や場所が必要になることもあります。

病院では話しきれなかったこと。
診察室では言いにくかったこと。
薬の話だけでは片づかない悩み。
家族、仕事、人間関係、将来、自分自身への不安。

そうしたものを、一度ゆっくり言葉にしてみるだけでも、心の中の絡まりが少しほどけることがあります。

「病院に通っているのに、まだ苦しい」
「先生には悪いけど、もっと話を聞いてほしい」
「5分では自分の本当の悩みまで話せない」

そう感じることは、わがままではありません。

あなたの悩みが浅いから話せないのではなく、
短い診察時間では扱いきれないほど、生活や人生に深く関わる悩みなのかもしれません。

一人で抱え続ける前に、まずは今の気持ちを整理する時間を持ってみてください。

話がまとまっていなくても大丈夫です。
何から話せばいいか分からなくても大丈夫です。
同じ話を何度もしてしまっても大丈夫です。
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