夜中の三時に、はっと目が覚める。
心臓が、少しだけ速い。
時計を見て、また目を閉じる。でも、眠れない。
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そして、思う。
ああ、また、朝が来てしまう。
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もし、あなたがこんな夜を過ごしているなら。
最初に、これだけ言わせてください。
それは、あなたが弱いからじゃない。
あなたの心が、「ここから離れろ」と、正常に鳴らしている、警報です。
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でも、あなたはきっと、こう思っている。
逃げるなんて、甘えだ。
みんな、我慢してる。
ここで投げ出す自分は、情けない。
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わかります。
私も、まったく同じことを、自分に言い聞かせていました。
毎朝、世界が滅亡すればいいのにと願いながら、それでも、会社へ向かっていた、あの頃。
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任された部署を、私は、夢中で育てました。
何年もかけて、それは、ちゃんとした実績に、なりました。
その実績を買われて、私に、白羽の矢が立ちました。
「新しい部署を作る。その責任者を、任せたい」と。
期待されているんだ、と思いました。
だから私は、希望を持って、その役目を、引き受けたんです。
・・・
でも。
そこが、私にとっての、地獄の入り口でした。
任されたのは、まったく経験のない分野。
引き継ぎは、ありませんでした。手順書も、ありませんでした。
ただ「回しておいて」と、放り込まれただけ。
現場の同僚も部下も、結束が固くて、外から来た私を、誰も、受け入れてはくれませんでした。
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そんな、ある日。
その立場の人間しか、触らない仕事に、初めて、ぶつかりました。
私の部下たちも、やったことがない。その現場の管理職しか、知らない特融の仕事でした。
だから私は、それを実際にやっている、同じ立場の古株の人に、頭を下げて、聞きました。
聞ける相手は、その人しか、いなかったからです。
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その人は、手も止めず、こちらを見もせずに、言いました。
「そういうのは、ご自分の部下にでも、聞いてもらえますか」
・・・
部下が、知っているわけが、ないんです。
そして、それを誰よりわかっていたのは、その人のはずでした。
まわりには、何人も、いました。
でも、誰ひとり、顔を上げなかった。
それが、当たり前みたいに。
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そのとき、はっきりと、わかってしまったんです。
ここに、私の味方は、一人も、いない。
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それから、眠れなく、なりました。
体にも、出はじめました。
ストレスで、蕁麻疹が、全身に。
薬で、抑えていました。
でも、薬で蕁麻疹を抑えるたびに、本当は、わかっていたんです。
抑えなきゃいけないのは、これじゃない、と。
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ここで、ひとつ、正直に書いておきます。
私は当時、メンタルヘルス・マネジメント検定という資格を、持っていました。
職場で、人の心の不調に気づいて、守るための知識を学ぶ資格です。
眠れていない人がいたら。体に不調が出ている人がいたら。
早めに気づいて、手を打つ。
そういうことを学んで、知識も、つけていた。
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なのに。
自分の体が、蕁麻疹で悲鳴をあげていることには。
自分の心が、壊れかけていることには。
最後まで、気づかないふりを、していたんです。
人の心は守れるつもりで。
自分の心だけは、守り方が、わからなかった。
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眠れない夜が、どれくらい続いた頃でしょうか。
ある晩、私はふと、もう何年も、しまいこんでいた、タロットカードを、取り出して、並べてみました。
藁にもすがる、というやつです。
出たカードが、私に、こう言っているように、見えました。
「あなたは、ここに、とどまる必要はない」
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その晩、私は妻に、全部、話しました。
眠れないこと。毎朝、消えてしまいたいこと。
妻は、しばらく、黙っていました。
そして、言いました。
「もう、無理しないでいいよ。あなたの体のほうが、心配」
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翌週、私は上司に相談して、自分から、その役目を、降りました。
役職は、下がりました。給料も、かなり、減りました。
世間で言えば、「降格」です。
逃げた、と思いました。負けた、とも思いました。
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でも。
しばらくして、気づいたんです。
夜中に、目が覚めなく、なっていました。
あれだけ全身に出ていた蕁麻疹も、いつのまにか、出なく、なっていました。
役職と給料を手放した代わりに、私は、自分の心と体を、取り戻していました。
・・・
役職を、降りました。
でも、あとで、思ったんです。
降りるのは、役職だけじゃ、ない、と。
毎朝、笑顔を作ること。
「みんな我慢してるんだから」と、自分に言い聞かせること。
期待に応えなきゃと、背伸びし続けること。
そういう見えない役を、人は誰でも、背負わされています。
肩書きが、あってもなくても。
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あなたが今、いちばん降りていいのは。
「頑張り続けなきゃ、という戦い」かもしれません。
今なら、はっきり、言えます。
あれは、逃げじゃ、なかった。
降りたんです。
これ以上は危ない、と判断して、自分の意志で、一段、降りた。
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登り続けることだけが、強さじゃない。
危ない場所から、自分の足で降りることも、立派な、強さです。
だから、もし今、あなたが夜の闇の中で、目を覚ましているなら。
逃げたい自分を、責めているなら。
どうか、その言葉を、こう、置き換えてみてください。
私は、逃げるんじゃない。
私は、降りるんだ。
自分を、守るために。
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ひとつだけ、約束してほしいことが、あります。
もし、つらさが何週間も続いているなら。
眠れない夜が、どうしても止まらないなら。
占いよりも先に、心療内科や、公的な相談窓口を、頼ってください。
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そのうえで。
もし、「降りていいのか、まだ踏ん切りがつかない」のなら。
私は今、タロットで、あなたのような人の鑑定をしています。
あの夜、迷っていた私に、答えを映し出してくれたカードで。
今度は、あなたの中にある答えを、一緒に見つけるために。
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当てる占いでは、ありません。
「降りるべき」と決めつけることも、ありません。
あなたの心が、本当はもう出している答えに、光を当てるだけの鑑定です。
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私の鑑定は、対面では、ありません。
あなたの状況を、文章で送っていただいて、
私が、ひとり静かにカードを並べ、鑑定書を書いて、お返しします。
人に顔を見られず、急かされず、あなたのペースで。
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えんたく