あの時の言葉

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コラム
私は、泣き虫な先生でした。

もちろん、保育中に泣いていたわけではありません。

園長先生と面談をするたびに、泣いていた時期があるのです。

 長女が小学1年生、次女はまだ2歳。
この年に、私はシングルマザーの道を選びました。
大きなストレスが減り(笑)、明るい未来しか見えない毎日が始まったはずなのに、なぜか園長先生と話すと、涙があふれてくる。

見た目はとても元気な先生でしたが、私の心の中は、常に不安でいっぱいでした。

自ら望んでシングルマザーになったものの、頼れる親族も友人もいない環境での子育て。

当時、小さな子どもがいる職員は私だけ。

会議や学習会に全職員が参加する中、私だけ欠席するわけにもいかない。
そのたびに、子どもたちをどうしようかと悩まなければなりませんでした。

子どもの体調に異変があると、翌日のことが心配で落ち着かない。

休みの日は、きちんと子どもたちを遊びに連れて行かなきゃ。

バランスの良い食事を出したい。

保育士なんだから、ちゃんと子育てしなきゃ。

保育士4年目。
中途半端に、保育を知った気になっていた時期でした。

 振り返ると、この頃の私に言いたいことがたくさんあります。
そんな私に、未来の私に代わって『大丈夫』と優しく言ってくれたのが、その時の園長先生でした。

とても温かい方で、退職された後も『神様』と崇められていました(笑)
その温かな空気と、すべてを受け入れる笑顔。
そして元気な声に、私の心の悲鳴が、勝手にあふれ出てしまったのでしょう。

そんな『神様』……いや、園長先生からの忘れられない言葉。

『子どもたちはね、ちゃんとお母さんのことを見ているよ。
お母さんの背中をしっかり見て、育っているんだから。大丈夫。』

ありきたりな言葉。
正直、この時の私は「そんなの気休めでしょ」と思いました。
でもこの言葉は、母として、保育士として。
1年、また1年と経験を重ねるごとに、その価値が増していきました。

園長先生の言葉は、気休めなんかではなく、いつか知る事になる、
まるで未来予知?!未来からのお告げ?!な言葉だったのです。

 もっと、肩の力を抜いて、子育ても仕事も、楽しめたら良かったな。なんて、思う事もありますが、きっと、いっぱい悩んできたからこその今。

だから私は、いつしか悩むお母さん方に『大丈夫』と心から言えるようになったんだ。

 一難去って、また一難。子どもが成長すれば、その年齢なりの
悩みが出てきます。

胸が痛くなることも、逃げ出したくなることも、たくさんありました。
母である以上、悩みや不安は尽きません。

 それでも、自分が自分である限り、子どもたちはしっかり育ってくれて、
今の悩みも、数年後には、園長先生の言葉と一緒に【思い出】として振り返っているんだろうなぁ。

我が子が見る自分の背中が、輝いているように、
振り返った時、自信を持って笑えるように。

自分らしくいることを、がんばろうっ!!



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