『孤育て』から『子育て』へ。

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コラム
 20年以上も前の事。
私が通っていた保育科に、推定60歳のとてもパワフルなダンスの先生がいました。
 先生は時折、ご自身の子育て話しを聞かせてくれました。
『妊娠中に自転車に乗って、近所の人に怒られたのよ』なんて笑いながら。先生は昔から、パワフルだったようです。

 そんな先生の言葉の中で、今でも心に残っている言葉があります。

『育児本なんてみるんじゃない』

もちろん、全てを否定していた訳ではありません。ただ、
育児本に書かれている事は、あくまでも目安。同じ人間などいないのだから、本の通りに育つ子どもなんていない。

『文字では無く、目の前の子どもを見て育てなさい』

保育士の卵である私達に、そう教えてくれました。

 保育士として働く中で、私はたくさんの子ども達と出会ってきました。
先生が仰っていた通り、同じ育ち方をする子ども達はいません。
双子であっても、身長や体重、ミルクの飲み方も違いがあります。

 子どもの数だけ、育ち方があるのです。そして、それを理解していても
初めての子育ては、不安な事が多いでしょう。

 子育て、即ち命と向き合う事。責任重大です。
不安だらけの中、助けを求めて手に取った本の内容と、目の前の現実が違えば不安は、より大きなものとなってしまうでしょう。

 ミルクを飲まない  泣き止まない
 寝ない  食べない
 歩かない  話さない・・・etc

 もし専門家がそばにいれば、年齢や発達、環境に合わせた助言をもらえるでしょう。しかし、全てのお母さんのそばに、専門家がいる訳ではありません。

 では、近所の‟おせっかいなおばさん”はどうでしょう。
「大丈夫よ!」
根拠なんてなくても、笑ってそう言ってくれる人。
そんな方、迷惑でしょうか?

子育て真っ最中の頃の私なら、迷惑だと感じたかもしれません。
でも、今はそうは思いません。

『孤育て』
ひとりで頑張る子育てです。
確かに、親には責任があります。
でも、子育ては本来、社会みんなでするもの。
ひとりで、ひと家庭だけで、抱え込むものではないはずです。

 育児本はあっていいと思っています。
私達保育士も、専門書を使っています。

でも、それはあくまでも目安。大切なのは
 困った時は、誰かに助けてもらっていい。
 一緒に我が子を見てもらっていい。 
 誰かの言葉に安心して、誰かと一緒に喜んでいい。

それが『子育て』の当たり前である事だと思うんです。

 人との繋がりは、子ども達にとっての安心にも繋がっていきます。

『孤育て』から『子育て』へ

全てのお母さんが、笑って子育てできる社会になりますように・・。

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