ある友人の話。
現場に出てすぐ、難しい案件を担当することとなった。
不安になって上司へ相談すると、「君は成績もいいし、自由にやっていいよ。」といわれた。
友人は期待に応えようと、一生懸命対応した。
しかし結果として、先方を怒らせてしまった。
戻って報告すると、上司はため息をつき、
「期待外れだったな。」
と一言。
友人は落ち込み、すっかり委縮してしまったという。
この話を聞いたとき、私は「管理とは何だろう」と考えた。
管理は何のためにあるのだろう?
管理者の仕事とは、管理することだ。
では管理とはいったい何を目的にしているのか、
みなさんは考えたことがあるだろうか。
仕事をスムーズに進めること、成果を出すこと、チームビルドなど、いろんな考えがあるだろう。
しかし、私は違う考えを持っている。
管理の目的は、人を縛ることではない。
人を守ることだ。
そして、人を守るためには「仕組みづくり」が重要だとも考えている。
なぜ仕組みが必要なのか
人は必ずミスをする。
どれだけ優秀でも、経験があっても、失敗することがある。
管理の目的を「人を守ること」だと考えたとき、そこをフォローするための仕組みが必要なのだ。
一番防ぐべきことは、人が傷つき、悲しみ、怒ることだと思う。
それはチームメンバーだけではなく、クライアントやお客様を守ることにもつながる。
人を縛るルール作りではなく、人を守るための仕組みを作っておくことで、恥をかくことを未然に防ぎ、万が一失敗したときでも安心してチームに戻ってこれる。
仕組みとは、人を監視するためのものではなく、
安心して挑戦し、安心して失敗し、安心して戻ってこられる環境を作るためにある。
これが理想なのではないか、と考えている。
判断基準を共有する意味
この友人の話を聞いたとき、上司は「自由にやっていい」と言った。
一見すると、部下を信頼して任せたようにも見える。
しかし、本当に信頼だったのだろうか。
私には、「必要な確認や支援を手放してしまった状態」、つまり管理放棄にも見えた。
不安を感じていた友人が相談に行ったとき、何を不安に感じていたかを拾い、一緒に検討すれば失敗は防げたかもしれない。
その不安というあいまいな感情の中に、もしかしたら危険な予兆があったかもしれない。
そこをヒアリングするルールや、伴走する仕組みがあれば、先方は怒らなかったかもしれないのだ。
もちろん、伴走したところで結局失敗した、という場合もあるだろう。
管理とは「傷つき方を小さくすること」
ここで大切なのは、「傷つき度合いが軽くなるか、重くなるか」だと思う。
管理の目的は、失敗をゼロにすることではない。
私は、「傷つき方を小さくすること」だと思っている。
安全に失敗できたか。
安心して次の案件へ取り組めるメンタルへ持っていけるか。
そういった視点では、「期待外れ」の一言はまさに余計な一言だっただろう。
新人が委縮してしまうことで、より一層失敗しやすくなってしまったら、チームとしては損失になる。
私は、人は論理だけでは動けない生き物だと思っている。
人間は感情で動いている生き物だ。
だからこそ、相手の感情をどれだけ安全に、良好に保てるか。
それを支える仕組みを考えなければならない。
その仕組みは状況によって変わるだろう。
しかしベースとなる考え方は変わらない。
「人を守る仕組みづくり」。
私は、それを大切に考えることが、管理者に最も求められることなのではないかと思っている。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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