AIで作ったツールは、10人いたら1〜2人は使いません。発注する前に知っておいてほしいこと

AIで作ったツールは、10人いたら1〜2人は使いません。発注する前に知っておいてほしいこと

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ビジネス・マーケティング
「AIで業務ツールを作ってもらったのに、結局スタッフが使ってくれなかった」

こういう話を、これから発注を考えている方にはあらかじめ知っておいてほしいので、先に書いておきます。

先に結論です。新しいツールは、使われないのが前提です。 私の感覚では、10人に配れば1〜2人は使いません。それは失敗ではなく、ふつうに起きることです。

大事なのは、使われなかったときにどう動くか。そして、発注する前に何を決めておくか。私の経験から、売り込みなしで書きます。

私自身、作ったものを「使わない」と決めることがよくある

意外かもしれませんが、私は作ったのに使わなくなったツールというのは、実はほとんどありません。

理由は単純で、作ってみて、既存のツールのほうが使えると分かった時点で、そもそも使わないと決めるからです。

AIの魅力は、たくさん作れることです。頭に思い浮かんだものを、労力をほとんどかけずに形にできる。だから私は、思いついたものはとにかく作ってみます。

その中から、使うものと使わないものを選ぶ。実際にはこの選ぶ作業が、いちばん判断力のいるところだと思っています。

作るのは簡単でも、「これは本当に現場で使われるか」を見極めるのは簡単ではありません。発注する側が知っておいてほしいのは、まさにここです。

使われなくなる理由は、たいてい同じ

では、現場に配ったツールが使われなくなるのはなぜか。

私が見てきた範囲では、ほとんどの場合、今までのやり方に満足している人が、そのまま使い続けるからです。

慣れた道具は強いです。多少不便でも、体が覚えているので迷わない。そこへ新しいツールが来ても、「覚え直すほどの理由がない」と感じてしまう。悪気があって使わないわけではありません。

以前、私はスタッフ向けに経費申請をフォームで電子化したことがあります。集計は2時間から30分に短くなりましたが、最初はスタッフから不満が出ました。最初はエラーが出ることがあると、事前に伝えていなかったからです。

また、以前AIの使い方をアドバイスしていた方にも、「分かったけれど、結局使わなくなった」ということがありました。

どちらも、ツールが悪かったわけではありません。新しいことを一度にたくさん始めすぎると、人は元のやり方に戻ってしまう。それだけのことです。

だから、既存のやり方に「近づける」

ここまで分かると、対処法もはっきりします。

新しいものを、今までのやり方にできるだけ近づける。 これが一番効きます。

たとえば、今まで紙に書いていた項目の並びを、そのまま画面に再現する。今までの手順を変えずに、その裏側だけをAIに任せる。使う人から見て前と同じなら、覚えることはほとんどありません。

そして、それでも使われなかったときは、作り直します。

そのとき一番大事なのは、使わなかった理由を、本人に聞くことです。

なぜ使わなかったのかを、責めずに聞く。慣れたやり方のほうが楽だったのか、操作が分かりにくかったのか、そもそも必要を感じなかったのか。理由が分かれば、それを元に、もっと使われる形に作り直せます。

発注する側にも覚えておいてほしいのですが、使われなかったことは、次に作るための一番いい材料になります。ここを聞かずに終わらせるのは、もったいないです。

「使う人にも1ヶ月」で見極める

私は、新しいツールを配ったら、1ヶ月間、実際にどれくらい使われているかを計測するようにしています。

経験上、この1ヶ月で使わなかった人は、その先もほぼ使いません。逆に、最初の1ヶ月でしっかり使ってくれた人は、その先も使い続けてくれることが多い。

だから見るのは最初の1ヶ月です。ここで使われていなければ、放置せず、使われない理由を聞きにいきます。

もう1つ、定着させるために大事にしているのが数値にすることです。

「便利ですよ」と言っても、人は動きません。「このツールで、毎月◯時間が空きました」と言えれば、使う理由になります。

作って終わりではなく、作ったあとにどれくらいメリットがあったかを、測って伝え続ける。これが定着させる一番の近道です。

自分が使っていないものは、人に勧められない

もう1つ、はっきり言えることがあります。

自分が一番使いこなしているツールでないと、人には勧められません。

私は、まず自分が使い続けます。どういう使い方をしていて、具体的にどこが便利で、何時間空いたのか。それを自分の言葉で言えるようになってから、他の人に声をかけます。

使いやすいと感じる理由を、言葉にできている状態で渡す。だから相手にも伝わります。

逆に言えば、自分でも使っていないものを「便利ですよ」と渡されても、受け取る側は動きません。これは、発注先を選ぶときの見方としても使えます。その人は、自分が作ったものを自分で使っているか。

発注する前に、自分に聞いてほしい3つのこと

もし、AIでツールを作ってもらうことを考えているなら、依頼する前に、次の3つを整理してみてください。

1.いま、どういう状態か? どんなやり方で、どのくらいの手間がかかっているか
2.何に困っているか? 一番つらいのはどの作業か
3.どんな状態になれば理想か? 「こうなっていたらいい」がどこか

私が最初に聞くのも、この3つです。現状と理想のあいだに、どれだけの差があるか。その差を埋めることに全力を注ぎます。

逆に、ここが曖昧なまま作り始めると、作ったあとで「なんか違う」が起きます。そして、使われなくなります。

まずは、自分で作ってみてください

最後に、売り込みではなく、本音を書きます。

自分で作れるものは、まず自分で作ってみたほうがいいです。

頭の中にあるものを、AIを使って形にしてみてください。最初のうちは、失敗する前提で、とにかく数を作ることが大事です。

数を作っていくと、「こういうものは作れる」「これは難しい」というイメージが湧いてきます。同時に、どういうものが使われて、どういうものが使われないのかも、少しずつ分かってきます。

そうやって自分で触った経験があると、発注するときも「何を頼めばいいか」がはっきりします。

そして、自分で作ってみて「これは自分の手には余るな」と感じたら、そのときに相談してください。順番は、それで十分です。

まずは1つ、いま手作業でやっている作業を書き出して、AIに「これを楽にするツールを作りたい」と伝えてみてください。
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