写真の多い本を紙にすると、何が仕事になるか

写真の多い本を紙にすると、何が仕事になるか

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福井でホームページを作りながら、Kindleで自分の本を50冊ほど出しています。いまは、お預かりしたKindle本を紙の本(ペーパーバック)にする仕事もしています。

旅行記、料理、子育ての記録。写真がたくさん入った本を紙にしたい、というご相談はよくあります。

文字だけの本と比べると、写真の多い本は手間のかかり方がまったく違います。今回は、その手間の中身を書きます。

前回は「紙の本の値段は、印刷代から逆算する」を書きました。今回は写真の話です。

■ 先に結論


Kindleの写真は、読む人の画面に合わせて伸び縮みします。スマホでもタブレットでも、だいたいきれいに見えます。

紙の本ではそうはいきません。1点ずつ「何ミリの大きさで、どのページに刷るか」を決める必要があります。

写真の多い本で仕事になるのは、次の4つです。

・解像度を測る
・大きさと置き場所を決める
・写真の説明を、写真から離さない
・カラーか白黒かを決める

■ 1 解像度を測る


KDPのヘルプでは、本文の画像の解像度は300DPI以上とされています。200DPIを下回ると、低解像度と扱われます。

DPIは「1インチ(25.4ミリ)に点がいくつ並ぶか」です。写真の横のピクセル数が分かれば、きれいに刷れる幅が計算できます。

横のピクセル数 ÷ 300 × 25.4 = きれいに刷れる幅(ミリ)

・横1,200ピクセルの写真 … 約101ミリまで
・横800ピクセルの写真 … 約68ミリまで

A5判の本で、左右の余白を引いた写真を置ける幅は120ミリほどです。その幅いっぱいに刷るには、横に1,418ピクセル要ります。

Kindle本の写真は、画面で見るために小さめに縮めてあることがよくあります。電子版ではきれいに見えていた写真が、紙の幅いっぱいに広げると足りない、ということが起きます。

ここで気をつけたいのは、画像ソフトでDPIの数字だけを書き換えても、画質は上がらないことです。KDPのヘルプにもそう書かれています。点の数そのものは増えないからです。

足りないときの手は2つです。

・刷る大きさを小さくする(同じ点の数を狭い幅に詰めるので、DPIが上がります)
・縮める前の元の写真を探す(スマホやカメラに残っていることが多いです)

■ 2 大きさと置き場所を決める


紙の本は、1ページの大きさが決まっています。写真を大きくしすぎると、そのページに入りきらず、次のページへ送られます。送られた分だけ、前のページの下に空きが残ります。

写真の多い本では、これが何十回も重なります。だから、写真の大きさは1点ずつ決めます。

・横長の写真は、ページの幅に合わせる
・縦長の写真は、高さを抑えて、ページの下に空きが出ないようにする
・小さくてよい写真(記念のスナップなど)は、思い切って小さくする

もう1つ大事なのは、写真と、その写真のことを書いた文が、なるべく同じ見開きに来るようにすることです。文を読みながらページをめくって写真を探す本は、読みにくくなります。

■ 3 写真の説明を、写真から離さない


写真の下に添える説明(キャプション)は、Kindleでは写真のすぐ下にあります。

紙では、写真がページの最後に来ると、説明だけが次のページの頭に回ることがあります。写真と説明が泣き別れになると、どの写真の説明なのか分からなくなります。

紙にするときは、全部の写真について次の3つを見ます。

・説明が、写真と同じページにあるか
・説明の文が、写真の幅からはみ出していないか
・人から借りた写真に、撮った人や出どころの表示が残っているか

写真が多い本ほど、ここで見落としが出やすくなります。1点ずつ、元の電子版と並べて見るのがいちばん確かです。

■ 4 カラーか白黒かを決める


KDPのペーパーバックは、白黒のほかに、カラーのインクを2種類から選べます。

・標準カラー … 白黒の本と同じ軽い紙に、インクジェットで刷る。マット仕上げ。ページ数が多い本や、写真が少なめの本向け。72ページ以上から
・プレミアムカラー … 色の鮮やかさを重く見る、写真集・料理本・絵本向け。24ページ以上から

縦書きの本(右から左に読む本)を標準カラーで出すと、売られるのはAmazon.co.jpだけになります。日本で売るなら困ることはありませんが、知っておいて損はありません。

カラーのインクを選ぶと、カラーの写真はカラーで刷られます。白黒の写真は、カラーのインクを選んでも白黒のままです。

前回書いたとおり、カラーは本全体がカラーの印刷代になります。カラーにしたい写真が数枚だけなら、白黒の本にして、その写真を白黒で見せる道も考えてみてください。

■ 写真が多いと、点検が1点ずつ増える


上の4つは、どれも写真1点ごとにかかる仕事です。

写真が10点なら40回。50点なら200回。文字の量が同じでも、写真の点数に比例して確かめることが増えます。

しかも、1点の大きさを変えると、そのあとのページが全部ずれます。ずれれば、写真と文の位置関係も、説明の泣き別れも、もう一度見直しになります。写真の多い本は、組んで、見て、直して、また見る、の繰り返しです。

■ まとめ


写真の多い本を紙にするときに、仕事になるのはこの4つです。

・解像度を測る(横のピクセル数 ÷ 300 × 25.4 が、きれいに刷れる幅)
・大きさと置き場所を決める(写真と、その写真の文を同じ見開きに)
・写真の説明を、写真から離さない
・カラーか白黒かを決める(標準カラーとプレミアムカラー)

電子版でよく見えている写真ほど、紙でも同じに見えると思いがちです。紙は大きさが決まっているぶん、1点ずつの判断が要ります。

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Kindle本を紙の本にするお手伝いをしています。写真の解像度・大きさ・説明の位置も、1点ずつ見て組みます。

・Kindle本を紙の本(ペーパーバック)にします

・Kindle出版用に原稿を電子書籍EPUB化します

紙の本の値段の決め方は、前回まとめました。
・紙の本の値段は、印刷代から逆算する

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