福井で、Kindle の電子書籍と紙の本(ペーパーバック)の入稿データを作っています。
紙の本は、刷ってから直すことができません。画面ではきれいに見えていたページが、紙になると少し違って見えることがあります。しかも、その多くは警告が出ません。
この回は、入稿の前に、私が1ページずつ見ている6つを書きます。8回続けてきた紙の本のシリーズの、最後の回です。
■ 先に結論
入稿の前に見ているのは、この6つです。
・写真や表が、少し小さくなっていないか
・1行だけのページがないか
・書体に無い字がないか
・小さすぎる字がないか
・綴じる側の余白が足りているか
・表紙と中の名前が、一字まで同じか
どれも、原稿を読んでいるだけでは見つかりません。組み上がったページを見て、はじめて分かります。
白いページや、縦書きで横に倒れる字、表紙の端の字など、電子書籍を紙にしたときに起きやすいことは、このシリーズを始める前の記事にまとめました(いちばん下に案内を置きます)。この回は、その先の、見た目で見つけるものです。
■ 見るときは、まず小さく並べる
1ページずつ見る前に、ページを切手くらいの大きさにして、何十ページかをまとめて並べます。
1ページだけを見ていると、おかしなところに気づきません。並べると、ほかのページとの違いが目に入ります。ほかより写真が小さいページ、ほかより白いページは、並べた瞬間に浮いて見えます。
■ 1 写真や表が、少し小さくなっていないか
写真や表が、気づかないうちに少し小さく組まれていることがあります。縦書きの本に、横書きの表や大きな写真を入れたときに起きやすいことです。1ページに収まらない大きさの物を収めようとして、まわりごと縮むことがあります。
崩れて見えるほどではなく、少し小さいだけなので、1ページだけ見ても分かりません。警告も出ません。ページ数が思っていたより少ないときは、ここを疑います。
■ 2 1行だけのページがないか
章の最後の1行だけが、次のページに送られることがあります。ほとんど白いページができて、読んでいる人は「ここで終わり?」と思います。
原稿を少し縮めたり、行の送り方を変えたりすれば、前のページに収まることが多いところです。章の終わりのページを、1つずつ見ます。
■ 3 書体に無い字がないか
本の字は、書体(フォント)で刷られます。書体には、入っていない字があります。Windows で打つ波線の「~」、「⚠」や「™」のような記号、絵文字、むずかしい旧字などです。
入っていない字は、空白になったり、別の書体で刷られたりします。KDP は、使った書体を全部データに埋め込むように求めていますが、埋め込んでも、書体に無い字は刷れません。
題名・著者名・帯の文・はじめにの文は、記号が入りやすいところです。ここは1字ずつ見ます。
■ 4 小さすぎる字がないか
KDP のヘルプでは、字の大きさは7ポイント以上とされています。本文は大丈夫でも、写真の説明、表の中、図の中の字が、小さくなっていることがあります。
写真の中に字が写っている場合も同じです。写真を小さく組むと、写真の中の字は読めなくなります。
■ 5 綴じる側の余白が足りているか
紙の本は、ページの片側を綴じます。綴じる側(のど)に字が寄りすぎると、本を開いても読みにくくなります。
KDP のヘルプでは、のどの余白は、ページ数が多いほど広く取る決まりです。24〜150ページなら9.6mm、151〜300ページなら12.7mm、301〜500ページなら15.9mmです。ページ数が決まってから、余白を見直します。
■ 6 表紙と中の名前が、一字まで同じか
KDP は、本文と表紙に書いた題名や著者名が、登録のときに入力した本の詳細と正確に一致していることを求めています。
表紙・扉(題名のページ)・奥付・登録の画面、の4か所で、題名と著者名が一字まで同じかを見ます。副題の有無、全角と半角、「・」の有無のような小さな違いも見ます。
■ 自分で確かめる手順
1 ページを小さくして、何十ページかずつ並べて見る(写真の大きさ・1行だけのページ)
2 章の終わりのページを、1つずつ見る
3 題名・著者名・帯の文を、記号ごとに見る
4 写真の説明・表・図の字の大きさを見る
5 ページ数を確かめて、のどの余白を見る
6 表紙・扉・奥付・登録の画面の名前を並べて見る
ページの多い本を1ページずつ全部見るのは大変です。私は、数えられるものは先に機械で数えてから、最後に1ページずつ目で見ています。
■ まとめ
・まず小さく並べると、ほかと違うページが目に入る
・写真や表は、警告なしに少し小さくなることがある
・1行だけのページは、章の終わりにできやすい
・書体に無い字は、空白や別の書体で刷られる
・字は7ポイント以上。写真の説明や表の中を見る
・のどの余白は、ページ数が多いほど広く
・表紙・扉・奥付・登録の名前は、一字まで同じに
紙の本は、刷ってからでは直せません。入稿の前の見直しが、本の仕上がりを決めます。
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8回にわたって、電子書籍を紙の本にするときのことを書いてきました。表紙、値段、写真、校正刷り、リンク、判型、目次、そして今回の入稿前の見直しです。
電子書籍の原稿から、紙の本(ペーパーバック)の入稿データを作っています。お渡しの前に、この6つを見ています。
・Kindle本を紙の本(ペーパーバック)にします
・Kindle出版用に原稿を電子書籍EPUB化します
電子書籍を紙にしたときに起きやすい8つは、1本目に書きました。
・Kindle本をそのまま紙にすると起きる8つの不具合
ご質問だけでもお気軽にどうぞ。