話しを聞くしごと

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コラム
なぜ人の話を聞こうと思ったのか?

立派な志があったわけではない。
ただ、私は自分が気づかないまま深く傷ついたことがある。

あのとき私は、
自分の中にすでに在ったものに気づいていなかった。

本当は大切にしていた感覚。
本当は違和感としてちゃんとあったもの。

でも私は、それを言葉にできなかった。

言葉にできないまま、
「もっと何かがあるはずだ」と外に求めた。

他に正解がある気がして、
他に答えがある気がして、
すでに在るものを置いていった。

その結果、
自分も、周りも、深く傷ついた。
失ってから、
ようやく気づいた。

大切だったのは、
外にある何かではなく、
ずっと自分の中に在ったものだったことに。

もしあのとき、
自分の中の声を
もう少しだけ言葉にできていたら。

もしあのとき、
急がずに自分の感覚に
向き合う時間があったなら。
何かは違っていたのかもしれない。

私は答えを出さない。
でも、
自分の中にすでに在るものに
気づくきっかけになる時間は
つくれるかもしれないと思っている。

失ってから気づく前に、言葉にしてみる。
その時間を、急かさずに一緒に持つこと。

それが、
私が話を聞こうと思った理由。
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