【連載総括】第21回:未完の決別 ―― 最終節

記事
ビジネス・マーケティング

第21回:未完の決別 ―― 最終節

私は、誠を許していない。
35年が経ち、数え切れない現場を歩き、多くの経営者と向き合ってきた。
それでも、あの日の誠が犯した「問いからの逃走」を、私は今も許すことができない。

誠実という名の免罪符

誠は悪人ではなかった。
むしろ誠実で、責任感が強く、誰よりも苦しんでいた。
だが、それは免罪符にはならない。
苦しんでいたからといって、思考を放棄していい理由にはならない。
追い詰められていたからといって、決めるべき問いを捨てていい言い訳にはならない。
誠が守ろうとした「会社」は、最初から存在しなかった。
彼が必死に抱え込んでいたのは、「失敗した自分を認めたくない」というプライドだけだった。
そのプライドのために、社員は消耗し、取引先は傷つき、友人は切り捨てられた。
誠の罪は、能力不足でも、知識不足でもない。
ただ一つ。決めるべき問いから、逃げ続けたこと。

許さないという名の連帯

私は今も、誠を抱えて生きている。
許すことも、忘れることもできない。
だが、一つだけ確信している。
誠を許さないからこそ、私は今、誰かの隣に立てるのだ。
安易な励ましも、綺麗な希望も、私は語らない。
ただ、人が問いから逃げようとする、その瞬間を、私は絶対に見逃さない。
それが、誠を許さないまま生きる、私の唯一の贖罪だ。(完)

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら