「やりたいことがわからない」のは、あなたの脳が正常に働いている証拠です

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コラム
忙しかった今日という一日の締めくくりに、自分のための数分間の時間を作る。ブログでコーチング、VISION GARDENです。

毎日を一生懸命に生きるあなたへ
仕事に追われ、人間関係に気を配り、気がつけば今日も一日が終わっていく。そんな慌ただしい日々のなかで、ふと「自分は本当は何がしたいんだろう」「このままでいいのだろうか」と、心に小さなモヤモヤが広がることはありませんか。

周りの同僚がキャリアアップに向けて資格の勉強を始めたり、SNSで生き生きと自分の好きなことを発信している友人を見かけたりすると、明確な目標を持てずにいる自分を取り残されたように感じてしまうかもしれません。

「もっと頑張らなければいけないのに、動けない」
「やりたいことを見つけられない自分は、意志が弱いのではないか」

そうやって、ご自身を責めてしまうこともあるのではないでしょうか。ですが、まずは声を大にしてお伝えさせてください。毎日、その場その場でベストを尽くし、社会の一員として、あるいは家族のために一生懸命に生きている。

それだけで、あなたはすでに本当に素晴らしいのです。まずは今日まで頑張ってきたご自身の心と身体を、どうか100%認めて、労ってあげてくださいね。

なぜ「やりたいこと」が見つからないのか

脳の安全弁「現状維持バイアス」の働き

「やりたいことがわからない」
「変化を起こしたいのに一歩が踏み出せない」

という状態は、あなたの根気や能力が足りないからでは決してありません。実はこれ、人間の脳の仕組みとして極めて正常な反応なのです。

行動経済学や心理学の分野では、人間には現状維持バイアス(Status Quo Bias)という強力な心理作用が備わっていることが知られています。私たちの脳は、原始時代から生き延びることを最優先に進化してきました。そのため、脳にとって「現在の状態」は、良くも悪くも「死なずに済んでいる安全な状態」と認識されます。

新しい挑戦や大きな変化(=やりたいことを見つけて行動すること)は、脳にとっては「生存を脅かすかもしれないリスク」に映るのです。

そのため、潜在意識があなたを守ろうとして、あえて「現状のまま思考をストップさせる」というブレーキをかけます。あなたが動けないのは、怠けているからではなく、脳の防衛システムが優秀に機能している証拠なのです。

現代特有の「選択のパラドックス」

さらに、現代社会は情報であふれ返っています。心理学者バリー・シュワルツが提唱した選択のパラドックス(The Paradox of Choice)によれば、人は選択肢が多すぎると、かえって選択することが苦痛になり、最終的にどれも選べなくなるか、選んだとしても満足度が下がってしまう傾向があります。

「何にでもなれる時代」
「自由なキャリアを描ける時代」

だからこそ、無数の選択肢を前に脳がエネルギー切れ(ディシジョン・ファティーグ=決定疲れ)を起こし、「何がしたいかわからない」という状態を作り出しているのです。自分を責める必要がまったくない理由が、ここにあります。

「論理」ではなく「感情」にコンパスを戻す

他人の正解(コンパス)で生きる息苦しさ
私たちは幼い頃から、

「良い成績を取りなさい」
「立派な会社に入りなさい」
「社会人としてこうあるべき」

という、世間や他人が作った正解の基準をインプットされて育ちます。マーケティングの視点から見ても、世の中の広告の多くは「これを買えば幸せになれる」「こうなれば認められる」という、他者基準の理想を植え付けるように設計されています。

真面目で優秀な人ほど、この「他人のコンパス」を忠実に再現しようと努力します。しかし、それはあなたの心からの願いではないため、いくら条件を満たしても心が満たされず、論理的に考えれば考えるほど動けなくなってしまうのです。

人は、正しい論理(ロジック)だけでは本当の意味で動くことはできません。行動の真の原動力は、理屈ではなく「楽しい」「心地よい」「やってみたい」という、ピュアな感情の中にしか存在しないからです。

認知の枠組みを外すコーチングの視点

心理学には感情の粒度(Emotional Granularity)という言葉があります。自分の感情をどれだけ細かく、正確に認識できているかという指標です。「やりたいことがわからない」という時期は、長年他人の目を優先してきた結果、自分の微細な感情センサーが少しだけ眠ってしまっている状態と言えます。

ここで必要なのは、「やりたいことを見つけなければ」と論理的に自己分析を繰り返すことではありません。まずは「何を感じてもいいんだ」と自分自身に許可を出し、ポジティブな感情も、時にはネガティブな感情も、すべてを100%受容することから始まります。

今日からできる、感情を取り戻す「小さな一歩」

大きな目標を掲げたり、仕事を急に辞めたりするような一発逆転劇は必要ありません。明日から、机の前に座ったままでもできる等身大のステップをご提案させてください。

1. 「快・不快」のログをつけてみる
ノートの端やスマートフォンのメモ帳に、今日一日の中で感じた小さな「快」と「不快」を書き出してみてください。

快: 「朝のコーヒーが美味しかった」「静かなオフィスで集中できた時間が心地よかった」

不快: 「満員電車のあの匂いが嫌だった」「急かされるようなメールの文面にモヤっとした」

これらは、あなたの潜在意識が発している大切なサインです。「快」が集まる場所に、あなたの本当の価値観(コンパス)が隠されています。

2. 「他人の目を完全に遮断した時間」を5分だけ作る
SNSを見るのを止め、誰からの評価も気にしなくていい時間を5分だけ作ってみてください。

その5分間で、ただぼーっとする、好きな音楽を聴く、温かいお茶を飲む。誰かに見せるための自分を脱ぎ捨てる時間を、一日に一度だけ確保してあげるのです。

他人のコンパスを手放し、自分の軸を取り戻すプロセスは、こうした小さな一歩の積み重ねから始まります。あなたのペースで、ゆっくり進んでいきましょう。

明日をあなたらしく迎えるために

【なりたい自分へ繋ぐ、今日の「問い」】

「今日、あなたが一番『心地よい』と感じた瞬間は、どんな時でしたか?」

答えはすぐに出なくても大丈夫。眠りにつく前や、明日の朝にふと思い出してみてくださいね。

それでは、今日もしっかり休んで、あなたらしい明日を。VISION GARDENでお待ちしています。

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