パターナリズムについてのお話

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コラム
「パターナリズム」という言葉を聞いたことはありますか?

「相手のために」という思いから、本人の意向にかかわらず、相手の利益のために生活や行動に干渉し、制限を加えるべきだとする考え方です。

これは相手の幸せやリスク回避を思う気持ちの表れなのですが、その「ために」が、本人の意向や選択を置き去りにしまうことがあります。  
そのような関わり方を「パターナリズム(父権主義)」と呼びます。  

善意から生まれる介入

例えば
「転倒の危険があるから、車椅子を使用しましょう」  
「食事が摂りにくいなら、柔らかくしましょう」  

これらはすべて、善意から生まれた言葉です。  
しかし、その善意が本人の自由や尊厳を制限してしまうこともあります。  

福祉施設では、職員と利用者の関係が対等であっても、実際には「支援する側」と「される側」という関係の差が生まれてしまいます。  
その中で「こうした方がいい」という判断が、いつの間にか本人の意思を置き去りにしてしまうことがあるのです。

意思確認の大切さ

私たちが「自分らしく」生きる上で「意思決定」は最も重要な要素の一つとなります。その結果がどうであれ、自分の選択の積み重ねが自分の人生を形作っていくのですから。
一方で認知症や障害等により、周囲に自分の意思をうまく伝えることが難しい方たちがいます。
そういった方たちは、より身近な家族に確認する、支援者間でその方に関する情報を共有する等の方法で意思決定を支援することが求められます。

支援者として「パターナリズム」を理解する

パターナリズムは、決して悪いことではありません。  
むしろ「守りたい」「助けたい」という気持ちが根底にあるからこそ生まれるものです。  
ただ、その優しさが“窮屈さ”に変わらないように、支援者は常に問い直す必要があります。  

気をつけたほうがいい「パターナリズム」

「パターナリズム」については、基本的には善意から生まれる介入です。
ただ同僚や友人で「あなたのために言うね」といったスタンスで、あなたの選択や行動に介入する人がいたら、少し気をつけた方がいいかもしれません。
それは「自分の近くにいるあなた」に対しての意見なので、本質的には自分の環境を整えるために「あなたのために〜」という言葉を使っている可能性があります。
抗うことのできない関係性の第一歩になり得ますので、そういった言葉を使う方とは少し距離を置いた方がいいかもしれません。※この文章も「パターナリズム」の要素を含みますね。

おわりに
今回は「パターナリズム」についてお話させて頂きました。
読んでいただいて分かると思いますが、非常に強い影響力のある心理効果です。自分が他者の意思決定に介入する際には、充分にその方の意向や置かれている状況、変化していく未来を見据えた上で行っていく必要があるというお話でした。

あなたの優しさがお相手の幸せにつながりますように。


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