経営者は数字をこう読む① 数字はウソをつかない。でも、人は数字でウソをつく。

経営者は数字をこう読む① 数字はウソをつかない。でも、人は数字でウソをつく。

記事
ビジネス・マーケティング
営業会議でのことです。
営業部長が自信満々に報告しました。

「今月の売上は前年比120%です!」

一見すると、とても良い数字です。
しかし、社長が一言聞きました。

「去年は何があった?」

営業部長は少し考えて答えます。

「実は昨年は工場トラブルで約2か月出荷できませんでした。」

この瞬間、「前年比120%」という数字の意味は大きく変わります。
会社の実力が20%伸びたわけではありません。

前年が特殊だっただけかもしれないのです。

数字は間違っていません。
しかし、数字だけを見ると、間違った経営判断をしてしまうことがあります。

1. 数字は事実。でも、真実ではない

私は経営企画の仕事で、毎月たくさんの数字を見てきました。
売上、利益、利益率、在庫、原価、物流費……。
もちろん数字は重要です。

しかし、数字そのものが経営判断を教えてくれるわけではありません。

数字は、
「何が起きたか」
を教えてくれます。

一方で、
「なぜ起きたのか」

そして、
「次に何をすべきか」

までは教えてくれません。

だから私は、数字を見るたびに、
「この数字が意味することは何だろう?」
と考えるようにしています。

2. 経営者は数字をどう読むのか

私は、経営者が数字を見るときには、次の6つの視点があると考えています。

① 比較できる数字か
前年、予算、市場、競合…。
比較する相手が適切でなければ、その数字の良し悪しは判断できません。

② 実力か、一時的な要因か
特需、テレビ放映、円安、補助金。
それとも商品力や営業力による成果なのか。
その数字に再現性があるかを考えます。

③ 会社全体を見ているか
利益が出ていても、資金が不足しているかもしれません。
営業部の数字が良くても、物流や製造で無理が生じているかもしれません。
一つの数字だけではなく、会社全体を見る視点です。

④ 平均に隠れた問題はないか
平均利益率は良くても、赤字商品が隠れているかもしれません。
平均値は便利ですが、問題を見えにくくすることがあります。

⑤ 原因を説明できるか
売上が増えたのは、数量なのか、単価なのか、商品構成なのか。
原因が分からなければ、次の打ち手は決まりません。

⑥ 次の意思決定につながるか
数字を見る目的は分析ではありません。
値上げするのか。
投資するのか。
撤退するのか。
数字は、未来の意思決定につながって初めて意味を持ちます。

3. この6つは、すべてつながっています

例えば、
売上が前年比110%だったとします。

そこで私は、まず、
前年は比較対象として適切か。
を考えます。

次に、
これは実力なのか、それとも偶然なのか。
を考えます。

そして、
利益や資金も改善しているのか。
平均値に隠れた問題はないか。
数字が変化した原因は何か。

最後に、
では、この数字を踏まえて何を決めるのか。
ここまで考えて、初めて経営判断になります。

つまり、
数字を見ることが目的ではありません。
数字を使って意思決定することが目的なのです。

4. このシリーズでお伝えしたいこと

このシリーズでは、
数字の計算方法をお伝えするつもりはありません。

世の中には、
「損益計算書の読み方」
「管理会計入門」
といった本がたくさんあります。

私がお伝えしたいのは、その一歩先です。

数字をどう読むか。

そして、

数字をどう経営判断につなげるか。

です。

次回以降、今回ご紹介した6つの視点を
一つずつ具体例を交えながら解説していきます。

5. まとめ

数字は、とても便利です。
しかし、数字だけでは経営はできません。

前年と比べる。
背景を考える。
会社全体を見る。
平均の裏側を見る。
原因を考える。

そして、次の意思決定につなげる。
この一連の思考があって初めて、数字は経営の武器になります。

最後に

経営では、毎日のように数字を見ます。
しかし、本当に大切なのは数字を集計することではなく、
その数字をもとに次の一手を考えることです。

「数字は見ているけれど、経営判断にどう生かせばよいか分からない。」

そんなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

数字の分析だけでなく、その背景を整理し、
次の意思決定につながる考え方まで、一緒に整理いたします。
メッセージもお気軽にどうぞ!


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