議論したのに、なぜ何も決まらないのか? 会議を「意思決定の場」に変える方法

議論したのに、なぜ何も決まらないのか? 会議を「意思決定の場」に変える方法

記事
ビジネス・マーケティング
会議では、活発に意見が出ました。

営業部長は、
「私はA案がいいと思います。顧客の反応を考えると、こちらの方が売りやすいです。」

製造部長は、
「ただ、A案だと製造コストが上がります。利益を考えればB案です。」

商品企画部長からも、
「ブランドを考えるとA案の方がいいのではないでしょうか。」

それぞれの立場から意見が出て、議論も盛り上がりました。
そして会議の終了時間が近づきます。

司会者が言います。

「いろいろな意見が出ましたね。それでは、もう少し検討して次回決めましょう。」

参加者は会議室を出ていきます。
1時間議論したのに、結局何も決まっていません。

なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。

1.「議論すること」と「決めること」は違う

会議でたくさん意見が出ると「良い議論ができた」と感じることがあります。
しかし、意見がたくさん出ることと、意思決定ができることは別です。

A案にはこんなメリットがある。
B案にはこんなリスクがある。
営業はA案を推している。
製造はB案を推している。

ここまで整理しても、最後に誰かが、
「では、どちらにするのか」
を決めなければ、会社は前に進みません。

議論は意思決定のためのプロセスであって、
議論そのものがゴールではないのです。

2.「全員が納得するまで決めない」は難しい

意思決定ができない会議では、
「もう少し皆さんの意見を聞きましょう」
という言葉がよく出てきます。

もちろん、関係者の意見を聞くことは重要です。

しかし、全員の意見が一致するまで待っていたら、
いつまでたっても決められないことがあります。

営業には営業の事情があります。
製造には製造の事情があります。
商品企画には商品企画の事情があります。

立場が違えば、意見が違うのは当然です。

だからこそ、
「意見を聞くこと」と「全員の意見を一致させること」は
分けて考える必要があります。

全員が賛成することが、良い意思決定の条件とは限りません。

3.誰が決めるのかを最初に決める

例えば、新商品の価格を決める会議を考えてみます。
営業、商品企画、製造、経理など、さまざまな部門が参加します。
それぞれが意見を出す。

ここまでは問題ありません。

しかし、
「最終的に誰が決めるのか」
が曖昧だと、意見が割れた瞬間に会議が止まります。

例えば、
営業・製造・商品企画から意見を聞く。
最終的には事業部長が決定する。

と最初から決めておきます。

そうすれば、全員の意見が一致しなくても意思決定できます。
大切なのは、独断で決めることではありません。

必要な人の意見を聞いたうえで、決める責任を持つ人を明確にすることです。

4.「何を基準に決めるか」も決めておく

もう一つ重要なのが、判断基準です。

例えばA案とB案について、
営業は「売上」で判断する。
製造は「コスト」で判断する。
商品企画は「ブランド」で判断する。

それぞれ違う物差しを使っていたら、議論がかみ合いません。

そこで、会議の前に、
今回は「3年間の利益」を最も重要な判断基準とする。

あるいは、
利益だけでなく、①収益性、②顧客価値、③実現可能性の3つで判断する。
と決めておきます。

すると、
「私はA案が好きです」
「営業としてはB案です」
という主張から、

「A案とB案のどちらが、この判断基準を満たしているのか」
という議論に変わります。

意見を戦わせるのではなく、同じ物差しで選択肢を比べる。

これだけでも、意思決定はかなりしやすくなります。

5.情報が足りなくても「次に何をするか」は決める

とはいえ、すべての会議でその場で結論を出せるわけではありません。
「顧客がいくらまでなら買ってくれるのか分からない」
「製造コストをもう一度計算する必要がある」
といったこともあります。

その場合、無理にA案かB案を決める必要はありません。

しかし、
「もう少し検討しましょう」
だけで終わらせないことが重要です。

例えば、
 営業部:主要顧客5社に価格受容性を確認する
 製造部:A案・B案それぞれの製造原価を再計算する
 期限:9月15日
 9月17日の会議で最終決定する

ここまで決めます。

つまり、その場で最終的な意思決定ができなくても、

「意思決定するために、次に何をするのか」は決められます。

これだけでも、会議後の進み方は大きく変わります。

意思決定できる会議には3つある

ここまでを整理すると、
意思決定する会議には、少なくとも3つのものが必要です。

① 誰が決めるのか
② 何を基準に決めるのか
③ 今日決められなければ、次に何をするのか

この3つが曖昧なまま、

「皆さん、どう思いますか?」
と始めると、意見交換だけで会議が終わりやすくなります。
逆に、この3つを明確にしておけば、意見が割れても前に進めます。

「持ち帰って検討します」で終わらせない

もちろん、持ち帰って検討すること自体が悪いわけではありません。
本当に情報が不足しているのであれば、調べてから決めるべきです。

問題なのは、
「何が分かれば決められるのか」が分からないまま持ち帰ることです。

何が不足しているのか。
誰が調べるのか。
いつまでに調べるのか。
いつ決めるのか。

ここまで決めて初めて、会議は次につながります。
会議の成果は、どれだけ活発に議論したかではありません。
会議が終わったあと、組織が前に進める状態になっているか。
私は、こちらの方が重要だと思います。

まとめ

会議で議論したのに何も決まらない。
その原因は、参加者の意見が少ないからとは限りません。
むしろ、意見は十分に出ていることもあります。

必要なのは、
誰が決めるのか。
何を基準に決めるのか。
決められないなら、次に何をするのか。
を明確にすることです。

全員が完全に納得するまで議論するのではなく、
必要な意見を聞き、判断基準に照らして、決める人が決める。
そして、情報が足りなければ、次のアクションと期限を決める。

会議とは、話すために集まる場ではありません。
組織を次に進めるための場です。

最後に

「会議では議論するのに、なかなか結論が出ない」
「何でも持ち帰りになってしまう」
「誰が決めるのか曖昧になっている」
そんなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

複雑になった論点を整理し、判断基準や意思決定プロセスを明確にすることで、「決められる状態」をつくるお手伝いをします。

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