前回は、経営理念とは社員一人ひとりが迷ったときの「判断の軸」であることをお話ししました。
近年では、その経営理念を
Mission(ミッション)、Vision(ビジョン)、Value(バリュー)
の3つに整理して表現する企業が増えています。
しかし、
「違いがよく分からない」
「経営理念とは何が違うの?」
と思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、それぞれの役割について整理してみたいと思います。
1. 経営理念とMVVの関係
MVVは、経営理念を分かりやすく整理したものです。
経営理念が会社としての基本的な考え方だとすると、
Mission・Vision・Valueは、その考え方を
・なぜ存在するのか
・将来どうありたいのか
・どのように行動するのか
という3つの視点で整理したものです。
このように整理することで、会社が大切にしていることを、社員やお客様にも伝えやすくなります。
2. Mission(ミッション)
Missionとは、会社が存在する目的です。
つまり、「なぜ、この会社は存在するのか」という問いに答えるものです。
例えば、ベーカリーであれば「パンを売ること」ではありません。
それは事業です。
Missionは、
・地域の人々に豊かな食生活を届ける
・食を通じて人々の健康に貢献する
といったように、会社が社会に対して果たす役割を表します。
Missionは会社の根幹となる考え方であり、簡単には変わりません。
3. Vision(ビジョン)
Visionとは、将来、会社がどのような姿になっていたいのかを示すものです。
Missionが「会社が存在する理由」を示すものだとすれば、
Visionは「将来、会社はどのような存在になりたいのか」を示します。
例えば、ソニーグループは、
「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」
というビジョンを掲げています。
また、ウォルト・ディズニー・カンパニーは、
「世界で最高のエンターテインメント企業になる。」
というビジョンを掲げています。
どちらも「売上○○億円」「業界No.1になる」
といった数値目標ではありません。
会社として、将来どのような存在でありたいのかを表しています。
・2030年に売上1,000億円を達成する
・営業利益率10%を実現する
・全国に500店舗を展開する
といったものは、Visionではなく経営目標です。
もちろん、経営目標も重要です。しかし、それはVisionを実現するための手段であり、Visionそのものではありません。
Visionが明確になることで、社員は「会社はどこを目指しているのか」を理解し、日々の判断や行動に一貫性が生まれます。
4. Value(バリュー)
Valueとは、社員一人ひとりが日々どのように行動するかを示したものです。
例えば、
・お客様の立場で考える
・挑戦を恐れない
・約束を守る
・現場を大切にする
などです。
MissionやVisionは会社全体の方向性を示すものですが、
Valueは、その方向へ進むための日々の行動基準です。
社員が迷ったとき、「この行動は会社の価値観に合っているか」と判断するための拠り所になります。
5. MVVは、それぞれ役割が違う
ここまでを整理すると、このようになります。
Missionが会社の存在理由を示し、
Visionが目指す姿を示し、
Valueが日々の行動を示します。
この3つがつながることで、
社員は「なぜ」「どこへ」「どうやって」が理解できるようになります。
まとめ
MVVは、会社を格好良く見せるためのものではありません。
社員一人ひとりが、迷ったときに同じ方向を向いて判断するためのものです。
そのためには、Mission・Vision・Valueそれぞれの役割を理解し、
一貫した考え方として整理することが大切です。
しかし、本当の勝負はここからです。
MVVは作っただけでは会社は変わりません。
社員の意思決定や行動に生かされて初めて、その価値を発揮します。
次回は、「MVVは、作ることより使うことが重要」をテーマに、実際の会議や現場でどのように活用すればよいのかを具体例を交えてご紹介します。
最後に
「MVVを作りたいけれど、何から始めればよいか分からない」
「Mission・Vision・Valueを整理したい」
「会社の方向性を社員と共有したい」
そんなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
MVVの構築に関わった経験をもとに、MVVを「作ること」で終わらせず、実際の経営や組織運営で活用できる形まで、一緒に整理・ご支援いたします。