「病気だから仕方ない?」「ただの怠け?」精神疾患の家族を見るときに考えたいこと

「病気だから仕方ない?」「ただの怠け?」精神疾患の家族を見るときに考えたいこと

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コラム
「一日中ゴロゴロしているんです」「何度言ってもお風呂に入りません」「着替えもしない」「話をしても、聞いているのか分からない」

精神疾患のある方と暮らしているご家族から、こうした話を聞くことがあります。

毎日その姿を見ていれば、「病気だから仕方ないのかな」と思うこともあれば、「本当はできるのに、やらないだけじゃないの?」と思うこともあると思います。

私は、どちらかにすぐ決めることはしません。

病気の影響でできないこともあれば、病気とは別の理由でやらないことも、あるからです。

たとえば、入浴や着替え。精神状態が悪く、身の回りのことまで手が回らない方もいます。

一方で、「面倒だから入りたくない」「今日は着替えなくても困らない」という方もいます。

食生活も同じです。お菓子ばかり食べる。ジュースを好きなだけ飲む。食べたいものしか食べない。こうしたことをすべて「精神疾患があるから仕方ない」と考えてしまうのも、違うことがあります。

本人の好みや、長く続いてきた生活習慣が関係していることも、あるからです。

反対に、家族から見ると「怠けている」ように見えても、本人には難しい、ということもあります。


「怠け」に見えて、そうではないこともある

たとえば朝です。夜は寝ているのに、朝はなかなか起き上がれない。何度声をかけても、ぼんやりしている。

そんなとき私は、生活習慣だけではなく、薬が朝まで残っていないか、ということも考えます。

薬の種類や飲む時間によっては、朝の眠気が強く出ていることもあるからです。

その場合は、「いつまで寝ているの」と家族が何度も起こすだけでは、解決しません。

主治医に「朝なかなか起きられない」「午前中ずっとぼんやりしている」と、具体的な様子を伝えた方がいいこともあります。

「話を聞いていない」「何度説明しても分からない」という場合も、同じです。

本当に聞く気がないのか。長い話になると集中できないのか。症状に気を取られているのか。一度にたくさん言われると、理解するのが難しいのか。見た目だけでは分からないことがあります。

幻聴などの症状に左右されている方なら、こちらが話している間も、本人の中では別のことに注意を取られている場合があります。

うつ状態の方が横になって何もできないときも、「一日中ゴロゴロしている」という見た目だけで、怠けているとは言えません。


「以前は、どうだったか」から見ていく

では、病気なのか、本人がやらないだけなのか、どう判断するのか。これは、簡単ではありません。

私は、その人のこれまでを見ます。以前はできていたのか。できていたことが、最近できなくなったのか。それとも、今まで一度もやったことがないのか。家族がずっと代わりにやってきたのか。

声をかければできるのか。一緒ならできるのか。やってみても難しいのか。こうしたことを、一つずつ見ていきます。

判断する材料が少なければ、実際にやってみることもあります。「できない」と決める前に、一度やってみる。

できたら、どこまでできたのかを見る。できなければ、どこで止まったのかを見る。そこで初めて分かることが、あります。


「病気だから」と「怠けている」の、二択にしない

精神疾患があると、家族も迷います。

厳しく言って悪化したらどうしよう。病気なのに無理をさせてはいけない。そう考えて、何でも家族がやってしまうことがあります。

反対に、「甘えているだけ」「本人の努力が足りない」と考えてしまうこともあります。

でも私は、「病気だから」と「怠けている」の二択にしなくていい、と思っています。

病状。薬の影響。本人の性格や好み。生活習慣。これまで家族がしてきたこと。いくつものものが、重なっていることがあります。

まずはこの人は以前、どこまでできていたのだろう。そこから見てみる。それだけでも、見え方が変わることがあります。


「病気だから仕方ない」と、全部引き受けていませんか?

家族にとって難しいのは、本人ができないのか、やりたくないのか、今はできない状態なのか。その区別がつきにくいことです。

分からないまま家族が代わりにやっていると、いつの間にか、「本人ができることまで家族がしていた」ということもあります。

反対に、本当に難しいことを「自分でやりなさい」と求め続けてしまうこともあります。

私はココナラの3日間相談でも、「何もしないんです」という言葉だけで判断せず、以前はどうだったのか、いつから変わったのか、何ならできるのか、家族は今、何を代わりにしているのか。そこまで伺いながら、一緒に考えます。

「病気なのか、甘えているだけなのか分からない」。そんな迷いも、そのまま話してください。


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