【城間勝行】砂時計をひっくり返すタイミングで仕事の流れが全部変わるなんて思わなかった

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ビジネス・マーケティング
砂時計をデスクに置くようになったのは、なんとなく気まぐれだった。タイマーよりも柔らかく、時計よりも気負わなくてよくて、ただ静かに砂が落ちていく様子が気に入っただけだ。ところが、この砂時計が想像以上に仕事のリズムを変え、思考の深さまで左右するものだとは、そのときは思ってもいなかった。砂が落ちる音はしないはずなのに、視界の隅でゆっくりと積もっていく白い粒を見ていると、自分の集中力の層も同じように積み重なっていく感覚がある。そして、ひっくり返し忘れて砂が止まった瞬間にふと気づく。ああ、今の自分はもう全然集中してなかったなと。

フリーランスとして仕事をするようになってから、時間の管理はスケジュール表だけでなく、体感のリズムも大事だと強く思うようになった。依頼された案件の要件が固まっていなくても、方向性が見えなくても、まずは手を動かし仮説を形にしていく。そのとき砂時計を裏返す動作が、まるで小さなスタートの合図になる。砂が落ちている間は迷いを脇に置き、ただ一つの仮説に集中する。砂が落ちきったら一度手を止め、別の角度から考える。そうしているうちに、点が線につながり、線が面になっていくことが増えていった。

面白いのは、砂時計の時間を変えるだけで、自分の思考の質がまったく違うものになることだ。短い砂時計にすると、勢いを持ってひたすら手を動かす時間が生まれ、長い砂時計にすると、広く深く考える余白が生まれる。その切り替えが、まるで二つの人格を行き来しているようで、自分の中にこんなに異なるモードが存在していたのかと驚かされる。スタートアップの開発も同じで、細かく早い検証が必要なときと、大きな構造を見直すべきときがある。砂時計を眺めていると、その見極めが自然とつかめるようになる。

先日、クライアントとの打ち合わせで仕様が迷子になったとき、思い切って話すのをやめ、二分の砂時計をひっくり返した。砂が落ちきるまで全員で黙り、考え、整理し、それからもう一度議論を始めた。たったそれだけで、話が驚くほどスムーズにまとまった。時間を測るのではなく、方向性を整えるための静かな儀式のようなものだと気づいて、僕はますます砂時計が手放せなくなってしまった。デジタルな世界の中で、アナログな存在が思考を整えてくれる不思議さを、今も面白く感じている。
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