納期って、まるで発酵食品みたいだなと思う。
納期があることで、ものづくりのリズムが決まり、テンションが上がる。
だけど、焦りすぎると中途半端なものが出てしまう。逆に、少しだけ“寝かせる”と、グッと深みが出ることがある。
先日、とあるスタートアップのプロダクト開発で、「3日で試作できますか?」と聞かれた。
できるかどうかで言えば、できる。でも、あえてこう答えた。
「一回3日で出します。ただし、“あと1日”だけください。きっとよくなります」
その1日でやったことといえば、コードを大きく書き直したわけでもなく、UXの一部を微調整し、文言を整え、フィードバックループの導線を一段滑らかにしただけ。
でもその“あと1日”が、クライアントの目の色を変えた。
「これ、もう使えますね」と。
パン職人やチーズ職人じゃないけど、“ちょうどいい熟成”って、エンジニアにもあると思う。
脳内のロジックが静かにまとまってくる時間。コードに対して、急いでるときには見えなかった景色が見えてくる時間。
ただし、これは「納期を伸ばしましょう」って話ではない。
むしろ“納期に向き合う覚悟”があるからこそ、「あと1日」が意味を持つ。
ココナラで活動していると、「納期命」みたいな空気を感じることもある。
でも、相手の期待を超えるには、「ちょっとだけ待ってもらえる信頼」も、ときに必要だ。
言葉や数字じゃなく、「この人に任せておけば安心」という空気を持ってる人が、リピートされる。
納期を守るのは当然。でも、納期の“中で何を熟成させるか”が、プロの差なのかもしれない。