東洋医学では、健康な身体の中ではエネルギー(気)が「上へ、下へ」とスムーズに行き来していると考えます。
温かいエネルギーは、足元を温めるために「下」へ
涼しいエネルギーは、頭をクリアに保つために「上」へ
こころと身体には、いわば縦に動く「エネルギーのエレベーター」のような巡り(垂直の円環)が存在しています。
しかし、ストレスや疲れ、寒さや加齢などが重なってしまい、更には「水」や「血」の鬱滞が起こってしまうと、このエレベーターが途中で止まってしまうことがあります。
「上」に溜まりっぱなしになると…… 熱が頭にこもり、のぼせ、顔のほてり、イライラ、不眠、頭痛といった不調として現れます。
「下」に下がりっぱなしになると…… 胃腸の働きが低下したり、足元が冷え切ったり、強い疲労感や気分の落ち込みを感じやすくなります。
漢方薬は「気を上げるもの」「気を下げるもの」と明確に分類されます。
しかし、漢方薬自体がこころと身体を、強引にコントロールしているわけではありません✨
私達のこころと身体は、「どこが滞っていて、どちらに動かしたいか」をちゃんと知っていて、日々何とかこのエレベーターを動かそうと奮闘しています。
漢方薬は、その自然治癒力に対して、
「今、上に向かいたい流れ」をすっと後押ししたり、
「上でのぼせている熱を、下へ受け流すルート」
を整えます。
🎈「気を上げる(押し上げる)」サポート
エネルギーが下に落ち込んで持ち上がらないとき、胃腸を温めてパワーを補い、上へと巡る力を後押しします。
(例:補中益気湯など)
🍀「気を下げる(引き下げる)」サポート
頭やお腹の上が渋滞して熱や気が詰まっているとき、余分な熱を冷まして下へとスムーズに下げていきます。
(例:黄連解毒湯や半夏瀉心湯など)
自分ひとりの力(自然治癒力)だけでは、エレベーターの扉が重くて開かないときに、ほんの少し手助けをして気の巡りの「方向性(ベクトル)」を整える。
それが、東洋医学における「気を上げる・下げる」というアプローチのシンプルな考え方です。