漢方相談に来る方の中には、長年にわたる体質の片寄りプラス、更年期という曲がり角によって、一気に不調を招いてしまっている方が、少なからずいらっしゃいます🤔
私たちの身体の中心には、前面(お腹側・裏)を通る「任脈(にんみゃく)」と、後面(背中側・表)を通る「督脈(とくみゃく)」という重要なルートがあります。
「気」は、お腹側から背中側へ、裏から表へとダイナミックに身体を巡っています。
中高年以降は加齢とともに、この任脈・督脈をめぐる「気の回転力」が落ちてきます。これは、ある意味では自然なバイオリズムのなせる業なのかもしれません。
しかし、たとえその勢いは緩やかになっても、身体はそれなりの回転力を維持しようと健気に働き続けます。そこには、常にベストを尽くそうとする自然治癒力の確かな営みがあるのですね。
更年期は女性だけのものではありませんが、
ここでは、女性の年齢にともなう変化について書きます✨
東洋医学の古典『黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)』には、以下のように記されています。
🍀「42歳になりますと、顔まわりをめぐる経脈が衰えて充分に栄養することができなくなり、顔にはしわが増え、頭には白髪がちらほらと見えてきます」
🍀「49歳になりますと、任脈がうつろになり始め、衝脈(しょうみゃく)が衰えて血が少なくなると、月経も終わりを迎えます」
更年期に差し掛かったとき、ホットフラッシュや動悸、めまい、関節の痛み、イライラ、不眠といった様々なサインに悩まされてしまうのも、
この「気の回転力」が変化していく過渡期に起きるアンバランスが一因として考えられます。
特に女性は、月経や妊娠、出産などを経ていくなかで多くの心身の変化を経験します。
漢方では、こうした特有の症状の総称として、「血の道(ちのみち)症」と呼んでいます。
ここで大切になるのは
「何が全体の巡りを一番邪魔しているのか」という視点です。
回転力が緩やかになったルートのなかで、
流れを滞らせている原因が、頑固に居座る「血」の隔たりなのか、
天候や気圧に左右されがちな「水」の不均衡なのか、
それともストレスによる「気」の停滞なのか
は、本当にケースバイケースです。
このため、今の自分の身体が発しているサインを丁寧に、こぼさず見つめていくこと、場合によっては専門家のアドバイスをもらうことがお勧めです。
それぞれの状態に合わせたちょうどいい「交通整理」をしてあげることで、
年齢を重ねた身体にとっての、心地よくて穏やかな「気血水(きけつすい)」の巡りを取り戻していくことができるのだと感じます😊