♦︎❤︎8♠︎♣︎ 子どもの未来のための習い事って

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赤提灯がぶら下がる居酒屋

窓際の席にはハルさん
アキさん
みき先生
ヨルの4人が集まっていた

テーブルにはジョッキグラスと食べかけのポテト

ハルがスマホを見ながら

「最近さ
妻がずっと習い事の動画見てるんだよね」

「英語
体操
リトミック
水泳……
なんか“今やっとかないと差がつく”みたいなの多くて」

向かいのアキが苦笑いする

「この前“0歳から脳を育てる”みたいなの見てました」

「まだ生まれてないんですけどね」

みきが水滴を拭きながら言った

「でも実際
保護者から相談されることもありますよ
“何かやらせた方がいいですか?”って」

「特に年少前くらいからかな」

ヨルが静かにうなずく

「SNS見ると焦るんだよね
“もう始めてます”って家庭がたくさん見えるから」

「本当は比べたいわけじゃないのに“うち遅い?”ってなる」

ハルが背もたれに寄りかかる

「俺は別に妻の気持ち否定したいわけじゃないんだよ」

「子どもの可能性広げたいって気持ちはめちゃくちゃ分かるし
でもさ…」

少し言葉を探す

「毎月の出費考えると…」

「この前ざっくり計算したらスイミング8000円
英語1万ちょい
入会金とか道具入れたら最初だけで結構いくんですよ」

「しかも兄弟できたら倍になる可能性ありますし」

みきが取り皿を配って

「保育園でも“送迎で毎日バタバタです”って」

「平日は仕事
帰宅後ご飯
お風呂
寝かしつけ
その中で週3習い事って
親も体力的にきついですよね」

ヨルがテーブルのメニューを閉じながら言った

「だから“習い事=成長”だけじゃなくて
“家庭全体が無理なく回るか”も大事なんだと思う」

「家の空気がピリピリするくらいなら
一回立ち止まるのも全然あり」

ハルが少し安心した顔になる

「なんかさ周り見てると
“何かやらせてないとダメ親”みたいな空気感じる時あるんだよな」

みきがすぐ首を振る

「それは違いますよ
保育園で見てても“習い事いっぱいしてる子=自己肯定感高い”って単純じゃないし」

「逆に家でたくさん遊んでもらってる子って
すごく満たされてることもある」

アキが興味深そうに前のめりになる

「じゃあ小さい頃の習い事って意味ないんですか?」

「意味ないって単純な話ではないかな」

みきが続ける

「例えば水泳で水に慣れるとか
音楽を楽しむとか
“経験として楽しい”はすごくある」

「でも“今やらないと人生決まる”みたいな感じでは見ない」

ヨルも続ける

「“子ども自身が楽しめてるか”
そして“自分で続けるか・やめる”を決めた経験
がかなり大きいと思う」

「親の不安だけで詰め込み始めると
だんだん“やらされ感”が強くなることあるから」

ハルが苦笑いする

「耳痛いな…
妻も多分“将来困らせたくない”んだと思う」

「自分がもっと色々やっとけば良かったって言ってたし」

ヨルが枝豆を手に取り

「あとお金の捻出って“新しく増やす”だけじゃなく
“今の使い方を整理する”もあるよ」

ハルが反応する

「例えば“なんとなく払ってるもの”
使ってないサブスクとか
毎週のコンビニとか
保険の見直しとか
月5000円浮くだけでも子どもの体験費には変わる」

みきも笑う。

「“最初から本格的に始めない”もあり」

「地域の体験教室とか
市のスポーツイベントとか
単発参加とか」

「それで子どもが本当に好きそうなら続ける」

アキが安心したように笑う

「なんか“始めるなら覚悟決めてずっと続けなきゃ”って思ってました」

ハルが小さく笑う

「なんか今日ちょっとラクになったわ
“うちの子に合う形を探す”って感じか」

ヨルがうなずく

「子育てって
正解探し始めると苦しくなるからね」

4人はつまみに手を伸ばし
ジョッキ片手に“自分が子どもの頃やってた習い事”の話で笑い始めていた
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