仕事で人を安易に助けてはいけない-「20分の壁」の利用

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IT・テクノロジー
「阿部さん、PCの画面分割のやり方わかりますか?」

職場でそう聞かれたとき、私の回答はこうでした。

「調べたら1分で答えが出てくるので、まずは自分で調べてもらってもいいですか?」

後輩でもなく、上司に対してです。
冷たい、と感じる人もいるかもしれません。
しかし、これは突き放しているのではなく、私自身の、そして何より「質問者自身」のためを思っての決断です。

なぜ、職場で安易に人を助けてはいけないのか。
その弊害と、私たちが向き合うべき「時間の正体」について語ります。

仕事は終わりのない「アート」である

大前提として、仕事は無限にあります。
クオリティをどこまでも追求することもできれば
他人の業務範囲にまで首を突っ込むこともできる。やる気になれば、いくらでも「忙しく」なれるのです。

しかし、現実に私たちが使える時間は有限であり、会社から見れば人件費というコストが常に発生しています。
仕事の本質は、限られたリソースの中でいかに最大の評価(成果)を獲得するかという「リソース配分ゲーム」です。

他人の「1分で調べられること」を肩代わりしている時間は、あなたが本来出すべき成果を削っている時間そのものです。

タチが悪いことに、こうした「1分」の積み重ねは、職場の人数分だけあなたの余暇を無限に侵食していきます。

最終的には定時をこのような「調べればすぐわかる事」の肩代わりをして終わってしまいます。

「質問はタダ」という勘違いが組織を腐らせる

日本には、時間は「無料(タダ)」であるという空気が蔓延しています。
予定時刻には厳しいのに、終了時刻はエンドレスに伸びる会議。そして、「とりあえず聞けばいい」という安易な質問。

質問には、いくつかの階層があります。

1.何も調べずにすぐ聞く
2.AIに聞く
3.20分ほど自分で調べてから聞く
4.部署内の有識者に聞く
5.部署外の専門家に聞く

特に「1」のタイプは危険です。
前職で私が叩き込まれ、今も座右の銘にしている言葉があります。

「20分調べずに聞くのは、相手の時間を奪う行為。20分以上調べてから聞かないのは、組織の時間を奪う行為だ」

自分で調べ、試行錯誤して獲得した知識は、そのプロセスが「ストーリー」として記憶に定着します。

安易に答えを与えてしまうことは、相手から「自走する力」という最も重要な学習機会を奪うことに他なりません。

「時間」ではなく「成果」で世界を再定義する

多くの人は「定時まで会社にいること」を目的とし、残った時間でダラダラと仕事を片付けています。しかし、本質的に仕事は成果で測られるべきものです。

「早く仕事を片付けると、別の仕事が降ってくる」という悩みもよく聞きます。しかし、それはコントロールの問題です。

他人は、あなたがどれほどの密度で働いているかを正確には理解できません。

早く終わった人を見て
・「自分のタスクを手伝わせよう」
・「あの人は楽をしている」
と考えるのが人間の心理です。

だからこそ、仕事は最初の20%の期間で95%を終わらせ、残りの80%の期間で残りの5%を仕上げるくらいで丁度いいのです。浮いた80%の時間は、自分のスキルアップやプライベートに充てましょう。

安易に人を助け、他人の仕事にまで帯域を広げてしまうと、あなたは「便利な雑用係」として消費され続けます。日々、自分が受ける仕事に対して「値付け」をする感覚を持つべきです。

もし本当に組織のためを思うなら、個別に対応するのではなく、
よく受ける質問を解説付きの動画やFAQリストとして資産化し、配布してください。

それかAIで「このような質問をするとこのような回答が来る」といったような例でも良いでしょう。
それが最も価値のある「助け」になります。
何もマンツーマンで助ける事が相手のためにはなりません。
理論上、仕事時間を半分にすることは容易だと思っています。

結びに:境界線を引く勇気
「自分で調べてください」と言うのは、勇気がいります。
しかし、相手のためにやったことが、相手を「調べなければ何もできない人」のまま放置することと同じです。

自分の限られた資源を、どこに投下すべきか。
安易な人助けで時間を切り売りするのをやめ、自分にしか出せない成果と、未来の自分を助ける「仕組み」の構築にフォーカスしましょう。

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