最近、労働市場の構造変化を象徴するニュースが相次いでいる。
・みずほ銀行による事務職5,000人規模の削減
・自動車整備工と事務職の年収逆転
・営業職の採用の奪い合い
といった現象です。
かつて「安定」の代名詞だった職種が揺らぎ、
現場を支える専門職の価値が再評価されている今、私たちはどのようにキャリアを捉えるべきでしょうか。
賃金は「需要と供給」の調整弁に過ぎない
まず前提として、職業に貴賤はありません。 偉い、偉くないは合法的である限りないです。
どの仕事も社会を支える不可欠な要素です。
しかし、賃金という側面で見れば、それは単純な「需要と供給」のバランスで決まります。
事務職: 仕事数に対して応募者が多い「低倍率」の状態。
自動車整備工: 圧倒的に人手が足りず、応募者が少ない「高倍率」の状態。
市場原理として、足りないもの(職種)の価格(賃金)が上がるのは当然です。
今の年収逆転現象は、労働力の需給バランスが適正に機能し始めた結果といえます。
そして、恐らくこの傾向は続きます。
というのも事務職へ応募する人、自動車整備工へ応募する人の層はあまり一致しないからです。適性があまりにも違いすぎます。
事務職の人を自動車整備工に配置転換する可能性はほぼほぼないでしょう。
「ジョブ型」と「ポータビリティ」の強み
年収が上がりやすい職種には共通点があります。
年収が上がりやすいスキルの持ち運び(ポータビリティ)が容易な職種:
エンジニア、大工、自動車整備工など、個人の技術が明確なもの。
これらは「ジョブ」が定義されているため、転職による年収アップの交渉がしやすく、特定の会社に依存しなくて済みます。
また人を相手にする職種、営業が代表格です。
AIに提案されて購入を決断するのは低単価の商品くらいでしょう。
家や自動車を購入する時に営業マンの話を聞かずに即決出来る顧客はそう多くないでしょう。
年収が上がりにくくなる社内調整が主となる職種:
業務範囲が曖昧で「社内の人間関係の調整」がメインとなる仕事は、その会社特有のスキルになりがちで、一歩外に出ると評価が難しくなります。
何というか業務がピンポイントになるか、業務範囲は広いがそれぞれの専門領域が浅くなりがちです。
上述した事務職も社内フローに則った処理なので、この括りに入ります。
私自身は新卒で大手銀行→何個かの仕事を経る→エンジニア・コンサルタントになりました。
大手銀行では個人営業からスタートし、本社の企画部門に異動しました。
退職して10年以上経ちますが、私がやっていた企画の仕事は調査・考察・資料の作成がメインだったので、AIによって代替されましたし、今思えば転職したのは結果的に正解だったと思います。
同業他社に移ったところで市場価値の上限は見えていました。
エンジニア・コンサルになってからは見えやすい職業の中で今自分が最もモチベーションが上がる仕事に付くことができますし、
身につけたいスキルのロードマップを描きながら働く事ができています。
究極いえば、やりがい・給与の両方を追い求める事ができます。
考慮すべき要素-AI
スキルの需要を考える上で、AIの影響も無視できません。
人が介在していないものはAIで代替されやすいです。
例えば「英作文の添削」はAIの得意分野であり、瞬時に供給が代替されました。一方で「英会話」はどうでしょうか。人間同士のコミュニケーションや、リアルタイムでのやり取りに伴う温度感には、依然として高い需要が残っています。
あとAIによってエンジニアが不要になるという話もありましたが、結局そうはならないと見込んでいます。
私はかつてバックエンドエンジニアで、その領域ならAIを駆使すれば生産性は高く開発できますが
フロントエンド・インフラができるか?と問われればAIを使ってもやりたくないor自信がないです。
「エンジニアの知識なしでアプリを作った」なんて話も出てますが、例えばセキュリティがガバガバだった
なんて話になりそうなので、需要のあり方が変わっていくでしょう。
そもそもAIに何を質問すれば良いかわからない人もたくさんいます。
知識がゼロの分野は質問すらできないのです。
まとめ:報われる努力をしよう
どれだけ長時間、懸命に努力したとしても、
その方向性が「転職しにくい(=市場価値が可視化しにくい)職種」であれば給与アップや待遇改善の交渉は難しくなります。
自分のスキルは、他社でも通用する(ポータブルな)ものか?
自分が追っている指標(KPI)は、市場の需要と合致しているか?
は常に確認すべき要素です。
・社内では評価が高いが市場価値が低くなる
・社内では評価は低いが市場価値は高くなる
なんて事は容易に起こりうります。
理想的には転職サイトで自分の市場価値を調べるのが理想ですが、面接を受けるだけでも中々パワーが必要です。
省力化した選択肢としては、音声入力でAIと会話して壁打ちしつつAIに履歴書を作ってもらいそれを元にどの程度の給与になるかAIに聞くのも良いでしょう。
もちろんAIの回答=市場価値にならない場合もありますが、一つの目安でしょう。
よほど稀少性がない限り、AIが提示した給与の±20%にほとんど収まると思います。
正社員は安定しているでしょうか?
「黒字リストラ」の話もありますが、良いところ取りの職場はありません。
100%安定はありません。究極、最終的には自己責任になります。
会社は責任を取ってくれませんが、家族の責任は自分で取らなければなりません。
それでは、また。
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