「人は与えられたカードでプレイするしかない」
これは事実だ。でも、こうも思う。
カードは選べないが、出し方は選べる。そしてカードは、努力次第で何枚でも増やせる。
さらに言えば、どのテーブルで戦うかも選べる。
野村克也のポジション戦略
若い世代には馴染みが薄いかもしれないが、
元プロ野球選手の 野村克也 という人物がいる。
三冠王まで上り詰めたが、キャリアは決して順風満帆ではなかった。
テスト入団、クビ寸前。決してエリートではない。
クビを宣告された際は
「ここで終われない。クビになるなら南海電鉄に飛び込みます。」
といって引き下がらなかった。
家が貧しく、母や兄を楽にさせたい。
その一心でプロを目指したという。
彼は自らを「才能はなかった」と語っている。
だからこそ、人を観察し、研究し、戦略を練った。
肩が弱い。ならば配球を読む。心理戦で勝つ。
氏は身体能力だけで勝負しなかった。
そして特に興味を引いたのがプロ入りの際「若い捕手が少ないチーム」を選んだという話だ。
圧倒的な才能がないと自覚していたからこそ、競争環境を読んだ。
この姿勢は、社会人にも通じる。
与えられたカードで“良い手”を作る
私たちはプロ野球選手ほど過酷ではない。
だが、ポストは有限だ。年齢が上がれば椅子は減る。
年功序列である限り、この構造は逃れられない。
ならば、自分の業界、自分の会社、自分の部署でどこが空いているかを観察して損はない。特におすすめなのは外注領域を見ることだ。
コンサル、システム、経理、マーケティング。外部に出している業務はヒントの宝庫だ。
「自分なら代替できないか?」
「せめて要件整理に関われないか?」
発注側で手を動かせない、と思うことなかれ。
将来受注側になったときにも強い。
ポーカーと同じで、配られたカードは変えられない。
でも、組み合わせは変えられる。
・システム× 英語
・データ × 業務理解
・技術 × 調整力
・営業 × 経理
単体では上がいる。だが掛け合わせた瞬間、競争相手は減る。
なぜなら、単体で圧倒的に強い人はわざわざ他分野に広げる必要がないからだ。
突出できないなら、掛け算を続ける。それが現実的な戦略だ。
3Cで考えるキャリア
感情ではなく、構造で考える。
① 自分
自分の得意なこと、できれば"苦痛でないこと"を棚卸しするのは大事だ。
「自分が出来ることは他人でもできる」と思いがちだが、決してそんな事はない。
人間には得意、不得意がある。
苦痛でない事を明確化するのは非常に大事である。
可能であれば同僚に聞いて、人より秀でている能力・秀でていない能力を聞くのが良いだろう。(後者を聞くのは苦痛であろうが)
② 他人
①より簡単だ。他人の能力は客観的な評価がしやすいからだ。
情報の非対称性は低い。
だからこそ、
・何なら勝てるのか
・何では勝てないのか
これを冷静に見極める必要がある。
目の前の他人に1人勝ったところで仕方ないので、あくまで尺度くらいに考えておこう。
③ 市場
最も重要なのはここだ。
・需要はあるか
・将来も伸びるか
市場の“歪み”を探す。ニッチでいい。小さくていい。
特に環境変化で人の価値は大きく変わる。
「英語ができる評価が高い中年男性が英国に赴任したら、ただの中年男性になってしまった」
そんな投稿が少し話題になったが、まさにそれだ。
逆もある。「ただの中年が、評価が高くなる」ということは市場次第でいかようにもある。
3年で手札を1枚増やす
人生は長い。3年あれば、手札を1枚増やせる。
・プログラミング
・セキュリティ
・英語
・データ分析
・動画投稿
何でもいい。今はAIがある。
キャッチアップのコストは確実に下がっている。
3〜6ヶ月で基礎を固める。その後は応募し続ける。
落ちてもいい。試行回数で上回ればいい。
人は「いくら損したか」は気にする。だが「挑戦しなかったことでいくら得を逃したか」は考えない。
未来は見積もりにくいからだ。
逆に5-10年で同じ分野にいることはオススメしない。段々と費用対効果が悪くなり勝ちだし、なりよりAIなど環境の変化で一気に価値が圧縮されるケースがある。筆者は3年くらいプログラミングをやっていたがAIの進展で事実上6ヶ月くらいの能力になった。2.5年はAIによってほぼ無にきした。
反対に英語については英語の会議で文字起こしを使ったり録音して振り返りするなど30年前であれば2-3年の留学経験がなければ太刀打ちできない事が太刀打ちできるようになった。後発には優位な時代である。
実務で学ぶという合理性
・勉強する
・小さく応募する
・実務で学ぶ
・金をもらう
・経歴を積む
つまり、金をもらいながら学ぶ。
挫折しにくい。
成長が可視化される。
市場価値が上がる。
平日8時間働くのは普通だが、休日に8時間勉強し続けるのは難しい。
だから、仕事という環境に学習を組み込む。
やる気に頼らず、仕組みに頼ろう。
まとめ
強いカードを持っている人はいる。
だが重要なのは、
・どのテーブルで戦うか
・どんな手を作るか
・何回プレイするか
3年で1枚増やす。小さな市場で替えが効きにくくなる。
同じ手札(能力)なら若い人が優先される。長く働いてくれるので費用対効果が良く採用側に移るからだ。
ただ、手札が異なるのであれば判断基準が年齢だけでなくなる。
究極、年齢はシンプルだが同条件の参考程度になる程度の能力になるまで差別化を続けよう。
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