デザイナーさんにグラフィックデザインを発注していて痛感することのひとつに「修正内容の完成度がイマイチ」というものがあります。デザイナーさんなのでご自身の制作したものに絶対の自信があって、きちんと意味づけもしているから・・・と言うお気持ちは非常にわかるのですが、そのこだわり、発注者、そしてクライアントにとっては不要の思い込みであることが非常に多いです。例えばグラフィックの構成は非常に良いのですが、単純に耐候性を考慮してマゼンダ、黄色のインクを使用しない配色にして欲しいというだけの修正にグラフィックの全面作り直しをした方がいました。得意先も気に入ったビジュアルでしたので色だけ変えてくれれば問題ない=色だけ変更になったもので再校提出になるという「共通認識」の中で制作者にそれをされてしまうと説明ができなくなってしまいます。結果、いくら上手でも次回の発注はないなという判断となりました。
また、他の案件でもグラフィックと「ことば」の紐付けが重要なものが多い販促物において、単にテキストだけ差し替えて「ことば」の意味と合わない文字組や配色のまま提出されることは日常茶飯事です。こうなってくるとキービジュアルの発想力・原案はデザイナーさん、でも修正は指示を正確に入れてのオペレーターさん作業と、作業者を分ける方が結果「早く」終わります。「伝え方が●割」系の本を読んでますが誘導尋問のように修正内容を納得させるのは今の時代、タイパ的にもイマイチ、これらの修正を発注者がAIにプロンプトで入れていけば思い通りのものにはなります。そうなると「グラフィックデザイナー」と呼ばれる職業の方は全く稼げない状況に陥ります。特に印刷系資材は「オペレーター」の方が圧倒的に稼げる仕組みなので。
初案に対し、スポンサーの要望、修正依頼を正確に読みとる「修正力」、そしてオリエンから納品までの間の依頼の矛盾なども調整する「編集力」があると物事がより円滑になる気がします。要望が的外れであるなら、きちんと説明を用意した上での修正依頼の却下も必要。先日、あるキャラクターをバリエーションとして対になるように使いたいという要望に「『某夢の国』のキャラクターは園内に1体(1人?)の設定です」と却下しました。その矛盾を指摘しないと結果ブランド毀損になりますので。