スタッフは未来の顧客

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コラム
30年もこの界隈にいるとさまざまな目に遭います。「デザイナー」という肩書きが「先生」のように崇められることもあれば言葉は悪いですが「虫けら」のような扱いを受けたとこもあります。大抵はリスペクトをもっていただけますが、大企業、組織が大きく慣ればなるほど、それは顕著です。しばらく忘れていたのですが、ここのところ立て続けに「間接部門でしょ?」というような体裁で会合等からハブられたことで、10年以上前の仕打ちを思い出しました。
某有名組織の会員さんを交えての試食会をインタビュー形式で実施したときです。最終的には記事にするため、会員さんの試食シーンや座談会を撮影、取材と一連の収録が終わった後、収録スタッフに一切の労いもなく、得意先と受託窓口で接待の席にそのまま消えたことがあり、ボーゼンとしたことがあります。その日一日、何も食べられず、試食の収録という場で残ったものを食べていいという声がけもなく、です。テレビや出版とは違う「商業印刷」の世界の話なのでこういう場での実態はよくわかりませんが、取材は役務である、そのためにギャラを払っている、というにはいささか乱暴に感じました。
おせち料理の予約カタログも制作したことがあり、その商材は撮影後は食べることができましたし、後日発注元である自分らで実際に購入して関係者全員で試食したこともあります。その体感が今後の制作に活かせるかというと疑問ですが、ひょっとしたら決して安くもないおせちを自家用に購入するきっかけになったかも知れません。
そう考えると商業印刷の世界では広告・販促したいものを実際に使ってくださいという声がけや提供は皆無です。カメラ系は実機貸し出しなど行なって世界中に撮影に行ってるらしい、くらいかな。耐久消費財は貸せないから仕方ないですが。
デザイナーも自分で身銭を切ってサービス、商材を使って研究してデザインに落とし込んでいたり、積極的に取材をしている人は少ないので、こちらで内容を説明すると「知らなかった」と言われることに結構がっかりすることがあります。双方の歩み寄りがあれば、もっといいアウトプットになりそうだなと思うのですが。
そんな折り、先日「所さんの笑ってコラえて」に20th Centuryの井ノ原快彦さんが出演されたとき、訪れた商店で醤油のルーツといわれる「ひしお」という、商品を紹介されていました。これを井ノ原さんスタッフ全員分に購入して配布。これ、普通にカメラを回しただけではなく「ひしお」を実際に食した可能性があるスタッフが制作したことを知った時、ここから若い層に知識も伝達され、再び番組で取り上げてもらうための体感をさせたことに対して、井ノ原さんの思慮深さと、30年のキャリアが途切れない理由をわかった気がしました。
就活で「就活生は未来の顧客」という言い方をしてぞんざいに扱わないという、特に一般消費財ではよく見聞きする話ですが、社会人同士でも同様で、ひとつずつの振る舞いが未来の顧客獲得に繋がるんだよなと。そう思うと発注側のスタッフへの扱いは気をつけないとな感じたここ最近の出来事でした。
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